こころふ日記 ~公認心理師が子育てや心理学のことなどを語るブログ~

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【書評】「不登校は1日3分の働きかけで99%解決する」

 

こんにちは 

先日わが娘の登園しぶり事情を書きました。 

 

今日も娘を幼稚園に送り出しましたが、休み明けにもかかわらず 

久しぶりに、全くいやがる様子もなく、スムーズに登園することができました!!

 

昨日の夜などは、「〇〇先生のことが好きなの~」と、 

お気に入りの先生ができたことも話していました。 

また一つ、子どもの成長を感じることができ、ホッとしているところです。 

 

さて、それとちょっと関係する話になるのですが、 

私が心理職として相談を受けるなかで、 

印象深かった不登校の男の子(中学生)がいました。 

 

 

そのころ不登校支援に関する本を何冊か読んでいたのですが、 

一番参考になったと感じる本がこれ。 

 

不登校は1日3分の働きかけで99%解決する』  

 

著者は森田直樹さんです。今日はこの本を紹介したいと思います。

 

この本の主張はとてもシンプル。 

 

・子どもが不登校になるのは、心のコップに水が足りないから。 

・コップを自信の水で満たすことで、子どもは自ら動き出す。 

・1日3回以上子どもをコンプリメント(ほめること)し、ノートに記録を残しましょう 

 

というものです。 

 

「心のコップとか「自信の水」とか聞くと、 

あやしいとか、抽象的だと感じる人もいるかもしれませんが、 

要は「自信」とか「自尊心」と呼ばれるものだと考えてもらっていいと思います。 

 

つまりめちゃくちゃ簡単に言うと 

子ども自信をもてるようになるべくほめましょう!」 

ということです。 

 

え?それだけで不登校が解決するの? 

 

そう思う方も多いでしょう。 

 

たしかにコンセプトはとても簡単です。 

でも、それを継続することは実はそれほど簡単ではありません。 

 

想像してみてもらえればわかると思いますが、 

不登校の子を抱える親の多くは、焦りと不安の気持ちでいっぱいです。 

 

そんななか、勉強もせず、テレビやゲームばかりしているわが子に対して積極的にほめるということ、 

一体どのくらいの人が続けられるでしょうか。 

 

その反対に、説得したり、理由を問い詰めたり、叱責したり、といった対応をとる親の方が多数派でしょう。 

 

知識としてわかっていることと、実際にそれを続けられることには、大きな隔たりがあります。 

責めてはいけない、ほめてあげるほうがいい、と分かっていても、それを実現できるとは限らないのです。 

そこが支援をしていて難しいと感じる点ですね。 

 

ただ、先ほど書いた不登校の相談事例では、 

この本の内容をその子のママさんと共有し、コンプリメントを実践してもらいました。 

 

そのママさんは、それを完璧に続けられたわけではなく、むしろ 

「なかなかほめられないんですよね~」とか「昨日はきつく怒ってしまいました…」などと、 

うまくいかなかった報告をされることも多々ありました。 

 

でも、このママさんのすごいところは、 

それでも子どもへの愛情は絶やさず、子どもを理解しようと努め、 

ときどき落ち込みながらも、全体的には前向きだったことです。 

完璧ではなくても、コンプリメントも続けてくださいました。 

 

結果的に、その子は学校に通えるようになりました。 

そのころになると、相談開始直後とは比べものにならないくらい、自信にあふれた様子でした。 

 

ママさんの努力によって、まさに 

「心のコップに自信の水が注がれた」状態だったのだと思います。 

 

本書以外にも、関連する本を何冊か読み、参考になった部分もあったのですが、 

「理論はわかるけどどう実践したらいいのか」 

と、私の頭では支援のイメージが持ちづらかった記憶があります。 

 

その点本書は、「これ以上ないのでは?」というくらいシンプルな内容なので、 

相談者も親御さんも即実践しやすいところがよいと思います。 

 

「理論はともかく解決のヒントが知りたい!」という方は、 

読んでみて損はないと思います。 

 

もちろん、何でもそうですが、 

これさえ読んでおけばオールオッケー! 

というものではなく、 

合う人、合わない人がいるとは思います。 

 

その証拠に、今回の記事を書くにあたってAmazonのレビューを見てみたのですが、 

全体的に高評価ではあるものの、酷評されているレビューも散見されました。 

 

あくまで一つの考え方として、読んでもらえたらいいと思います。 

 

 

不登校問題に関しては、とても関心のある分野の一つなので、 

今後も何かしら記事を書いてみたいと思っています。 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!