こんばんは。
2児のパパであり、長期育休中の公認心理師こころふです。
今日あった面白かったことは、
1歳のみーこが、上の子の真似をして洗濯物をたたんでくれたのです。
(もちろんぐちゃっとなってたけど、やろうとしたことがすごい!)
みーこは自分でできたことを嬉しく思ったのか、一言、
「だんだんだ~」
・・・・・・・。
一瞬なにかと思ったけど、「たたんだ~」と言いたかったんだね(笑)
とてもかわいかった(#^^#)
さて、今日は、子育て中のパパが陥りやすい“無気力感”について話したいと思います。
世の中のお父さん方、こんな経験をしたことはないですか?
ぐずるわが子を抱っこしようとして、
「ママがい~い!!(*´Д`)」と余計に泣かれてしまったこと。
ご飯を食べさせてあげようとして、
「ママじゃないとやだ~(; ・`д・´)」といやがられてしまったこと。
私も何度もあるのですが、
こころの狭い私は、
そのたびに「チッ」とこころの中で(ときどき実際に)舌打ちしています(-_-;)
まぁ一度や二度ならいざしらず、
これが続くとさすがに嫌になってくるというものです。
「子どもにとってはママが一番」
分かってはいるのですが、
それにしてもその反応はないだろうと・・・。
私がメインで育児をするようになってからは、だいぶましになりましたが、
以前はことごとく子どもから拒否を受け、
なかば無気力状態に陥ってしまったこともありました。
子どもにとっておれって必要なのかな~と。
でもそこで冷静になって、はたと気づきました。
「これって学習性無力感じゃね?」・・・と。
学習性無力感とは?
心理学を学んだことのある人なら必ず知っているというレベルの
超有名な心理学用語なので、知ってる人も多いと思いますが、簡単に説明します。
(余談ですが、あるウェブサイトによると、追加試験含めまだ過去3回しか実施されていない公認心理師の資格試験において、すでに4回も出てきているほどの頻出用語です)
「学習性無力感」は、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンが提唱した用語です。
セリグマンは、犬の足元に電流を流すという実験を行いました。(犬かわいそうに…)
犬は電流に対して、最初は吠えたり動き回ったりと、なんとか避けようと努力しますが、
その電流からはどうやっても逃れられないようになっています。
犬はしだいに電流から逃れることを諦め、何もしなくなります。
次に、柵を乗り越えれば電流を逃れられるような状況をつくって、
そこに犬を移し、再度電流を流します。
すると犬は、今度は最初から電流を逃れようとする行動をとらなくなり、
電流を受け続けるのです。
つまりこの犬は、「無力感」を「学習」してしまったのです。
この実験結果は、努力が報われない状況が続くと、
何もできない無気力状態に陥ってしまうということを意味しています。
私も、いくらあやそうとしても余計に泣いてしまうわが子に対し、
無力感を学習していたのかもしれません。
そして、「じゃあいいや・・・」と気持ちが萎えて
子どもへの関わりに消極的になったらなったで、
今度は妻からの「もっと手伝ってよ~!」のプレッシャー。
もうどうしたらいいのよ・・・と。
似たような経験されたパパさん方もいるのではないかと思います。
無力感の克服方法
学習性無力感は、うつ病との関連が深いと言われています。
自己効力感が低下してしまう、とも。
そうでなくても、子どもとの関わりに消極的になってしまうのは、
もったいないことだと思います。
パートナーとの関係にも影響してくるでしょうし。
なので、気持ちを切り替えていけるといいのですが、
大事なのは、
小さなことでも成功体験を重ねていくことだと思います。
子どもがぐずっているときの対応が難しいのであれば、
比較的きげんのよさそうなタイミングを狙って、
あやしたり、抱っこしてあげたりすればいいのです。
そうやって子どもを楽しませることができれば、
「よ~し次も!」という気持ちになりやすいはずです。
あとは、パパだからできること、やりやすいことに存在意義を見いだすのも
いいと思います。
具体的には、公園に出かけていっしょに体を使った遊びをする、
高い高いをしてあげる、肩車をしてあげる、など。
そうやって、自分にできること、存在意義を感じられるようになれば、
自己効力感もアップするでしょうし、無力感を克服することができると思います。
さらに言うなら、できれば、
ママにはパパのがんばりをねぎらってほしい。ウソでもいいから(笑)
私の妻は、ちょっとした育児手伝いでもわりと感謝してくれたので、
それでモチベが保たれた部分はあります。
あとは、子どもの前で私を下げるような言動は絶対にとらなかったですね。
それも地味にありがたかったです。
(内心思うところはたくさんあったはずですが・・・)
あとは、パパ友がいるのであれば、
いろいろと話してみると、
「うちもそうだよ~」なんて分かり合えることも多いので、
それで気持ちが楽になることもけっこうありますね。
何事も一人で抱えないことです。
まとめ
今回は、男親が子育てに消極的になってしまう原因の一端を
「学習性無力感」で説明してみました。
無力感を克服するには、
・小さな成功体験を重ねる
・男親ならではの立ち位置を見つける
・パパ友と話してみる
・(できれば)パートナーにねぎらってもらう
といった方法がいいのではないかと考えてみました。
ところで、今回は私の立ち位置的に、
あえて男親の話に限って書きましたが、
これは女性、母親にとっても十分起こりうることです。
実際、例えば子どもの発達に障害があるなどの理由から、子育てに苦戦し、
うまくやれない自分を責めて、自信を失ってしまうママさんも多くいらっしゃいます。
そのような場合、やはり育児の苦労を一人で抱えこまないこと、
周りからのサポートを受けていくことがとても重要です。
育児に失敗やストレスはつきものなので、
親も自分自身のメンタルを大事にしてあげましょう。