こころふ日記 ~公認心理師が子育てや心理学のことなどを語るブログ~

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子育て×ゲーミフィケーション②|ポイントとバッジを活用したモチベーションアップ作戦

こんにちは。

2児の父であり、育休中のこころふです。

 

前回、「ゲーミフィケーション」という考え方を子育てに活かせるんじゃないか、ということを書かせてもらいました。 

kokorofu.com

 

「ゲーミフィケーション」とは、ゲームの要素をビジネスや教育など他の分野に応用する考え方のことです。

 

ゲーミフィケーションには様々な要素があります。

どんな要素があるか、論者によってさまざまなのですが、

例えば、『ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義』(著:ケビン・ワーバック、ダン・ハンター、監訳:三ツ松新、訳:渡部典子)という本によれば、具体的な構成要素(コンポーネント)は以下のとおりです。

1.アチーブメント (定められた目標)

2.アバター (プレイヤーのキャラクターを視覚的に表現したもの)

.バッジ (アチーブメントを視覚的に表現したもの)

4.ボス戦 (特に、あるレベルの頂点における難しいチャレンジ)

.コレクション (貯めるアイテム、またはバッジのセット)

.コンバット (定められた闘い。通常は短期的)

7.コンテンツのアンロック (プレーヤーが目標を達成するとロックが解除され、利用可能になるもの)

8.ギフティング (他のプレーヤーとリソースを共有する機会)

9.リーダーボード (プレーヤーの進歩やアチーブメントの視覚的な表示)

10.レベル (プレーヤーの進歩における一定のステップ)

11.ポイント (ゲームの進み具合を数字で表したもの)

12.クエスト (目標と報酬を伴う、あらかじめ設定されたチャレンジ)

13.ソーシャルクラブ (ゲーム内でのソーシャルネットワークを表すもの)

14.チーム (共通の目的のために協力するプレーヤーのグループ)

15.バーチャル商品(架空の、あるいは実際に貨幣価値のある資産)

 

これだけみても、たくさんありますよね。

これらを全部取り入れるのは難しいですが、1つか2つ取り入れるだけでも、効果は狙えると思います。

 

今回は、「ポイント」「バッジ」という要素について簡単に説明したうえで、我が家での実践例をもとに、子育てへの活用の可能性を考えていきたいと思います。

 

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ポイント

古今東西ほとんどあらゆるゲームに含まれているのではないかと思われる要素が「ポイント」です。

アクションゲーム、シューティングゲームなどにあるスコアのシステムや、RPGにおける経験値などがこれに当たります。

例えばドラクエでいうと、経験値をかせぐというインセンティブがあるからこそ、雑魚モンスターを倒し続けるという面倒な作業でも、やり続けることができるわけです。

日常場面で考えてみると、わかりやすい例が、ポイントカードです。

いろんなお店でありますよね、ポイントカード。

もう少しで景品がもらえるからと、余分に買い物してしまったという経験のある人も多いと思います。

シンプルですが、とても有効な手法だと思います。

 

バッジ

「バッジ」とは、要するに称号、もしくは勲章のことです。

大流行した「ポケモンGO」でも、「メダル」や「ジムバッジ」という形でこの要素が登場します。

例えば、歩いた距離が10㎞に達すると「ジョギング」というカテゴリーのブロンズメダルが手に入り、100㎞でシルバーメダル、1000kmでゴールドメダルと、条件が難しくなるにつれて、メダルの色がランクアップします。

また、ジムと呼ばれるバトルができる場所にアクセスすることでジムバッジを手にいれることができます。何度もアクセスしたり、バトルしたりすることで、やはりブロンズ、シルバー、ゴールドと、そのジムのバッジレベルが上がっていきます。

コレクションしたいという収集欲や、他プレイヤーから一目おかれたいという気持ちから、メダル、バッジ集めにいそしんだ人も多いことと思います。

 

私が日常場面で経験した例では、あるカラオケチェーンの会員アプリサービスにこの要素が使われていました。

お店を利用した回数に応じて、ブロンズ会員、シルバー会員、ゴールド会員と、アプリ内の会員カードの色が変わっていくのです。

ランクアップすればするほど、得られる特典がよくなるというシステムでした。

私もブロンズ会員になったときはちょっと嬉しく、まんまと「また行こうかな~」という気持ちにさせられました。

 

我が家での実践例

では、これらの要素を子育てにどのように取り入れたらいいのか、我が家の例を紹介してみます。

まず、我が家ではもともと「子どもにお手伝いをさせたい」という思いから、トークンエコノミーという手法を取り入れていました。

 

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トークンエコノミーでは、何か目標とする行動(ターゲット行動)を設定し、「子どもがその行動を起こしたら1ポイント。10ポイントたまったらお菓子をあげる」などと契約を結びます。

ポイントは、シールを用紙に貼るなどして、可視化します。

これにより、子どもの自発的な行動を促す行動療法的な手法です。

先ほど挙げた「ポイント」が重要になるという点、さらにはポイントの「可視化」「フィードバック」という概念が重要である点も、ゲーミフィケーションとの共通項です。

 

我が家の場合、最初こそ「タオルをたたむ」というお手伝いをターゲット行動にしていましたが、少しずつ「帰宅したら手を洗う」「歯みがきをする」「ご飯を完食する」といった行動もポイント付与の対象に加え、広げていきました。

その上で、ゲーミフィケーションの味付けをし、より娘のモチベーションが上がるように工夫しました。

 

先ほどの「バッジ」を活用した例ですが、「歯みがきをしたら1ポイント、30ポイントたまったら“歯みがきマスター”のバッジをもらうことができる」みたいなルールをつくりました。

バッジは、折り紙でつくった簡素なものです。

作り方は、こちらのサイトを参考にさせていただきました。

origami.onl

 

「これ欲しがるかな~?」といった親の心配をよそに、長女の食いつきはよく、シール(ポイント)とバッジ欲しさに、以前よりも嫌がらずに歯みがきするようになりました。

 

「バッジ」は応用がききますね。

「手洗いマスター」「ごはん(完食)マスター」など、なんでもいけます。

別にバッジをもらったからといって、お菓子がもらえるわけでも、遊びに連れて行ってもらえるわけでもないのですが、こういう称号みたいなものって、ちょっとしたものでも嬉しいものですよね。

 

一応、2歳の次女にも同じルールでさせています。よく意味は分かっていませんが、上の子の真似をして、シールを欲しがったりします(笑)

 

私は、このゲームのナビゲーターとなるわけですが、いろいろなクエストを提示したり、それに応じた報酬をわたしたりと、面倒くささはありつつも、なかなか楽しいです。

親も楽しんで取り組むことが、子どもにとってのモチベアップにつながると感じています。

 

おわりに

今回は、ゲーミフィケーションの「ポイント」「バッジ」という要素について説明しながら、我が家での実践例を紹介してみました。

簡単に取り入れられる要素であるにもかかわらず、子どものモチベーションアップにかなりの効果があると感じています。

まさに、「こうかは ばつぐんだ!」といった感じです。

 

もちろん、合う・合わないは子どもの性格、年齢などによると思うので、一概には言えませんが、お金も手間もそれほどかからないので、試してダメでもダメージなしというのがよいところだと思います。

 

子育てに活かせそうなゲーミフィケーションの要素はまだまだあります。

今回書ききれなかった内容も多いので、機会があればまた書いてみたいと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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