こんにちは。
今回は書評をしてみたいと思います。
『1日5分で親子関係が変わる!育児が楽になる!PCITから学ぶ子育て』
著者は精神科医の加茂登志子さんです。
加茂さんは、NHKの子育て情報番組にも出演されたことがあり、
私はそれを見て初めて「PCIT」というものの存在を知りました。
本書は、国内で初めてPCITを紹介した本だそうです。
PCITとは?
PCITは、
Parent Child Interaction Therapyの略で、
「親子相互交流療法」と訳されます。
育児に悩む親(養育者)と、子どものこころや行動の問題に対して、
親子の交流を深めることで、回復に向かうよう働きかけるセラピー(心理療法)です。
心理療法という言葉どおり、もともとは「治療」なのですが、
子育て全般に役立てることができる取り組みでもあります。
具体的にどういうことをするのかというと、
プレイルーム(おもちゃのある遊び部屋)で親子に遊んでもらいます。
セラピストは、その様子をマジックミラーごしに観察し、
イヤホンをつけている親に対して、リアルタイムで効果的な関わり方をアドバイスします。
専門家が親に効果的な関わり方をレクチャーするやり方は、
ペアレントトレーニングをはじめ、それ以前からいろいろとありましたが、
セラピストが親子交流の様子を直接観察しながらアドバイスできるというところが、
PCITの強みです。
セラピストのアドバイスをもとに、親は「リーダーシップのある親」を目指します。
12歳まで(特に2歳~7歳)の子どもに効果があることが証明されているそうです。
発達障害を抱える子ども、虐待的な関わりをしてしまう親から、
ちょっとやんちゃで育児に悩む、といったレベルまで幅広く効果が期待できます。
1日5分の「特別な時間」
親には、1日5分、
家庭で子どもとの「特別な時間」をつくってもらうことになります。
親子2人きりで、「子どもファースト」で遊ぶ時間をつくるのです。
ここで、親はさまざまなスキルを練習することになります。
簡単に紹介すると、
3つのDon'tスキルと、5つのDoスキルです。
3つのDon'tスキル
・命令しない
・質問しない
・批判しない
5つのDoスキル
・賞賛する(ほめる)
・繰り返す(子どもの言葉を受け止め、返す)
・まねをする(子どもの行動のまね)
・行動の説明(子どもの行動を実況中継のように言葉にする)
・楽しむ
こういったこと1日5分続けていくと、
親子関係が少しずつ穏やかになっていきます。
もう十分だとセラピストに判断されると、
ここでは詳しく説明しませんが、
次の段階として、親が子どもに指示を出す練習をしていくことになります。
つまり、
前半:子どもファーストの「特別な時間」により、親子関係の改善をめざす
後半:親が子どもに指示を出す練習をする
の2段階になっています。
いきなり指示の練習を始めるとうまくいかないそうです。
やっぱりベースである親子関係が大事ということですね。
実際にとりくむには・・・
実際にPCITを受けられる施設を紹介したページがあったので、貼っておきます。
まだまだ少ないですね。
まぁ、厳密に取り組むことができなくても、
先ほどのDon'tスキルやDoスキルを意識して、
子どもに関わるだけでも効果があると思います。
個人的にもとても参考になったので、わが家の子育てにも活かしていきたいです。
おわりに
書評というか、要約みたいになってしまいましたが、
とてもわかりやすく、2時間くらいで読めてしまうので、
悩めるママさん、パパさん、または専門家の方にもおすすめです。
機会があれば、加茂さんの講演とかも聞いてみたいなぁ~。