こんにちは。
公認心理師のこころふです。
2児のパパであり、現在長期育休中です。
このブログでは、
「子育てのなかに、こんな心理学的手法をとりいれたら役に立ったよ!」
といったことを紹介したりしています。
今回は、「子どもの自発的な行動を引き出すには」というテーマです。
わが家の長女ぴよこは、現在3歳。
私は「そろそろ少しずつ家のお手伝いを練習させたいなぁ」と考えました。
お手伝いをする子は、社会を生き抜く力がつく、なんて話も聞くし、
なにより、積極的にお手伝いしてくれる子に育ってくれたら、親の負担も減るし(笑)
トークンエコノミー法
今回取り入れた作戦は、「トークンエコノミー法」です。
この方法、いまさら私が紹介する必要があるのか(おそらくない)というくらい、
心理学のなかでは有名な手法なのですが、
知らない方もいると思うので説明しておきます。
「トークンエコノミー」は行動療法の理論として位置づけられます。
「トークン」というのは「代理貨幣」と言われるものです。
つまり、お金のかわりになるもの。
身近な例でいうと、お店でもらえるポイントカード。
買い物して一定のポイントがたまると、
お金のかわりとして商品の購入に使えたりしますよね。
ポイントほしさに、ついそのお店で買い物をしちゃう、
という人は、私だけではないはずです。
この場合、ポイントが購買への動機づけになっているのです。
ごほうびシールを使った動機づけ
これもトークンエコノミーを用いる際の王道ですが、
わが家ではシールをごほうびとして使うことにしました。
①娘とのルール決め
「お手伝いしてくれたら、シール1枚あげるね」 「やった~」
てな具合に、あっさり契約は結ばれました(笑)
一応、シールが一定数たまったら、ちょっとしたおもちゃをご褒美として
プレゼントすると約束してはいるのですが、
欲しいものを聞いても娘はいまいちはっきり答えないので、プレゼントは保留になっています。
3歳くらいの子には、シールをもらうこと自体が十分ごほうびになるようですね。
②お手伝いシートを見えやすいところに貼っておく
お手伝いシートは、ウェブサイトからプリントアウトしました。
こちらのサイトがおすすめです。
シールを貼るシートは、見えやすいところに貼り、
子どもが自分の成果を確認しやすいようにしておくとよいでしょう。
③シールにひと工夫
ごほうびは子どもにとって魅力のあるものでないと効果が出ません。
私が工夫した点は、娘が喜びそうなオリジナルシールをつくってあげたことです。
娘の好きなキャラクターは“どマイナー”なので、当然市販されているシールなどなく、
「ならいっそつくっちゃえ!」と思ったのです。
「A-Oneラベルシール」を購入し、娘の好きなキャラクターが描かれている絵本をコピーしシールにしました!
これはこれでちょっと手間なのですが、
娘の食いつきを見るに、手間をかけただけの意味はあったかなと思います。
④お手伝いをしてくれたら、とにかくホメる!
ごほうびシールは予想以上の効果をあげ、
ときには娘が自分からお手伝いをしてくれることも増えてきました。
このときに大事なのは、すぐさまシールを渡してあげること。
即時性が大事なのです。
また、シールに加えて、ここぞとばかりに、
「すご~い!」「ありがとう!」と、ホメホメシャワーをあびせます(笑)
ときにはギューっと抱きしめます。
娘もまんざらではない様子。
物によるごほうびだけでは、いずれ効果が薄れてしまい、
子どもの要求がエスカレートしてしまうこともあるため、
親からのホメ言葉、感謝の気持ちを伝えることが、より大事だと思います。
※なお、今回の参考文献はこちらです。1988年出版とやや(いやかなりか…)古いので注意が必要ですが、行動療法の知識がコンパクトに載っていて今でも参考にしています(*^^*)
おわりに
お手伝い行動を引き出すことを目的に始めたトークンエコノミーですが、
今では、娘の歯みがきや、トイレでうんちができたこと(初めてできたときはマジでうれしかった!)などに対しても、
ごほうびを与えることにしています。
もちろん100%うまくいくわけではないですが、
以前よりも自発的な行動が増えてきたな~と感じます。
わざわざトークンエコノミーなどと専門用語を持ち出さなくても、
経験則などから、シールのようなごほうびを取り入れているご家庭も多いかと思います。
(そもそも心理学は、こういう常識の追随みたいな理論が多い…笑)
でも、まだ取り入れていなくて、
子どもの自発的な行動を引き出したいと思っている方であれば、
この方法はとても手軽なので、やってみる価値はあると思います!
妻からの評判もよいです(笑)
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!