こころふ日記 ~公認心理師が子育てや心理学のことなどを語るブログ~

公認心理師のこころふが、子育てや心理学のことなど気ままに書くブログです。

HSP/HSCが流行することのメリット・デメリット

 

こんばんは。 

2児の父であり、長期育休中のこころふです。 

 

10数年いわゆる心理職として働いてきた経験から、子育てに心理学をどの程度活かせるか、試行錯誤する日々を送っています。 

 

さて、最近世間でよく聞くようになったHSPという言葉あります。 

数年前からときどき耳にし、そういう言葉があるというのは知っていたのですが、 

ちゃんと勉強したことはありませんでした。 

 

ただ、芸能人(ロンブーの田村淳さん)のカミングアウトなどから、一般的にも知られるようになってきているのを知り、調べてみようと思いました。 

 

今回は、HSP(HSC)について私なりに思うことを書かせていただきます。

※『HSCの子育てハッピーアドバイス』(著:明橋大二)を参考にしました。

 

HSP(HSC)とは? 

 

まず定義から説明します。 

HSPは、Highly Sensitive Personの略であり、「とても繊細な人」という意味です。 

アメリカの心理学者エレイン・アーロン氏が提唱したものであり、精神医学上の概念ではありません。病気や障害ではなく、あくまで一種の気質として捉えられています。 

5人に1人くらいの人がこれに当てはまると言われています。 

 

HSPの特徴を表す言葉として、「DOES(ダズ)」があります。 

 

Depth of processing・・・深く考える 

Overstimulation・・・過剰に刺激を受けやすい 

Empathy and emotional responsiveness・・・共感力が高く、感情の反応が強い 

Sensitivity to subtleties・・・ささいな刺激を察知する 

 

という4つの特徴頭文字をとったものです 

 

例えば騒がしい音に敏感で気分がわるくなってしまったり怒られている他人を見て自分が怒られたような気分になり落ち込んでしまったりといった、日常生活での困り感や、生きづらさを感じやすい傾向があります。 

 

反面感受性が豊かであり人に細やかな気配りができたり芸術方面才能を発揮したりと、よい方向に気質を活かしている人も多くいます。 

 

ちなみに上記のような特徴を持つ子どものことを、HSPと区別して、 

HSC(Highly Sensitive Child)と言います。 

 

 

自分にも当てはまるのでは? 

 

この概念を知って最初に思ったことは、 

「これって自分にも当てはまるんじゃね?」ということでした。 

 

今回試しにチェックリストで確認してみました。 

チェックリストは、「自分を取り巻く環境の微妙な変化によく気づくほうだ」「他人の気分に左右される」などの22項目からなり、12個以上あてはまれば、HSPの可能性が高いというものでした。 

 

私の場合、大体12個くらい当てはまりました。HSPど真ん中とは言えないまでも、HSPに限りなく近い状態だと言えるかもしれません。 

昔から親に「敏感な子」と言われていたし、自分でもそう思ってきたので、特に驚きはありません。 

 

それから、実は長女もけっこうな「敏感っ子」であります。 

 

例えば、Eテレの子ども番組のあるクイズコーナーを見ていたときのことです。クイズコーナーって、よく「ピンポーン」とか「ブー」って音がしますよね。その「ブー」という音が苦手だったらしく、その音が聞こえそうになると毎回テレビの前から逃げてしまうのです。 

これ以外にも、何てことないテレビ上の演出を極端に怖がって逃げてしまうということはありました。 

 

長女についても、子ども用のチェックリストを試してみると、案の定私と似たような結果で、HSCの可能性があるのかもなあと思いました。

立派に私の遺伝子をついでいますね(笑) 

 

 

HSP(HSC)概念は誰にとって役立つのか? 

 

HSP(HSC)という概念の意味するところは分かりました。 

では、この概念を理解することのメリットは何でしょうか? 

 

上記したように、HSPの方は世の中で生きていくのに、生きにくさを感じてしまう場合も多いと思います。 

「何で自分は人と違うんだろう?」「何かおかしいんじゃないか?」 

そんなふうに感じる方もいらっしゃると思います。 

 

そういった方が、このHSPという言葉を知り、自分にあてはまるということが分かったとします。 

「世の中には、自分以外にも同じような特性を抱えた人がたくさんいるんだ」という気づきや、「ようやく原因が分かった」という納得感は、ご本人の生きづらさを和らげてくれるかもしれません。 

 

例えば、あるこころの病気を抱えている人が、医師から診断名を告げられることで、ようやく自分の辛さの正体が分かり、気が楽になるというケースが多々あります。このように、病気であることが分かることで生じるメリットのことを「疾病利得」と言います。 

HSPは病気ではないので、「疾病利得」とは言えませんが、似たような経験をされる方も多くいることでしょう。 

 

このように、HSPという概念を知ることで、自己理解につながり、結果的に気持ちが楽になるというケースでは、HSP概念がその人の役に立っているといえるでしょう。 

 

 

周りの人の理解が得やすくなる 

 

親や友人、教師などにHSP(HSC)であるということを理解してもらうことにより、できそうにないことを無理強いされなくて済んだり、苦手な部分をサポートしてもらったりと、その方にとって生活しやすい環境づくりがしやすくなるでしょう。 

 

HSCの子への配慮については、『HSCの子育てハッピーアドバイス』に書かれている、

「ひといちばい敏感な子の自己肯定感を育む大切な10のこと」が参考になったので、以下に引用させていただきます。 

 

①子どもを信じる 

②抱きしめる 

③共感する 

④気持ちを言葉にして返す 

⑤ネガティブな感情を吐き出させる 

⑥スモールステップを設定する 

⑦心の安全基地を作っておく 

⑧その子のペースを尊重する 

⑨少し背中を押してみる 

⑩他人と比べるより、自分のゴールを目指そうと伝える 

といったものです。 

 

どれも大変納得できる内容ですが、よく考えてみると、これらの対応が大切なのは、HSCの子に限った話ではないなと思いました。 

HSC気味な私の娘に対しても、とても有効な考え方だと思うので、参考にしていきたいです。 

 

と、ここまでが、私が考えるHSP(HSC)概念を取り入れることで得られるであろうメリットです。 

 

要は、自己理解の促進、安心感、さらに周りからのサポートを得やすくなるということですね。 

 

では、逆にデメリットはないのでしょうか? 

 

 

HSP(HSC)概念を取り入れることのデメリット 

 

これはHSPに限った話ではないのですが、ある枠組みを過度に自分や他人に当てはめようとすることの危惧です。 

 

例えば、20年くらい前から、発達障害という概念が徐々に浸透してきました。これにより支援が充実し、救われた発達障害を抱える方はたくさんいることと思います。 

しかし、一般にもこの概念が浸透するにつれ、「自分は発達障害ではないか」と心配する方が急増します。 

もちろん実際当てはまる方も大勢いるのですが、どう見ても考え過ぎだろうという方も中にはいます。 

また、支援者の間でも「発達障害」という概念が当たり前に共有されてくると、「絶対に見逃さないぞ!」と意気込み、ちょっとでも気がかりな子は「発達障害疑い」とレッテル貼りされるケースが出てきます。 

いわゆる「過剰診断」(実態を超えて多くの発達障害診断が出てしまう)も危惧されます。 

 

HSPも、これだけ世の中に浸透してくると、「自分もHSPなのではないか」と思ったり、実際に専門家に相談しようとする人もたくさん出てくるでしょう。 

それはそれで、先ほど挙げたメリットにつながればよいとは思いますが、ほんの一部しか特徴が当てはまらないのに、HSPだと思い込んでしまう人も出てくると思われます。 

「自分はHSPだから」という免罪符を得ることで、少しでも苦手とすることには挑戦しなくなってしまうかもしれません。 

こうなるとデメリットの方が大きくなってしまうと思います。 

 

あと、怖いのは、うつ病や不安障害、発達障害といった、より深刻な状態を見逃してしまう可能性があるということです。 

私は、HSPの特徴を知ったとき、刺激に過度に敏感であるという点が、発達障害と似ているなと感じました。 

両者を区別しやすいポイントは、共感性が強いか弱いかだと言われています。 

発達障害のある方は一般的に、他者の気持ちを読み取ることが苦手です。逆にHSPの方は、DOESのEにも表れているように、共感性がとても高いです。 

 

なので、見る人が見れば区別できるとは思うのですが、当事者からしたらそこまで判別することは難しく、例えば発達障害を抱える人が、「自分はHSPだったのか。原因が分かったのなら安心だ」と支援の手を借りるチャンスを逸してしまうかもしれません。 

うつ病にしても発達障害にしても、早めに治療や支援につながることで予後がよくなると言われているので、このタイミングが遅れることは、その後の人生に悪影響を及ぼすこともあり得ます。 

 

逆に、HSPだと思って精神科を受診してみたら、実はうつ病だった、発達障害だったということもあるかと思います。この場合は、治療や支援につながるきっかけとなるわけですから、考えようによってはラッキーなケースだと言えるかもしれません。 

 

いずれにせよ、HSPという流行に安易に飛びつくのではなく、冷静に考えてみることが大事です。また、どうしても心配であれば、自己判断せずに精神科の先生やカウンセラーに相談してみることもよい方法だと思います。 

 

 

おわりに 

 

今回のようなHSPや、発達障害のように一つの枠組みが流行すると、それに飛びつく人が増えるのは世の常のような気がします。 

 

それで得られるメリットもあれば、デメリットもあるので、そこを冷静に見極めていく姿勢が必要だと思います。 

 

これは私のような支援する側の人間にも言えることで、あまり大きな声では言えませんが、なんでもかんでも「発達障害」にしたがる人というのは、正直います。 

なにかラベリングをすることで分かったような気になってしまい、それ以上思考停止してしまうという人も少なくありません。(正直なところ、私自身にも覚えがある話です…) 

 

なので、私自身、流行の考え方に流されすぎないよう、 

でも使える部分は活用して、といった柔軟さを忘れないようにしたいと思っています。 

  

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 

トークンエコノミー法 うまくいくケース、うまくいかないケース|子どもの自発性を引き出すコツ

こんばんは 

2児の父であり長期育休中こころふです 

 

私は心理職として10数年働いてきましたが、 

実際のところ、育児にどのくらい心理学が活かせるのか、試している日々でもあります。 

 

以前、わが家でトークンエコノミー法(特定の行動を増やすことを目的とする行動療法の技法の一つ)を取り入れているという記事を書きましたが、 

今回それをもう少し掘り下げて書いてみたいと思います。 

 

 

わが家のトークンエコノミー活用状況 

 

わが家では、娘がお手伝いをしてくれたら、シールをあげ、一定数たまったら、おもちゃなど娘が欲しがるもの(それほど高くないもの)をプレゼントする、というルールになっています。 

 

以前からある程度軌道にのっていたのですが、最近になり、さらに効果が加速してきたような気がしています。 

 

例えば、昨日のできごとですが、 

長女は幼稚園から帰ってくるなり、「お花に水あげる~、庭の掃除もする~、シールちょうだい」と言い出しました。 

 

私がOKすると、本当に積極的に水やりや掃除を始めたではありませんか! 

しかもそれを真似して、下の子も水やりを始めるというオマケつき!! 

 

水やり、庭掃除なんて、私は妻から言われない限りまずやらないようなズボラ人間(いかん!)なので、「本当におれの子か?」と疑いたくなるレベルです(笑) 

 

お手伝いのほかにも、歯みがき、ご飯の完食などの場合にもシールをあげていますが、やはり以前より確実に対象行動が増えてきたと感じています。 

 

なお、この方法が有効なのは、ある程度ルールを理解できるようになる3歳くらいからだと思います。 

 

 

うまくいくケース、そうでないケース (相談にのってきた経験から) 

 

手軽に取り入れられる手法であるため、私が心理職として子育て相談にのってきた中で、何度も提案してきた方法です。 

 

例えば、宿題をさぼりがちなお子さんがいたとしたら、 

本人や家族とよく話し合ったうえで、 

「宿題ができたら1ポイント、20ポイントたまったら漫画を1冊買ってもらえる」などのルールをつくり、お子さんの学習へのモチベーション向上を目指したりします。 

 

ただ、このように誰にでも理解しやすい簡単な方法でありながらも、うまくいくケースとそうでないケースがあります。 

 

この違いは何なのでしょう? 

 

もちろん、支援者としての私の見込み、詰めが甘かったり、単純にその家庭に合う・合わないという理由もあるでしょうが、それらを超えて、私の経験上感じている点を挙げてみたいと思います。 

 

 

うまくいかないケースにありがちなこと 

 

①親子関係がわるい 

 そもそも親子間でうまくコミュニケーションがとれていません。

 なので、システムの導入自体でつまづく可能性もありますし、導入できたとしても、お互い感情的になりやすい状態なので、そのやり取りの中でケンカになってしまいます。

 うまくいく可能性は低いので、まずは親子関係の改善を目標にするか、同時並行で進めるべきだと思います。 

 

②親の子どもへの期待が強すぎる 

 親が期待をかけすぎてしまうことは禁物です。

 ルールづくりを話し合う中で、どうしても課題の難易度が高くなってしまい(例:「勉強を3時間できたら1ポイント」など。勉強嫌いな子がそんなにできるはずありません!)、結局子どもはほとんどトークンをもらえない、という悲しい結果になりがちです。

 そうなると、親はがっかりするわ、子どもの自己肯定感は下がるわで、よいことはありません。 

 このへんは、支援者が間に入り、うまく調整していけるとよいです。 

 

③子どもが課題をこなしても、親がトークンを与えない 

 せっかく子どもが課題をこなしても、親がトークンを与えない場合があります。

 単にルールを忘れていることもあれば、そのときの機嫌であげない、ということもあります。

 これをされると子どもの行動強化が起こらないだけでなく、親への不信感にもつながってしまうので注意が必要です。

 また、トークンはなるべく行動の直後に与えるようにしましょう。

 これを「即時フィードバック」といいます。 

 

④バックアップ強化子のバランスがわるい(高価すぎる) 

 トークンと交換できるごほうびのことを「バックアップ強化子」と言います。

 先の宿題をさぼりがちな子の例でいうと、漫画のことです。

 例えば、目標とする課題が簡単でトークンもすぐに集まるのに、バックアップ強化子はそれに見合わず高価なおもちゃ(ゲームソフトなど)であった場合、親は何度も高価なおもちゃを買い与えることになってしまい、結果的に続かなくなります。

 バックアップ強化子を決める際は、課題の難易度、必要なトークン量とのバランスをよく考えましょう。

 もし、課題が簡単なようであれば、必要なトークン量は多く設定するなどの工夫が大事です。 

 

 

うまくいくためのコツ 

 

以前の記事で書いた内容とかぶりますが、 

うまくいくためのコツについてあらためて簡単に挙げておきます。 

 

①実現可能な課題を設定する 

②表を視覚化しておく 

③なるべく子どもがワクワクするような工夫をする 

 (トークンを魅力的なシールにする、表に好きなキャラクターの挿絵を入れるなど) 

④即時フィードバックを行う 

⑤ルールは適宜柔軟に修正する(そのときの気分で勝手に変えるのはNG) 

⑥コーディネートしてくれる存在(支援者)がいればなおよし 

 

他にもあるはずですが、思いついた点を挙げました。 

 

 

 

おわりに 

トークンエコノミーは愛着のあるテクニックなので、今回ちょっと深堀してみました。 

 

わが家ではたまたま(今のところ)うまくいっていますが、もちろん万能な方法ではありませんし、慣れないと失敗するケースも多いです。 

 

ただ、仮に失敗したとしても、状況が悪化しないよう配慮することは必要かと思います。それを防ぐためにも、やはり親が期待をかけすぎないこと。 

 

過度な期待は子どもに過度なプレッシャーを与えますし、失敗したときお互いの精神的ダメージが大きくなりやすいです。 

 

手軽に導入できることがメリットなので、「失敗してもいいや」くらいにかまえて取り組むとよいと思います。 

 

 

なお、わが家のトークンエコノミーも、まだまだ工夫の余地があると考えているので、バージョンアップが成功したら、また報告させていただくかもしれません(^^) 

 

 

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 

子どもの気持ちの切り替えがスムーズにできたという話|ちょっとした声かけの工夫

 

こんばんは。 

2児の父で、現在育休中のこころふです。 

 

心理職として子育ての相談にのることも多かったのですが、 

自分自身が子育てを経験しながら、 

あらためて学ばされることが多いと感じる毎日です 

 

今日はちょっとしたことですが 

おもしろいことがあったので、書かせてもらいます 

 

 

公園で遊ばせるときの悩み 

 

うちの1歳の娘(みーこ)はブランコが大好き。 

 

公園に連れていくと必ずブランコにのり、 

それから何十分でものり続けてしまうというところがあります。 

 

長時間のっていると周りのたちが遠巻きに 

「ブランコのりたいな~」という顔をしながら見てきます。 

そばにいるママさんも、 

「どうかな~、もうすぐ空くかな~」という感じで、 

こちらをチラリとうかがいます。 

 

公園でのマナーとして、そして親としての気まずさもあり、 

やはりそこは、娘にブランコをかわってあげるよう促します。 

 

しかし… 

 

わが娘のブランコへの執着はすごいものがあり、 

ほとんどの場合、首を横にふって全力拒否します。 

 

私なりに 

「そろそろお友達にかわってあげようね」 

「あと10回こいだら終わりにしようね。い~ち、に~・・・」 

などと、いろいろ声をかけますが、たいてい不発に終わるので、 

最終的には力づくでブランコから引っぺがし、 

泣き叫ぶ娘をなだめながら抱っこして連れていく 

・・・となることが多いのです。 

 

まだ1歳の子に、 

誰かのために自分の欲求を我慢しろというほうが無理なのは 

分かっているのですが、 

だからといってずっと遊ばせておくわけにもいかず、 

どうにかならないかな~と悩んでいました。 

 

 

今日の出来事 

 

今日は朝から天気がよかったので、近くの公園に連れて行きました。 

 

そして予想どおり、娘はブランコに直行し、 

長時間満喫コースに突入。 

周りには徐々に子どもが集まり始め・・・ 

と、よくあるシチュエーションに。 

 

しかし、 いつもなら焦ってしまうところですが、 

今日の私はなんとなく、こころの余裕がありました。 

 

なぜなら、 

「もうなるようになれ~、アハハ~(*´▽`*)」と開き直っていたからです!

なんか天気もよかったしね(笑)

 

そこでまずは、 

「みーちゃん、あっちのすべり台で遊んでみようよ」と 

ダメもとで声をかけてみたところ、 

案の定首を横にふる娘。 

 

アチャー(ノ∀`)と思いながらも、今度は、 

「みーちゃん、あっちの電車を見に行こうよ」と穏やかに声をかけてみたのです。 

 

というのも、 

公園に着くまでの途中、電車がとおる音を聞き、 

娘が「(電車)見た~い」と言っていたのを思い出したからです。 

しかも、ちょうど近くから電車を見られるスポットがあったのです。 

 

 

すると、

なんと、 

娘が「うん」と首を縦にふったではありませんか!! 

そして、するりとブランコからおりる娘。 

 

めったに見ない展開に、

内心「よっしゃー!」とガッツポーズでした。 

 

 

今日の気づきポイント 

 

・子どもは簡単に自分の欲求を我慢できない。 

 「我慢させる」のではなく、 

 「ブランコ(熱中していること)から気をそらす」ほうが有効。 

 

・何が刺さる(ヒットする)かは子どもによりけり。 

 その日によっても変わる。 

 日ごろから、何が刺さるかアンテナを張っておくことが大事。 

 

・あわてず、できるだけ穏やかな口調で声かけする。 

 

 

といったところではないでしょうか。 

 

そういえば、上のおねえちゃんに 

登園準備させるときも、穏やかに声かけするほうがスムーズにいきますね。 

 

やはり何事も親のこころの余裕が大事ですね!

 

 

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました! 

 

 

「名もなき家事」と「名もなき育児」|夫婦仲を守るために共有すべき考え方

 

こんばんは。 

2児の父であり、長期育休中のこころふです。 

 

 

少し前に、「名もなき家事」なる言葉が流行りましたよね。 

 

私は半年前くらいに関連本を読んだことがあったのですが、 

「なるほど!」と感心してしまいました。 

 

なぜなら、 

まさに私が「名もなき家事」に 

鈍感な人間の一人だったからです。 

 

 

もともと、家事は苦手だったのですが、 

それでも結婚し、子どもができ、妻に負担をかけないよう、 

やれることはやろうと、それなりにやっていたつもりでした。 

自分では…。 

 

半々とはいかないまでも、 

4:6くらいで家事はやってたつもりだったのです。 

 

しかし・・・ 

 

あるとき妻に聞いてみたところ、 

「あなたは大して家事をやってくれないけど、 

 仕事で大変そうだったから文句は言わずにいた」 

みたいなことを言われたんですね。 

 

これはそうとうショックでした・・・。 

 

妻からすると、まったく及第点ではなかったのです。 

それどころか、 

言わなかっただけで、本当はかなりストレスを感じていたようなのです。 

 

それからというもの、 

少しずつできることを増やしていこうと心がけてきたのですが、 

そんな折、ふいに本屋で手にとったのが、 

『やってもやっても終わらない名もなき家事 名前をつけたらその多さに驚いた』 

(著者はコピーライターの梅田悟司さん)という本でした。 

 

 

「名もなき家事」とは 

 

家事というと、料理、掃除、洗濯、買い物といった、 

主要なところがまずイメージされると思います。 

 

私も、例えば、「食器洗い」などの分かりやすい家事は、 

それなりに積極的にやっていました。 

 

ただ、私がやっていたのは、 

文字通りの「食器を洗う」という行為、 

それから「洗った食器を水切りかごに置く」というところまでだったのです。 

 

かごに置かれた食器はどうなるか。 

 

まさか自動的に食器棚に戻るわけもありません。 

当然、毎回妻が戻してくれていたのです。 

 

こういう、はっきり名前をつけられない家事、 

それが「名もなき家事」なのです。 

 

本書は、 

そういった名もなき家事に名前をつける、というコンセプトで書かれています。 

 

ほどの食器を棚にもどす家事は、 

「リ・ポジショニング」という名前がつけられていました。 

 

これを知ったとき、 

私は頭をコツーンと殴られたような感覚でした。 

 

「そうか、食器を戻すのも家事の一つだったんだ!!」 

と。 

 

バカみたいな話ですが、本当なのです。 

 

妻がやってくれていたのを認識していなかったわけじゃありません 

というか、この目で実際に何度も見ていました 

 

ただそれを「家事」ひとつと認識していなかったというかなんというか。 

うまく言い表しづらいですが・・・。 

 

要は他人事だったんですよね。 

「自分は皿洗ったからいいでしょ」的な感じです。 

 

こうやっていざ文章に起こしてみると、ひどいね。 

書いてていやになりました(;^ω^) 

 

これは氷山の一角にすぎず、 

私がちゃんと「家事」と認識していなかった「名もなき家事」は 

他にもたくさんあったことでしょう。てか、今もあるはず。

 

一つ一つは大したことじゃなくても、

つもりつもると大きな負担になることは、容易に想像できますよね。

 

 

名もなき育児 

 

家庭における役割としては、 

「名もなき育児」と呼べるものもたくさんありそうですね。 

 

パッと思いつくだけでも、 

 

・ねぞうのわるいわが子に布団をかけなおしてあげる 

・汚れた口の周りをふいてあげる 

・出かける前にトイレに行くのをうながす 

・家に帰ってきたあとに手洗いをうながす 

・なかなか食べないわが子にスプーンでご飯をあげる 

 

などなど。 

細かく挙げていったらキリがないかもしれません。 

 

正直、これらも以前はほとんどを妻に任せきりで、 

私はどこか他人事でした。 

 

妻の負担感を想像すると、申し訳ない気持ちになります*1 

 

 

放っておくと危険な認識の違い 

 

おそらく、私のような男性って、 

世の中にはけっこういると思うんですよね。 

 

しかも、タチがわるいのが、 

“自分は家事・育児をちゃんとやれている”と思い込んでしまっていること。 

 

そう思い込んでしまう原因の一端には、 

やはり「名もなき家事・育児」がある気がしてなりません。 

 

“誰かがやらなければいけない”仕事なのに、 

それを「家事・育児」として認識できていない。 

 

だから、「名前のついている家事・育児」をやっただけで満足してしまう。 

“やった感”を持ってしまう。 

 

そして、その“やった感”を出している夫にいらつく妻…。 

 

そんな構図があるような気がします。 

 

こういった現実をお互いが認識して話し合えればいいと思いますが、 

放置しておくと、夫婦間に大きな溝ができてしまう恐れもあるかと思います。 

そうならないようにするにはどうしたらよいのでしょうか? 

 

 

 

家事・育児の負担を平等にするには? 

 

まず考えられるのは、 

「名もなき家事・育児」を片っ端からひたすら書き出して、 

それらを2人で(場合によっては子どもも含めて)分担する。 

 

という方法があります。 

 

これは必ずしも半々に分ける必要はなく、 

例えば一方が残業の多い勤め人だったりすれば、 

そちらの家事分担をへらすとか、話し合って決めることが大事だと思います。 

 

 

これ、たしかに合理的だし、 

「名もなき家事」をお互いが認識できるだけでも意味はあると思うのですが、 

個人的に、これうまくいくかな~という疑問もあります。 

 

なぜなら、今まで主要な名前アリの家事・育児しかやってこなかった人が、 

そう簡単に受け入れられるかな~と。 

下手したらケンカになってしまうのではないか、と。

 

私だったら受け入れられたかどうか…正直ちょっと自信ないです(;^ω^) 

 

 

主体性をもって家事・育児にとりくむ! 

 

私が一番いいと思うのは、 

男性の方も一度主体性をもって、家事・育児に取り組んでみるということです。 

 

よく、「家事・育児を“手伝う”」というのはNGワードと言われますよね。 

「いや、お互いの仕事やろがい!“手伝う”ってなんじゃ!!」と。 

 

“手伝う”という受け身的な姿勢ではなく、 

主体的に取り組むことで、 

「名もなき家事・育児」の存在、大変さに

自分で気づくことが大切だと思うのです。

 

そしてそのための具体的な方法はというと、 

そう! 

男性側が育休をとってみるということです! 

 

私も、育休をとり、自分が家事・育児の主体となったことで、 

初めてそれに気づけたと感じています。 

 

まぁ育休とったところで結局ただ休んでいるだけ、 

という例も聞くので、 

一概には言えませんが。 

 

私の場合は、妻がもうフルタイムで勤め出しているので、 

やらざるを得ないという(笑) 

 

 

おわりに 

 

いろいろ書きましたが、 

結局のところ、夫婦間で納得できていればどんなやり方でもいいんですよね。 

これが正解というのはありません。 

 

でも、個人的に 

この「名もなき家事・育児」という発想には、 

かなりハッとさせられました。 

 

夫婦間でこの考えを共有することで、 

いい方向に向かう家庭も多くあるのではと思います。 

 

私も、おそらく今も気づけていない「名もなき家事・育児」があるのでしょうが、 

アンテナを張りながら、 

妻からの評価を少しでも上げられるよう努力したいと思います。

 

わが家の平和のために(笑) 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

少しでも参考になったとしたら幸いです(^^)

*1:+_+

【書評】「忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス」(著:明橋大二)

 

こんばんは。 

2児の父であり、長期育休中のこころふです。 

 

心理職として子育ての相談にのることもありましたが、 

いざ自分がメインで育児をするようになってから、 

新たに学ぶことはとても多いなと感じています。 

 

ときどき書評、というか本の紹介もしているのですが、 

今回はこちらの本を紹介します。 

 

『忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス 

著者は、スクールカウンセラーにして医者でもあるという、明橋大二さんです。 

 

私は、以前働いてた職場の精神科医の先生にすすめられ、読みました。 

まだ2番目の子がうまれる前でした。 

 

本書の出版は2007年と、けっこう前になりますが、 

特に古いとは感じず、今読んでも、十分参考になる内容です。 

ちなみに、この「子育てハッピーアドバイス」はシリーズ化されているようです。 

 

さて、タイトルからわかるとおり、 

「忙しいパパ」向けの子育て本です。 

 

本書のいいところは、 

なんといっても読みやすくてすぐ読み終わること 

タイトルに偽りなしです。 

 

漫画やイラストがほぼ全ページにわたり掲載されていて、 

内容がすっと入ってきやすい。 

 

これを初めて読んだ当時、 

まだ私一人で子どもの世話をするのに抵抗があった頃、 

「子どもの世話を父親一人でしてみると、母親のたいへんさも理解できますし、子どもとの絆も強まります。」との記述を読み、 

じゃあやってみようかな、と思った記憶があります。 

 

また、子育て中の父親として、 

「そうそう、あるある」と思った箇所がいくつもありました。 

 

例えば、上司から急な仕事を依頼されどうしても家に帰れず、 

子どもの誕生日を祝うことができなかったパパ。 

 

ママからは「家族より仕事の方が大事なのね!」なんて言われてしまい… 

 

どちらの気持ちもわかる。わかるだけに切ない… 

仕事と育児の板挟みは、多くのパパが経験していることだと思います。 

 

私の場合、その結果が、 

現在の「育休」という選択につながっていますし。

(家族の誕生日くらい当たり前に早く帰れる社会になってほしい、と切に思う・・・)

 

本書の中では、夫婦間であらかじめよく話し合って、 

お互いの状況(会社内での自分の立場、など)を 

きちんと伝えあうことの大切さが説かれていました。 

 

難しいことですが、おろそかにせず、やっていこうと思いました。 

 

 

 

なお、最終章の 

『「お父さん、生きていてほしい!」子どもが最後に願うこと』は、 

涙なしに読めない内容でした。 

 

私も仕事のストレスで辛い思いをしたことは何度もありますが、 

最後の最後に大切なのは生き抜くことなんだな、とあらためて思いました。 

 

本書の序文にも書いてあることですが、 

現在忙しい中パパとして奮闘中の方、これからパパになる方に 

おすすめしたい本です。

 

父親としての自分を振り返るきっかけになりますよ。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

育休パパの悩み|ママ友との交流をどうしたらいいか? 

 

こんにちは。 

2児のパパであり、長期育休中のこころふです。 

 

私が、育休をとるにあたって心配だったことの一つに、 

「地域のママたちとコミュニケーションとれるだろうか?」 

というものがありました。 

 

今回はこれをテーマに話したいと思います。 

 

 

子育てコミュニティに参加するときの不安 

 

育休をとるからには 

やっぱり子育てサークルとか 

子育て支援センターとか 

利用したいな~と思ってたんですね 

 

子どもへのいい刺激になるし、 

自分自身も勉強になると思ったので。 

 

でも私にとってはほぼ未知の領域だったし、 

そもそも人見知りする方なので、 

 

男一人で浮かないかな~とか、 

ママたちと話せるかな~、と 

不安はありました 

 

 

実際に参加してみて 

 

妻が育休中通っていた子育てサークル初めて参加したときは 

やっぱりソワソワしましたね(;^ω^) 

ママたちと何を話したらいいんだろう、って。 

 

“話題についていけない”というのは大きな壁でした。 

 

例えばですが、その子育てサークルでは、 

無添加食品とか、自然派のものを好むママさんたちが多いんですね。 

 

あるとき、ママさんたちが会話で盛り上がっていたので、 

何を話してるのかな~と耳を傾けると、 

「ぬか」の話題だったんですよ。 

 

私は、生まれてこのかた、 

「ぬか」について興味をもったことがない人間だったので、 

引き出しはまったくの0(ゼロ)、話に入りこむ余地もありませんでした。 

 

あ~、もっと「ぬか」について勉強しておけばよかった、 

なんて思いましたよ(笑) 

 

まぁ「ぬか」はレベル高め(?)だとしても、 

料理全般、いや家事全般低スキルな私には、 

合う話題が少なく、ハードルの高い世界でした(-_-;) 

 

それでまあもちろん多少挨拶とかはするけど 

基本的には子どもの相手をして過ごしてましたね 

 

子どもがいると周りと話せなくても間が持つので、 

それはそれでよかったんですけどね(;^ω^) 

 

 

ママたちと話せるようになったきっかけ 

 

ところが、少しずつ私が場所慣れしたというのと、 

一つの突破口になったのが、私自身が細々と料理を始めたことでした。 

 

特に、ある人から勧められ、 

「低温調理器」なるものを買ったことが大正解でした。 

 

「低温調理器」とは、肉や魚を低温で長時間加熱するための調理器で、 

最近少しずつ一般家庭に浸透してきているようです。 

 

大手メーカーのものだと2万円くらいしますが、 

1万円くらいで買えるものもあります。 

私が買ったのは後者。 

 

これがですね、 

驚くほど簡単に、うまい肉料理がつくれるんですよ! 

ローストビーフも簡単につくれます。 

 

特に鶏もも肉を低温調理すると、これがもう絶品! 

自分でつくったものがこんなにうまいなんて・・・ 

と感動したほどです。 

 

話がそれましたが、さきほどの子育てサークルでは、 

家庭でつくった料理を持ち寄ることになっているんですね。 

 

ある日、せっかくだからとその鶏肉料理を持って行ったところ、 

ママさんたちから、 

 

「おいしい!」 

「どうやってつくったの!?」 

と、賞賛の嵐(笑) 

 

まぁそれはちょっと大げさですが 

料理のレシピを教えるなどして話が弾みました。 

 

それからというもの 

料理話題そこそこできるようになり 

話しやすくなりました 

なにがきっかけになるかわからないものですね。 

 

 

子育て支援センターでは 

男親はやっぱり一人だけなので 

最初はちょっと居づらさを感じたのですが、 

3回目くらいからは慣れて、気にならなくなりました。 

 

保育士の先生が、いろいろと気にかけ、 

話しかけてくれたりもします。 

 

子育てサークルにしても、子育て支援センターにしても、 

もともと先に妻が通っていて、 

周りに「今度だんなが育休とるよ!よろしくね!」と 

言っておいてくれたことも、よかったと思います。 

何事も引継ぎって大切です。 

 

 

子育てコミュニティに参加して感じたメリット 

 

そういう場に参加することで得られる一番のメリットって、 

親同士がコミュニケーションをとることで、 

「この悩み、自分だけじゃないんだ~」と安心できることだと思います。 

一種の自助グループみたいなものですね。 

 

私の場合、ママさんたちと直接連絡をとりあうとかはないですが、 

子育てコミュニティーに参加すれば、 

普通に話せるくらいの関係づくりはできました。 

 

しばしば、「大丈夫ですか?」「子育て大変じゃない?」 

と声をかけられますが、 

たぶん周りからは、危なっかしく見えてるのだと思います(;´∀`) 

というか、実際テンパってること多いし、そのとおりなんだけど(笑) 

気にかけてくれるのは、ありがたいことです。 

 

もちろん、 

「ママ友との関係ってめんどくさい」 

「一人のほうが楽」 

って言うママ、パパもたくさんいるでしょうし、 

そういうコミュニティーが合わない人もいるでしょう。 

 

無理に合わせる必要はないと思います。 

 

ただ、もし気の合う子育て仲間ができたとすれば、 

それは親にとっても子どもにとっても、すごく有意義で、 

プラスになることだと思います。 

 

 

おわりに 

 

というわけで、 

もし私と同じような心配を抱えているパパさんがいたら、 

まずは「ぬか」を勉強しましょう(笑) 

 

それは冗談として、 

私の経験からアドバイスできることがあるとすれば、 

 

①奥さんからママ友を紹介してもらう 

②料理や家事などの話題の引き出しをもっておく 

 (個人的に、低温調理器はまじでおすすめ!) 

③ママ友と悩みを共有し合う 

 

このあたりは、おすすめです。 

もし参考になれば幸いです。 

 

 

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

子育てパパの無気力感と克服方法 ~これって学習性無力感?~

 

 

こんばんは。 

2児のパパであり、長期育休中の公認心理師こころふです。 

 

今日あった面白かったことは、 

1歳のみーこが、上の子の真似をして洗濯物をたたんでくれたのです。 

(もちろんぐちゃっとなってたけど、やろうとしたことがすごい!) 

 

みーこは自分でできたことを嬉しく思ったのか、一言、 

 

「だんだんだ~」 

 

・・・・・・・。 

 

一瞬なにかと思ったけど、「たたんだ~」と言いたかったんだね(笑) 

とてもかわいかった(#^^#) 

 

 

さて、今日は、子育て中のパパが陥りやすい“無気力感”について話したいと思います。 

 

世の中のお父さん方、こんな経験をしたことはないですか? 

 

ぐずるわが子を抱っこしようとして、 

「ママがい~い!!(*´Д`)」と余計に泣かれてしまったこと。 

 

ご飯を食べさせてあげようとして、 

「ママじゃないとやだ~(; ・`д・´)」といやがられてしまったこと。 

 

私も何度もあるのですが、 

こころの狭い私は、 

そのたびに「チッ」とこころの中で(ときどき実際に)舌打ちしています(-_-;) 

 

まぁ一度や二度ならいざしらず、 

これが続くとさすがに嫌になってくるというものです。 

 

「子どもにとってはママが一番」 

 

分かってはいるのですが、 

それにしてもその反応はないだろうと・・・。 

 

私がメインで育児をするようになってからは、だいぶましになりましたが、 

以前はことごとく子どもから拒否を受け、 

なかば無気力状態に陥ってしまったこともありました。 

子どもにとっておれって必要なのかな~と。 

 

でもそこで冷静になって、はたと気づきました。 

 

「これって学習性無力感じゃね?」・・・と。 

 

 

学習性無力感とは? 

 

心理学を学んだことのある人なら必ず知っているというレベルの 

超有名な心理学用語なので、知ってる人も多いと思いますが、簡単に説明します。 

(余談ですが、あるウェブサイトによると、追加試験含めまだ過去3回しか実施されていない公認心理師の資格試験において、すでに4回も出てきているほどの頻出用語です) 

 

「学習性無力感」は、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンが提唱した用語です。 

 

セリグマンは、犬の足元に電流を流すという実験を行いました。(犬かわいそうに…) 

 

犬は電流に対して、最初は吠えたり動き回ったりと、なんとか避けようと努力しますが、 

その電流からはどうやっても逃れられないようになっています 

 

犬はしだいに電流から逃れることを諦め、何もしなくなります。 

 

次に、柵を乗り越えれば電流を逃れられるような状況をつくって 

そこに犬を移し、再度電流を流します 

 

すると犬は、今度は最初から電流を逃れようとする行動をとらなくなり、 

電流を受け続けるのです。 

つまりこの犬は、「無力感」を「学習」してしまったのです。 

 

この実験結果は、努力が報われない状況が続くと、 

何もできない無気力状態に陥ってしまうということを意味しています。 

 

 

私も、いくらあやそうとしても余計に泣いてしまうわが子に対し、 

無力感を学習していたのかもしれません。 

 

そして、「じゃあいいや・・・」と気持ちが萎えて 

子どもへの関わりに消極的になったらなったで、 

今度は妻からの「もっと手伝ってよ~!」のプレッシャー。 

 

もうどうしたらいいのよ・・・と。 

 

似たような経験されたパパさん方もいるのではないかと思います。 

 

 

無力感の克服方法 

 

学習性無力感は、うつ病との関連が深いと言われています。 

自己効力感が低下してしまう、とも。 

 

そうでなくても、子どもとの関わりに消極的になってしまうのは、 

もったいないことだと思います。 

パートナーとの関係に影響してくるでしょうし。 

 

なので気持ちを切り替えていけるといいのですが、 

大事なのは 

小さなことでも成功体験を重ねていくことだと思います。 

 

子どもがぐずっているときの対応が難しいのであれば 

比較的きげんのよさそうなタイミングを狙って、 

あやしたり抱っこしてあげたりすればいいのです 

 

そうやって子どもを楽しませることができれば、 

「よ~し次も!という気持ちになりやすいはずです 

 

あとは、パパだからできること、やりやすいことに存在意義を見いだすのも 

いいと思います。 

具体的には、公園に出かけていっしょに体を使った遊びをする、 

高い高いをしてあげる、肩車をしてあげる、など。 

 

そうやって、自分にできること、存在意義を感じられるようになれば、 

自己効力感もアップするでしょうし、無力感を克服することができると思います。 

さらに言うなら、できれば、 

ママにはパパのがんばりをねぎらってほしい。ウソでもいいから(笑) 

 

私の妻は、ちょっとした育児手伝いでもわりと感謝してくれたので、 

それでモチベが保たれた部分はあります。 

あとは、子どもの前で私を下げるような言動は絶対にとらなかったですね。 

それも地味にありがたかったです。 

(内心思うところはたくさんあったはずですが・・・) 

 

あとは、パパ友がいるのであれば、 

いろいろと話してみると、 

「うちもそうだよ~」なんて分かり合えることも多いので、 

それで気持ちが楽になることもけっこうありますね。 

 

何事も一人で抱えないことです。 

 

 

まとめ 

 

今回は、男親が子育てに消極的になってしまう原因の一端を 

「学習性無力感」で説明してみました。 

 

無力感を克服するには、 

・小さな成功体験を重ねる 

・男親ならではの立ち位置を見つける 

・パパ友と話してみる 

・(できれば)パートナーにねぎらってもらう 

 

といった方法がいいのではないかと考えてみました。 

 

 

ところで今回は私の立ち位置的に、 

あえて男親の話に限って書きましたが、 

これは女性、母親にとっても十分起こりうることです。 

 

実際、例えば子どもの発達に障害があるなどの理由から、子育てに苦戦し、 

うまくやれない自分を責めて、自信を失ってしまうママさんも多くいらっしゃいます。 

 

そのような場合、やはり育児の苦労を一人で抱えこまないこと、 

周りからのサポートを受けていくことがとても重要です。 

 

育児に失敗やストレスはつきものなので、 

親も自分自身のメンタルを大事にしてあげましょう。

“テレビ育児”が子どもに与える影響について考えてみた。

こんばんは。 

2児の父であり長期育休中の公認心理師こころふです。 

 

前回“語りかけ育児”について記事を書いたところですが、 

それと関連して、今回はいわゆる“テレビ育児”について書いてみます。 

 

 

わが家のテレビ育児 

 

みなさん子どもにどのくらいテレビをみせていますか? 

 

「家事の間ずっとみせている」、「なるべくみせないようしている」 

「ていうかもう、テレビじゃなくてスマホで動画見せてるし」などなど 

いろいろな親御さんがいらっしゃることと思います。 

 

うちは正直、 かなりみせてますね(;^ω^) 

 

実際、「テレビは全然みせてないというママさんに会ったこともあるし、 

ネット検索してもそういう方はけっこういるみたいだけど、 

 

いや、どうやったらできるの!? 

という気持ちしかないです(笑) 

 

そりゃまぁ見せずにすむならそうしたいところですが。 

 

ご飯の用意、洗濯物、風呂そうじetc…と無数にこなすべき家事はありますが、 

そんななかでも子どもらは容赦なく次々と要求してきます。 

 

「お菓子食べた~い」「ハサミどこいったの~?」 

それこそ「テレビみせて~」とかね。 

 

 

もうね、 

 

「うるせ~!知るか~!!」 

 

って言いたくもなりますよ。我慢するけど。

 

そんな中、“テレビさん”はわが家の救世主です。 

 

ポチっとリモコンのボタンを押すだけで、 

子どもからの要求の嵐がだいぶ弱まりますからね。 

 

テレビさん、そしてNHK(Eテレ)さんには足を向けて寝られません(笑) 

 

でもね、 

少しは罪悪感もあるんですよ。 

 

本当は子どもの遊びにもっとつきあってあげたい、 

絵本の読み聞かせをもっとしてあげたい、という気持ちもあります。 

 

それに、「テレビ育児」は子どもに悪影響があるとかっていうじゃないですか。 

言葉の発達が妨げられるとか、集中力がつかないとか。 

 

それこそ前回の“語りかけ育児”の本にだって、 

テレビは1日30分までがいい、なんて書かれてました。 

 

30分か・・・ 

わが家なんて余裕で3時間くらいはみせてますよ。はぁ・・

 

きっと同じようなモヤモヤを抱えている親御さんもたくさんいるのではないかと思います。

 

でも、ここで考えてみたんです。 

実際のところ、テレビを長時間みせることは、どのくらい子どもに悪影響があるのかなぁ、と。 

 

今回ちょっと調べてみました。 

 

 

テレビの悪影響は心配しなくてもいい? 

 

 

今回参考にさせていただいたのが、こちらの記事。 

 

発達心理学を専門にしている、 

お茶の水大学教授の菅原ますみさんへのインタビュー記事です。

 

菅原さんは、当NHKが実施していた「子どもに良い放送プロジェクト」に

共同研究者として参加していたそうです。

ここを見るといろいろと研究結果がのっています。

 

番組研究 - “子どもに良い放送”プロジェクト | NHK放送文化研究所

 

結論から言うと、 

 

テレビの長時間視聴については、それほど気にしなくてもいいのではないか、 

ということになります。 

 

少なくともテレビ視聴そのものが、 

発達にあきらかな悪影響を及ぼしたり、問題行動に結びつくといった科学的根拠はないようです。 

 

ただ、だからといって、 

ず~っとテレビをみせておいてもいいってことでもありません。 

 

発達心理学の研究では、 

絵本読みや、外遊びを通した人とのコミュニケーションが、 

子どもの語彙量を増やすということが分かっています。 

 

テレビをずっとみせていたら、絵本読みや外遊びの時間がとれませんよね。 

そうすると、子どもの語彙が増えることはあまり期待できなくなります。 

 

逆にいえば、テレビを全くみせない家庭であっても、 

絵本を読んであげなかったり、外遊びをさせなかったりすれば、 

同様に語彙は増えづらくなるということです。 

 

つまり、テレビの長時間視聴自体にはそれほど問題がなくても、 

間接的に、子どもの発達のチャンスを奪ってしまいうる、ということになります。 

 

とても腑におちた気がします 

 

 

他の研究でははっきりと悪影響がある主張する研究もあるそうなのです。 

 

ただ、そういった研究は、 

単に「行動に問題がある子」が「テレビを長時間視聴している」傾向が強い、という 

相関関係を指摘しているにすぎないらしいのです。  

 

これでは、テレビを長時間視聴したから、子どもの行動に問題が起きた、 

という因果関係があるとは言い切れません。 

 

むしろ反対に、

「子どもの行動面に問題が多い」(手がかかる)から、 

親がテレビを長くみせざるを得ない、のかもしれないのです。 

 

その点、菅原さんの研究は、数年にわたる大規模な追跡調査なので、 

こちらの方が信頼性は高いと思います。 

 

なお、補足として、 

テレビの内容が暴力的であったり、性的な内容だったりすると、 

子どもにネガティブな影響があるそうです。 

 

反面、子どもの年齢にふさわしい教育的内容であればポジティブな影響がある、 

という結果も出ているそうです。 

 

またテレビを親子でいっしょにみて、 

コミュニケーションツールのひとつにすることは意義があるそうです。 

これを「対話的共有視聴」というらしく、絵本と同様に、 

幼児の語彙量を増やす効果があるそうです。 

 

 

おわりに 

 

というわけで、今回テレビ視聴の子どもへの影響について調べたことを書いてみました。 

 

思ったほどの悪影響はないとのことで、ちょっと罪悪感がなくなりました(笑) 

 

むしろ、多くの子育てママ・パパにとって、 

テレビは便利な子育てツールとして役立っているのではないでしょうか。 

 

もちろん、「全くみせない」という方はすごいと思うし、 

理想的にはそれがいいのかもしれません。 

 

ただ、だからといって、テレビをとっぱらって、 

全時間フル稼働で子ども対応するって、誰にでもできることじゃないし、 

ストレスも半端じゃない気がします。 

 

そのストレスのせいで、イライラして子どもに当たってしまう、 

というのでは本末転倒ですし。 

 

テレビなどのメディアとは、

うまいぐあいに付き合っていくのがよさそうですね。 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 

 

“語りかけ育児”の大切さについて ~行動遺伝学を参考にしながら~

こんにちは 

2児の父であり長期育休中公認心理師こころふです 

 

育休前は心理職として 

子どもの発達や不登校のことなど、相談対応していたことがありました。 

 

今回は、子どもへの“語りかけ育児”がどのくらい大切かということについて 

書きたいと思います。 

 

さて子どもの発達のことでよくある相談として、 

「言葉の遅れ」があります 

 

「2歳を過ぎても単語がでないとか 

「3歳になるのに言葉が増えない」とか 

そういった相談ですね。 

 

この中で、心理職はどういうことをしているかというと、 

親御さんから、お子さんの様子をききとったり、心理検査を行ったりします。 

 

 

その結果、言葉や発達に遅れがあると判断されれば、 

それを親御さんにフィードバックし、言葉や発達を伸ばすために何が必要なのか、 

アドバイスしたりします。 

 

定番のアドバイスの一つは、 

 

「お子さんへの言葉かけ(語りかけ)をこころがけてくださいね」 

 

です。 

 

 

そう、言葉かけ(語りかけ)は大事なのです。 

 

でも正直、「そんなの分かってるよ~」とか 

「もうやってるよ~」と内心思う人も多いだろうなとも思います。 

 

実際、言葉の伸びぐあいというのは個人差があって、 

子どもによって早かったり遅かったり、ペースにけっこう違いがあります。 

 

なので、パパ・ママがめちゃくちゃ頑張って言葉かけをしていても、 

なかなか言葉が伸びないという子どもは、もちろんいます。 

 

 

では、「結局のところ、言葉かけ(語りかけ)ってどのくらい効果があるの?」 

という疑問について、考えてみましょう。 

 

ここで参考にしたいのが、「行動遺伝学」です。 

 

詳しくはふれませんが、一卵性双生児や二卵性双生児といった 

「ふたご」を調べることで、 

人間の能力や性格がどの程度遺伝や環境に影響されているか、 

といったことを明らかにする学問のことです。 

 

正直なところ、私も別に全然詳しいわけではないのですが、 

最近関心のある分野ではあるので、ちょっと調べてみました。 

 

まず、「遺伝か環境か」というテーマは、昔から議論されてきました。 

ざっくり言えば、 

人が成長するのに、遺伝要因と環境要因のどっちが大事なのか? 

という話です。 

 

結論としては、「どっちも大事!」 

ということになります。 

 

ただ、その分野によって、どちらがどれくらい影響しているのか、 

といったことはけっこう変わってきます。 

 

例えば、IQ、つまり一般知能は遺伝要因による影響がかなり大きく、 

家庭環境の影響はほとんどないと言われています。(年齢によっても変わってくるけど) 

 

また、遺伝的影響がさらに強いのは、 

音楽的才能や数学的才能らしいです。 

 

この2つは、ほぼ9割方、遺伝要因で説明できるらしいので、 

例えば音楽家として成功できるかどうかは、 

ほぼ生まれつき決まってしまうということになります。 

 

なんか身も蓋もないような話に聞こえてしまうかもしれませんが、 

逆にいえば、何かが得意でないことを、 

極端に環境のせいにしたり、努力不足のせいにしたりしなくてすむという点では、 

この話を聞いてホッとする人もいるのではないかと思います。 

(私が高校数学でつまづきまくったのも、努力不足が原因ではなかったんだ。きっとそうだ・・・。) 

 

行動遺伝学の第一人者である、安藤寿康さんの著書である 

「遺伝子の不都合な真実」によれば、 

行動遺伝学の3原則は、 

 

①行動にはあまねく遺伝の影響がある 

②共有環境の影響がほとんどみられない 

③個人差の多くの部分が非共有環境から成りなっている

 

とのこと。

 

②の「共有環境」というのは、 

(厳密にはちがうけど)ほぼ家庭環境と同じ意味だと思ってもらってけっこうです。 

 

つまり、家庭環境の影響って、実はかなり小さいってことを意味しています。 

 

「え~、うそ!?」って思ったのは私だけではないはず。 

でも、どうやら本当にそうらしいのです。 

それよりも、学校とか地域のコミュニティといった非共有環境の影響の方が強いとのこと。 

 

ただ、これはあくまで“原則”です。 

つまり、家庭環境の影響がでやすい分野というのもあるのです。 

 

では、最も家庭環境の影響が強い分野とはなにか? 

 

そう、「言語能力」なのです! 

 

どうやら言語能力の半分くらいは、家庭環境によって決まってくるようです。 

 

そうと分かれば、子育てのなかで、ここに力を注がない手はないですよね。 

親の言葉遣いとかも、子どものそれに大きく影響してきますよね。 

 

ここで「語りかけ育児」の重要性が見えてきました。 

 

イギリスの言語治療士であるサリー・ウォードさんが書いた 

『わが子の発達に合わせた1日30分間 「語りかけ」育児』という有名な本があります。

原題はBaby Talk

 

先輩心理士が勧めていたので、私もだいぶ前に買ってはいたのですが、 

分厚くてとっつきづらく、ちょっとしか読んでいませんでした(笑) 

ただ内容的には、素晴らしい本だと思います。 

 

これによれば、 

1日30分間、他の刺激(音とか)をなるべくシャットアウトした状態で、 

子どもと一対一で向かい合い、 

子どもが注意を向けていることについて、ゆっくりと語りかけてあげることが大事。 

 

“語りかけ”により、言葉の遅れがあった子どもでも、 

年齢相応の水準に追いつきやすくなることが分かっているそうです。 

 

というわけで、ちょっと回りくどくなりましたが、結論は、 

 

「語りかけ育児は、子どもの言語発達にとっても役に立つよ~!!」 

 

ということになります。 

 

なにやらよく話題になる“早期教育”に力やお金を注ぐよりも、 

よっぽどコスパがいいんじゃないかな。 

 

さて、わが身を振り返ってみると、 

正直、私の“語りかけ”は、今までかなり貧弱だったと思います(-_-;) 

 

妻には、「もっと子どもに話しかけなきゃ!」なんて言われる始末ですから…。 

仕事では「言葉かけが大事です!」なんてアドバイスしてるのに…情けない。 

 

分かってても、実践しなきゃ意味ないですよね。 

 

これからは心機一転、“語りかけ”を意識して、 

子どもに向き合いたいと思っている今日この頃です。 

 

子ども同士のちょっとしたトラブル どこまで親が介入すべきか?

 

 

こんにちは 

 

今日公共の子育てプレイルームみたいなところに、 

1歳の娘を遊びに連れて行ったときのことです。 

 

娘がふいに、おままごとセットで遊んでいる男の子の横に行ったかと思うと、 

少し割り込むような形になり、おもちゃで遊び始めたのです。 

 

男の子は腰が引けてしまったらしく、娘からちょっと距離を置き、 

娘の遊んでいる様子をしばらく見つめていました。 

 

娘はおもちゃを横取りしたというわけではなく、 

ただそこに遊びたい道具があったからそこにちょろっと入り込んだといった感じ。 

 

注意するか迷ったのですが、 

そこには相手の親御さんもおり、ちょっとバツがわるかったので、 

娘には「お友達が遊んでたよね」「違うところに行こうか」と声をかけてみましたが、 

全く反応なし。 

 

ただ、その場から引きはがすほどの状況でもないと判断したのと、 

男の子と一緒に遊んでくれたらな~とも思ったので、ちょっと様子を見ていました。 

 

すると、相手のママさんから私へのジ~ッという視線に気づきました。 

私もママさんの方に視線を向けるとたった一言 

 

「順番」 

 

とだけ、聞こえたような気がしました。 

 

「ん?」と思い、聞き返してみるとやはり 

「順番」と言っているようでした。 

 

表情から察するに、どうやら、 

「子どもに順番は守らせろ」と言いたいようだったのです。 

 

なぜ「順番」というたった一言だったのかというと、 

どうやら相手のママさんは中国系の方だったようで、 

日本語はかたことしか話せないようだったのです。 

 

なんにせよ、厳しい視線を向けられた私は、 

娘を抱き上げそそくさとその場から離れました。 

 

おもちゃを取り上げられた娘は当然いやがり声をあげましたが、 

さすがにあのまま遊ばせておく勇気はなかった・・・。 

 

今回のことは、様子を見るだけにとどめた私も悪かったのかもしれませんが、 

今まで直接的に親を責めてくる(少なくともそう感じた)親御さんに会ったことがなかったので、 

ちょっと面食らってしまいました。 

 

私が逆の立場だったら、 

男の子に「お友達といっしょに遊びなよ~」と声をかけたりしたと思うのです。 

 

まぁ相手が初対面で、考え方がわからない以上、 

無難に最初から引き離すことがベターだったのかなぁとは思っていますが。 

 

また、言葉の壁がなければ、親同士でなんらかのコミュニケーションをとって 

やり過ごせたのかもしれません。 

 

 

さて、今回に限らず、 

子ども同士のちょっとしたトラブルはよく起こります。 

 

相手をたたいてしまうとか、度をすぎた嫌がらせとかであれば、 

注意すべきでしょうが、 

そうでないグレーゾーン的なシチュエーションであった場合、 

対応に迷うことが少なくありません。 

 

例えば、うちの娘はブランコが好きでよく使うのですが、 

長いと何十分でものろうとするんですね。 

 

他の子が「ブランコのりた~い」と言ってきた場合、 

娘に「そろそろかわろう」と促しますが、ほとんどの場合降りようとはしません。 

 

相手の子の要求がエスカレートしてこようものなら、 

どうすべきか困ってしまいます。 

 

公園のブランコに「〇分で交替しなければいけない」というルールはありません。 

でもあまりに長ければ、譲ってあげるのがマナーだとは思います。 

 

ただ、じゃあその時間って何分から? 

 

5分? 

10分? 

それとも15分? 

お互いの年齢にもよる? 

 

考え出すときりがありません。 

 

そもそも、そういう些細ないざこざに親が介入すべきなのか? 

いろいろな意見があると思います。 

 

見守っていればいいと言う人、早めに介入してあげる方がいいと言う人。 

さまざまですよね。 

 

個人的な意見でいえば、 

明らかにどちらか一方がわるいとか、激しいケンカが起こっているという状況でなければ 

親はあまり介入しないほうがいいのではないかと、最近は思っています。 

 

以前は「どちらかというと早めに止める派」だったのですが、 

最近は身近にいるママさんたちの影響を受け、 

「どちらかというと見守る派」に転身しました(笑)

 

理由としては、なんでもかんでも親が介入してしまうと、 

子どもの自律性、対応力が育たないんじゃないかと思うからです。 

 

子ども同士の関係で困る経験も必要だと思います。 

 

収集がつかなくなるなら、そのとき親が介入すればいいと思っています。 

 

とはいえ、やはり相手の親御さんの考え方、スタンスを慮ることも大切ですね。 

今回のことで身に染みました(;^ω^) 

 

子育てって、本当に学ぶことが多いですね~。

【書評】「不登校は1日3分の働きかけで99%解決する」

 

こんにちは 

先日わが娘の登園しぶり事情を書きました。 

 

今日も娘を幼稚園に送り出しましたが、休み明けにもかかわらず 

久しぶりに、全くいやがる様子もなく、スムーズに登園することができました!!

 

昨日の夜などは、「〇〇先生のことが好きなの~」と、 

お気に入りの先生ができたことも話していました。 

また一つ、子どもの成長を感じることができ、ホッとしているところです。 

 

さて、それとちょっと関係する話になるのですが、 

私が心理職として相談を受けるなかで、 

印象深かった不登校の男の子(中学生)がいました。 

 

 

そのころ不登校支援に関する本を何冊か読んでいたのですが、 

一番参考になったと感じる本がこれ。 

 

不登校は1日3分の働きかけで99%解決する』  

 

著者は森田直樹さんです。今日はこの本を紹介したいと思います。

 

この本の主張はとてもシンプル。 

 

・子どもが不登校になるのは、心のコップに水が足りないから。 

・コップを自信の水で満たすことで、子どもは自ら動き出す。 

・1日3回以上子どもをコンプリメント(ほめること)し、ノートに記録を残しましょう 

 

というものです。 

 

「心のコップとか「自信の水」とか聞くと、 

あやしいとか、抽象的だと感じる人もいるかもしれませんが、 

要は「自信」とか「自尊心」と呼ばれるものだと考えてもらっていいと思います。 

 

つまりめちゃくちゃ簡単に言うと 

子ども自信をもてるようになるべくほめましょう!」 

ということです。 

 

え?それだけで不登校が解決するの? 

 

そう思う方も多いでしょう。 

 

たしかにコンセプトはとても簡単です。 

でも、それを継続することは実はそれほど簡単ではありません。 

 

想像してみてもらえればわかると思いますが、 

不登校の子を抱える親の多くは、焦りと不安の気持ちでいっぱいです。 

 

そんななか、勉強もせず、テレビやゲームばかりしているわが子に対して積極的にほめるということ、 

一体どのくらいの人が続けられるでしょうか。 

 

その反対に、説得したり、理由を問い詰めたり、叱責したり、といった対応をとる親の方が多数派でしょう。 

 

知識としてわかっていることと、実際にそれを続けられることには、大きな隔たりがあります。 

責めてはいけない、ほめてあげるほうがいい、と分かっていても、それを実現できるとは限らないのです。 

そこが支援をしていて難しいと感じる点ですね。 

 

ただ、先ほど書いた不登校の相談事例では、 

この本の内容をその子のママさんと共有し、コンプリメントを実践してもらいました。 

 

そのママさんは、それを完璧に続けられたわけではなく、むしろ 

「なかなかほめられないんですよね~」とか「昨日はきつく怒ってしまいました…」などと、 

うまくいかなかった報告をされることも多々ありました。 

 

でも、このママさんのすごいところは、 

それでも子どもへの愛情は絶やさず、子どもを理解しようと努め、 

ときどき落ち込みながらも、全体的には前向きだったことです。 

完璧ではなくても、コンプリメントも続けてくださいました。 

 

結果的に、その子は学校に通えるようになりました。 

そのころになると、相談開始直後とは比べものにならないくらい、自信にあふれた様子でした。 

 

ママさんの努力によって、まさに 

「心のコップに自信の水が注がれた」状態だったのだと思います。 

 

本書以外にも、関連する本を何冊か読み、参考になった部分もあったのですが、 

「理論はわかるけどどう実践したらいいのか」 

と、私の頭では支援のイメージが持ちづらかった記憶があります。 

 

その点本書は、「これ以上ないのでは?」というくらいシンプルな内容なので、 

相談者も親御さんも即実践しやすいところがよいと思います。 

 

「理論はともかく解決のヒントが知りたい!」という方は、 

読んでみて損はないと思います。 

 

もちろん、何でもそうですが、 

これさえ読んでおけばオールオッケー! 

というものではなく、 

合う人、合わない人がいるとは思います。 

 

その証拠に、今回の記事を書くにあたってAmazonのレビューを見てみたのですが、 

全体的に高評価ではあるものの、酷評されているレビューも散見されました。 

 

あくまで一つの考え方として、読んでもらえたらいいと思います。 

 

 

不登校問題に関しては、とても関心のある分野の一つなので、 

今後も何かしら記事を書いてみたいと思っています。 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

男性が育休をとるメリット・デメリット

こんばんは。 

 

私が育休を取り始めてからすでに半年以上が過ぎています。 

 

今回は、私が感じている、育休をとったことによるメリット・デメリットを 

書いてみたいと思います。 

 

今、育休をとろうかどうか迷っている方がいれば、 

少しは参考になるかもしれません。 

 

 

育休のメリット 

 

①子どもと向き合えるようになった 

子どもと過ごす時間が圧倒的に増え、前よりも子どもと向き合えるようになりました。 

以前は気づきづらかった子どもの感情の動きや、 

ちょっとした変化にも気づけるようになりました。 

 

特にうれしかったのは、娘が「あーとう(ありがとう)」と初めて言えたときと、 

妻が仕事にでかけるとき、最初はいつも泣いていたのに、 

1週間くらいで「ばいばーい」と手を振って見送れるようになったことです。 

娘の成長を感じ、思わずギュ~ッと抱きしめてしまいました。 

 

妻から感謝されるようになった 

家事・子育て面において、妻から感謝されることが増えました。 

特に、妻の帰りが遅いとき、 

うまい具合に寝かしつけまで完了していると、喜んでくれます。 

(起きていると、妻の帰宅と同時に子どもらのテンションが爆上がりしてしまう) 

 

私が働いていて、妻が育休をとっていたとき、 

果たして自分は妻に感謝の気持ちを伝えていただろうか… 

かなり怪しい(*_*; 

 

 

 

③子育ての大変さを理解することができた 

これ、育休をとるにあたっての目的の一つでもありました。 

仕事で子育て相談に応じることもある立場からして、 

メインで子育てを担うことの大変さはぜひ体感しておきたかったのです。 

 

一人の父親としても、 

これまでの妻の苦労を理解するという意味で、 

とても大事な経験になると期待していました。 

 

いざ、やってみて、 

“予想通り”大変でした。ええ、大変ですとも。 

 

でも、“予想以上”ではありません。今のところ。 

そう思えるのは、妻をはじめ、周りに理解、サポートしてくれる人が多いからでしょう。 

 

大変さとともに、サポートしてくれる存在の重要性を実感できたことは、 

私にとって、とても大きな実りになってくれそうです。 

 

④自分の生き方・働き方を振り返る時間が増えた 

つい1年くらい前まで、定年までずっと働き続けることを当たり前だと思っていました。 

忙しさに追われたまま、走り続けたここ数年。 

それはそれで、得るものはたくさんあったけれど、 

逆にいろいろなものを犠牲にしてきたような気もします。 

 

一言でいうと、こころの豊かさ。 

 

育休という選択肢を考え始めたことで、ようやくそこに疑問を持つようになりました。 

 

そして子育てに向き合ってきたこの数か月間。 

家族とふれ合うこの“豊かな時間”を、仕事の忙しさにかまけてないがしろにしてしまうのは、 

自分の人生において、大きな損失なのではないかと思うようになりました。 

 

“ワーク・ライフ・バランス” 

口で言うのは簡単ですが、実現するのは簡単じゃありません。 

どうしたら実現できるのか、考え続けていく必要がありそうです。

 

⑤家事スキルが上がった 

私の家事スキルといえば、めちゃくちゃ低レベルだったと思います。 

というか、今も決して高いとは言えないのですが、 

それでも以前に比べれば、だいぶましになったと思います。 

 

特に、私は料理が大の苦手で、1年に1回するかしないかというレベルだったのですが、 

育休をとってからはさすがにそういうわけにはいかず、よくつくるようになりました。 

やり始めると、これが、意外と楽しかったのです。 

 

基本的に面倒くさがりな性格なので、どうしたら簡単にお弁当を仕上げられるかとか、 

つくり置きをどうするか、とか、いろいろと工夫するようにもなりました。 

 

今回育休をとらなければ、おそらく一生料理なんてすることはなかったでしょう。 

 

家事に限らず、新しい生活スタイルを送ることで身につくスキルは、 

きっと誰にでもあることでしょう。 

 

 

育休のデメリット 

 

さて、今度はデメリットです。 

 

①家計がきびしくなる 

やはり、これが大きなデメリットかなと思います。 

給付金が出るとしても、収入はかなりダウンしてしまいますし、 

家計がきびしくなる家庭も多いと思います。 

 

わが家も例外ではなく、通帳残高のさみしいこと、さみしいこと… 

 

逆に言えば、ここが問題ないご家庭であれば、 

ぜひご検討を、といった感じです。 

 

②仕事のキャリアの問題 

一定期間仕事から離れるわけなので、 

その後のキャリアに影響が出るパターンもあると思います。 

はえらくなりたい気持ちなどさらさらないので、無問題ですが、 

復帰した後すぐに勘がとりもどせるのか、といったところは少しだけ不安です。 

 

③職場によっては、白い目で見られる(かも) 

これはその組織、職場による、としか言えませんが、 

まだまだ男性が育休をとることを、よく思わない人たちがいるのは事実でしょう。 

男性の育休取得率が低いのも、ここが大きな原因です。 

 

実は私もそのようなことを危惧はしていたのですが、まったくの杞憂でした。 

理解をしてくださった職場の方々には感謝しています。 

 

 

以上、個人的な体験をもとに、メリット、デメリットを挙げてみました。 

私自身は育休をとってよかったと思っていますが、 

こればかりは人それぞれなので、

 

とったら絶対ハッピー!

 

なんてことはもちろん言えません。 

 

ただ、私が最終的に育休取得を決めた理由の一つが、 

「今しかとれない」でした。 

 

子どもが大きくなってしまったら、「育休」はとれないのです。 

これを逃すと、可能性のある長期休暇って、たぶん病休か介護休暇くらいですよね。 

 

そう思うと、あとで悔やむよりは、思い切ってとろうと思えたのです。

 

最後まで読んでくださった方(いるのか?)、ありがとうございます!

もし、少しでも参考になったのであれば、うれしいです(^^♪

登園しぶりへの対応について

こんばんわ。 

公認心理師のこころふです。 

 

現在長期育休中で2児の子育てに奮闘中です! 

 

うちの3歳のぴよ子を、今年から幼稚園に通わせているのですが 今困っているのは“登園しぶり”です。 

 

出かける直前になると「おなか痛い」と言い出したり、「ねむい」「つかれた」と言い出したり、何かと理由をつけて休みたがります。 

 

園についてからも私の脚にしがみつき、 大声で泣きじゃくることもあります。 

 

まぁ、ほぼ毎日抵抗しますね(;^_^A 

いつも後ろ髪をひかれる思いで、娘を預けてきます。 

 

うまく声をかけて、なだめてくれる園の先生には感謝しかありません(;^ω^) 

 

幸い、迎えに行くときには「楽しかった~!」と笑顔で言ってくれるのですが、やっぱりちょっと心配になります。 

 

多くのママさん、パパさんが同じような心配を抱えているのではないでしょうか。 

 

初めて娘が本格的に登園をしぶったときは、登園時間が迫っていたこともあり焦ってしまい、

「え?なんで?」「時間がないんだよ」「早くいこう!」などと、かなり急かしてしまいました。 

 

今思うと、娘に無用なプレッシャーを与えてしまったなぁと反省しているのですが、やっぱり親側は「保育園・幼稚園は行くもの」「行って当たり前のもの」という意識がありますよね。 

 

だから、いざ「行かない」「いやだ」と言われると、焦ってしまったり、イライラしてしまったりする方も多いと思います。 

 

では、どう対応したらいいのでしょう。

 

対応のポイント

私も仕事柄、子どもの不登園や不登校に悩むさんの相談に対応させていただいたことがあるので、その経験と、今回自分が親の立場になって気づいたことをふまえて、私なりの考えを書きたいと思います。 

 

①「絶対に連れて行くぞ!」と意気込まない 

まず、「絶対に連れて行くぞ!」「何がなんでも登園させてやる!」とは意気込まないほうがよいです。 

たしかに、登園しぶりをする子であっても、 いざ行ってさえしまえば楽しく過ごせる場合が多いことと思います。 

だから、「連れて行ってさえしまえば大丈夫」「とにかく連れていくことが大事」と 考える人が多いと思います。 

 

その考え方がうまくいくケースもあるでしょう。 

ただ、“心の底から行きたくない”、“どうしても行けない”という子は存在します。 

理由は、集団に入ることが極度に苦手、新しい環境が極度に苦手、などさまざまです。 

そういった子どもたちにとって、保育園、幼稚園、あるいは学校という場所で過ごすことは、心底辛いことだったりするわけです。 

そして、その辛さをうまく言葉にできない子も大勢います。 

  

だから、「何がなんでも連れていく」は、ちょっと危険な考え方だと思うのです。 

無理やり登園させられたことが、トラウマになってしまう恐れもあります。 

  

さらに言うと、親が意気込んでしまうことで、冷静に対応できなくなり、子どもの登園への気持ちがよりしぼんでしまう可能性が高いです。 

「いざとなったら休ませればいいや」くらいにかまえていた方が、結果的に子どもの安心感につながり、登園できる場合が多いと思います。 

 

実際、子どもの不登校に悩む親が、登校させることをあきらめたとき初めて、子どもが登校できるようになるという例が少なくありません。 

  

②子どもの話に耳を傾け、共感する姿勢をもつ 

子どもから「行きたくない」と言われると、先の例の私のように「え?何言ってるの?」などといった言葉がつい出がちだと思います。 

  

しかし、これでは子どもは、自分の気持ちが親から否定されたと感じ、ますますネガティブな気持ちを強めてしまいます。 

 

親がまずするべき対応は、「そうか、行きたくないんだね」と子どもの気持ちによりそい、話を聞き、共感する姿勢をもつことです。 

親が気持ちを分かってくれたと感じると、子どもは安心し、 登園に向けて気持ちが動きやすくなります。 

結果的に行けなかったとしても、親に気持ちを受け止めてもらえた経験は、 その後のプラスになるでしょう。

 

③登園したあとのポジティブなイメージを持たせてあげる 

保育園、幼稚園に通い始めて日が浅く、新しい環境に慣れない状況であれば、 いやだなぁと思う気持ちはごく自然なことです。 

必要以上に不安がる子どももいます。 

そういった場合は、登園したあとの園での活動で、楽しそうな場面を具体的にイメージできるように伝えてあげるとよいかもしれません。 

「〇〇くんとおままごとして遊べるね」「今日のお昼は△△だね。楽しみだね」などといった具合にです。 

ポジティブなイメージが思い描けると、子どもの不安もやわらぎ、登園する気持ちに一歩近づくかもしれません。 

 

 

④登園できた日は、子どもの頑張りをねぎらってあげる 

行きたくないという気持ちを抱えながら、こころを奮い立たせて登園できた子に対しては、精一杯ねぎらってあげましょう。 

親ががんばりを認めてくれるということは、子どもにとって一番のごほうびです。 

安心感が得られ、次の日からの通園をがんばる気持ちが高まります。 

 

⑤園の先生と情報共有する 

園の生活の様子が分かると、子どもがどの部分をいやだと感じているのか察しやすくなり、対応しやすくなります。 

また、子どもが楽しんでいる活動や仲良くしている子の名前が分かると、 

③で挙げた「ポジティブなイメージ」を持たせてあげる声かけがしやすくなります。 

 

⑥朝は時間に余裕をもつ 

これは、今回私が痛感したことですが、 朝の時間がないときに、子どもにあれこれ言われると、気持ちが急いてしまい、 冷静に対応できなくなってしまいがちです。 

そこで登園準備を少し早めに始めることにしたところ、娘がイヤイヤ言い始めても、以前よりも冷静に対応できるようになりました。 

当たり前のことかもしれませんが、こういうちょっとした工夫も大事だよなぁと感じています。 

 

おわりに 

いろいろと書きましたが、ご家庭によって事情はさまざまでしょうし、 子どもには個性があります。 

これが正解という絶対の答えはありません。 

 

登園させることにこだわりすぎず、何より、子どもの気持ちによりそうということが一番大事だと思います。 

 

もちろん、なるべくなら毎日元気に通ってほしいですが・・・ 

やっぱり子育てって難しいですね(笑)

 

最後まで読んでくださった方、どうもありがとうございました(^^)

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【ブックレビュー】「いい子に育てると犯罪者になります」(著:岡本茂樹)

こんにちは。

今回も子育て関係の本を紹介してみたいと思います! 

  

『いい子に育てると犯罪者になります』 

 

 

著者は岡本茂樹さん 

臨床教育学者で、刑務所で受刑者の更生支援にも携わっていた方ですが、 

残念ながら2015年に亡くなっています。

 

この本は、岡本さんが亡くなられた後に、出版されたものです。 

新潮社の新書です。 

 

さて衝撃的なタイトルの本書ですが、 

読み進めていくと、 

刑務所の出入りを繰り返す、いわゆる累犯受刑者には、 

「いい子」だった人が多いとの内容が目にとまります。 

 

幼少期から無理を重ね、 

親の期待する役割を演じることに耐え切れなくなった結果、 

つもりつもった否定的な感情が「犯罪」という形で爆発するというのです。 

 

また少年院の問題についても言及しています。 

第2章のサブタイトルが「少年院に入ると、さらに悪くなる」で、 

こちらも注目すべき内容です。 

 

例えば、少年院では私語が禁止されています。 

これにより、少年たちは、自分の気持ちを開放することができなくなり、 

心理的に抑圧されてしまいます。 

 

私たちの日常においては、私語が禁止など、ちょっと考えにくいことです。 

 

それを少年院の少年たちは、基本的に24時間強いられている・・・ 

想像するだけで息苦しくなる。 

「さらに悪くなる」という著者の主張もうなづける気がします。 

 

私としては、少年院で働く方がわるいわけではなく、

おそらくは、少年院の中で昔から根づいているシステムが問題なのであり、 

そこではあたりまえの“文化”なのだと思います。 

見直していく必要はあると思いますが。 

 

心理臨床の話に置き換えてみると、 

こころや行動面の問題を抱える子どもたちと向き合うときには、 

その子がどんな背景を抱えているか、何が問題行動に走らせているのか、 

といった視点で考えます。 

 

例えば、幼少期に親から虐待を受けてきたとか、 

学校で強いストレスにさらされながら生活してきたとか、 

そういった背景が見えてくることが多いです。 

 

そして、そのようなこころの内に抱えた感情を、 

うまく人に話すことができずに生きてきている場合が多いのです。 

 

著者は、「人に迷惑をかけてはいけない」という考え方は、危険だと主張します。 

それは、しんどい、辛いときでも、 

感情を人に吐き出せなくなってしまうことにつながるからです。 

 

よく言われることですが、上手に人に甘えられる人の方が精神的には健全です。 

 

今回、私自身の子育ての仕方をかえりみたとき、 

やっぱりわが子を「いい子」に育てようとしていることに気がつきました。 

 

著者が主張するのは、 

指示や命令を子どもにたくさんすると、プレッシャーから子どもらしさを失ってしまうということ、 

自分の思っていることや考えていることをはっきり言えるように促すことが大事、 

ということです。 

 

わが子には無用なプレッシャーを背負わせることなく、 

「子どもらしく」育っていってほしいな、とあらためて思ったのでした。 

 

感想文のようになってしまいましたが、 

とても読みやすく、子育ての参考になる良書ですよ。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます(*´▽`*)

 

 

子どもの自発的な行動を引き出すには ~トークンエコノミー法~

こんにちは 

公認心理師のこころふです 

 

2児のパパであり、現在長期育休中です。 

 

このブログでは、 

「子育てのなかに、こんな心理学的手法をとりいれたら役に立ったよ!」 

いったことを紹介したりしています。 

 

今回は、「子どもの自発的な行動を引き出すには」というテーマです。 

 

わが家の長女ぴよこは、現在3歳。 

私は「そろそろ少しずつ家のお手伝いを練習させたいなぁ」と考えました。 

 

お手伝いをする子は、社会を生き抜く力がつく、なんて話も聞くし、 

なにより、積極的にお手伝いしてくれる子に育ってくれたら、親の負担も減るし(笑) 

 

 

トークンエコノミー法

 

今回取り入れた作戦は、「トークンエコノミー法」です。 

 

この方法、いまさら私が紹介する必要があるのか(おそらくない)というくらい、 

心理学のなかでは有名な手法なのですが、 

知らない方もいると思うので説明しておきます。 

 

 

「トークンエコノミー」は行動療法の理論として位置づけられます。

「トークン」というのは「代理貨幣」と言われるものです。 

つまり、お金のかわりになるもの。 

 

身近な例でいうと、お店でもらえるポイントカード。 

 

買い物して一定のポイントがたまると、 

お金のかわりとして商品の購入に使えたりしますよね。 

 

ポイントほしさに、ついそのお店で買い物をしちゃう、 

という人は、私だけではないはずです。 

 

この場合、ポイントが購買への動機づけになっているのです。 

 

 

 ごほうびシールを使った動機づけ

 

これもトークンエコノミーを用いる際の王道ですが、 

わが家ではシールをごほうびとして使うことにしました。 

 

①娘とのルール決め 

 「お手伝いしてくれたら、シール1枚あげるね」 「やった~」 

てな具合に、あっさり契約は結ばれました(笑) 

 一応、シールが一定数たまったら、ちょっとしたおもちゃをご褒美として 

プレゼントすると約束してはいるのですが、 

 欲しいものを聞いても娘はいまいちはっきり答えないので、プレゼントは保留になっています。 

 3歳くらいの子には、シールをもらうこと自体が十分ごほうびになるようですね。 

 

②お手伝いシートを見えやすいところに貼っておく 

 お手伝いシートは、ウェブサイトからプリントアウトしました。 

 こちらのサイトがおすすめです。  

お手伝いシート・生活チェックシート | ぷりんときっず

 シールを貼るシートは、見えやすいところに貼り、 

 子どもが自分の成果を確認しやすいようにしておくとよいでしょう。 

 

③シールにひと工夫 

 ごほうびは子どもにとって魅力のあるものでないと効果が出ません。 

 私が工夫した点は、娘が喜びそうなオリジナルシールをつくってあげたことです。 

 娘の好きなキャラクターは“どマイナー”なので、当然市販されているシールなどなく、 

 「ならいっそつくっちゃえ!」と思ったのです。 

 「A-Oneラベルシール」を購入し、娘の好きなキャラクターが描かれている絵本をコピーしシールにしました!

 

 

 これはこれでちょっと手間なのですが、 

 娘の食いつきを見るに、手間をかけただけの意味はあったかなと思います。 

 

④お手伝いをしてくれたら、とにかくホメる! 

 ごほうびシールは予想以上の効果をあげ、 

 ときには娘が自分からお手伝いをしてくれることも増えてきました。 

 このときに大事なのは、すぐさまシールを渡してあげること。 

 即時性が大事なのです。 

  

 また、シールに加えて、ここぞとばかりに、 

 「すご~い!」「ありがとう!」と、ホメホメシャワーをあびせます(笑) 

 ときにはギューっと抱きしめます。

 娘もまんざらではない様子。

  

 物によるごほうびだけでは、いずれ効果が薄れてしまい、 

 子どもの要求がエスカレートしてしまうこともあるため、 

 親からのホメ言葉、感謝の気持ちを伝えることが、より大事だと思います。

 

※なお、今回の参考文献はこちらです。1988年出版とやや(いやかなりか…)古いので注意が必要ですが、行動療法の知識がコンパクトに載っていて今でも参考にしています(*^^*)

 

  

 おわりに

 

 お手伝い行動を引き出すことを目的に始めたトークンエコノミーですが、 

 今では、娘の歯みがきや、トイレでうんちができたこと(初めてできたときはマジでうれしかった!)などに対しても、 

 ごほうびを与えることにしています。 

 

 もちろん100%うまくいくわけではないですが、 

 以前よりも自発的な行動が増えてきたな~と感じます。 

 

 わざわざトークンエコノミーなどと専門用語を持ち出さなくても、 

 経験則などから、シールのようなごほうびを取り入れているご家庭も多いかと思います。 

 (そもそも心理学は、こういう常識の追随みたいな理論が多い…笑) 

 

 でも、まだ取り入れていなくて、 

 子どもの自発的な行動を引き出したいと思っている方であれば、 

 この方法はとても手軽なので、やってみる価値はあると思います!

 妻からの評判もよいです(笑)

 

 

 ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!