こころふ日記 ~公認心理師が子育てや心理学のことなどを語るブログ~

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“PRIDE”スキルで子どもへの関わりがうまくなる!

こんにちは、こころふです(*^^*)

昨年度1年間育休をとり、今は心理の仕事に復帰しています。

 

子どもの発達をうながすためのコツとして、

「子どもに言葉のシャワーをあびせてあげましょう」って言うの、聞いたことありませんか?

 

これは、子どもの発達相談の場でよくされるアドバイスのひとつです。

大人からの言葉かけを多く受けた子どもは、言葉が発達しやすいですし、親子関係も良くなると言われているからです。

 

相手が赤ちゃんで、「言葉なんてわからないだろう」と思い、大して言葉かけしないのはもったいないことです。

 

上記したことは、多くの方のイメージ通りの内容だと思います。

ですが、じゃあ具体的にどのように声をかけるのがよいか、というと明確に言える人は少ないのではないでしょうか?

 

「よい言葉かけを」とアドバイスされて、すぐに上手にできる人はできるでしょうが、

「そう言われてもよくわからない」という人は少なくありません。

 

そんな人には、私は“PRIDE”スキルを意識することをおすすめします。

 

PRIDEスキルとは?


私がこの言葉を知ったのは、過去の記事でも紹介した 

1日5分で親子関係が変わる!育児が楽になる!PCITから学ぶ子育て

という本でした。

kokorofu.com

 

このPCITというのは、Parent Child Interaction Therapy(親子相互交流療法)の略で、

育児に悩む親と、子どものこころや行動の問題に対して行われるセラピーです。

 

 

セラピストは、親子の交流場面をマジックミラー越しに観察し、リアルタイムで関わりのアドバイスをします。

これにより、子どもの行動や親子関係が改善するなどの効果が期待できるのです。

 

ただ、難点としては、このセラピーを厳密にバッチリ実行するのはかなり難しいということだと思います。

プログラムを、通しでぜんぶやろうとするのはかなり時間がかかりますし、

そもそも、マジックミラーを設置している施設自体、そうそうないです(笑)

PCITを実施している機関は、国内だとまだまだ少ないので、誰でも簡単に受けられるものではないです。

 

それでも、私としては、PCITのいいとこどりで、やれるところだけ切り取って行うのでも十分に効果が期待できると思っています。

 

なかでも、5つのDoスキル、通称“PRIDEスキル”は、かなり使い勝手がよいと感じています。

 

5つのDoスキル 

P:賞賛する(ほめる) Praise

R:繰り返す(子どもの言葉を受け止め、返す) Reflect

I:まねをする(子どもの行動のまね) Imitaite

D:行動の説明(子どもの行動を実況中継のように言葉にする) Discribe

E:楽しむ  Enjoy

 

これらの頭文字をとって、PRIDEスキルというわけです。

 

Praise  ほめる

ほめることがよいというのは、ほとんどの方が納得できることだと思いますが、

特に具体的にほめるというのが有効です。

単に「ありがとう」というよりは、「おもちゃを貸してくれてありがとう」と具体的にほめてあげたほうが、子どもの適切な行動が増えやすくなります。

 

Reflect 繰り返す

子どもの言ったことばをそのまま返したり、補足して言ってあげたりします。

例えば、子どもが「ワンワンいる~」と言ったら「犬がいるね~」などと返してあげます。

これにより、子どもは自分が言ったことばの復習ができたり、正しいことばを覚えられたりします。

 

Imitate まねをする

例えば、子どもが絵を描いていたら親も真似して絵を描いたり、子どものポーズをまねしたりするのも有効です。

子どもは、自分が認められていると感じることができます。

 

Discribe 行動の説明

これは、要は実況中継です。

子どもの行動に合わせて「〇〇ちゃんが青いブロックを持ちました~」とか「〇〇くんが車を走らせていま~す」といった感じです。

これも、親が子どもに注目しているということを知らせることができます。

子どもの遊びへの集中が高まりやすいという効果もあるそうです。

 

Enjoy 楽しむ

親が楽しそうにしていれば子どもも楽しい気持ちになります。

親子にとってのかけがえのない時間になるでしょう。

 

 

単に、「子どもにたくさん声をかけてあげよう」と考えると、

何を話したらいいか分からなくなってしまう人も多いと思うので、

これらのスキルを意識して関わるのは、とても意味があると思います。

 

先にも書いたように、PCITはセラピー(つまり治療法の一種)なのですが、

別に子どもに問題行動があってもなくても、また親子関係に問題があってもなくても、

どちらにせよ、意味のある手法だと個人的には考えます。

 

おわりに

そもそも何でこの記事を書いたかというと、私自身が育休中にこのPRIDEスキルを使ってみて、役に立つなぁと感じたからに他ありません。

 

子どもにどんな言葉をかけてあげるか、うまく思い浮かばないときに、PRIDEスキルをよく思い返していました。

 

え~っと、Pはほめるだ、ほめてみよう。

Dは行動の説明か、とりあえず子どもの行動を実況中継してみよう、といった具合です。

私自身は、特に子どもに問題行動があるとは感じていないので、言葉かけ便利ツールとしてとらえています

 

これにより、前よりも声をかける機会がふえたような気もします。

ただ、それでも妻には、

「もっと声かけてあげてよ!」と怒られてしまうことがよくあります(;^ω^)

 

すぐ、ぼーっとしちゃう癖があるのが私自身の課題ではあります・・・。

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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