こころふ日記 ~公認心理師が子育てや心理学のことなどを語るブログ~

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シリーズ依存症④ ~薬物依存って何? 処方薬、市販薬への依存って?~

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こんにちは、公認心理師のこころふです。

依存問題や子育てのことなどいろいろと書いています。

 

今回は薬物依存について書きたいと思います。

薬物依存の理解に少しでも役に立てたら幸いです。 

 

薬物依存とは?

 

薬物依存は、薬物をやめたくてもやめられず、生活に支障が出てしまう状態です。

一口に薬物と言っても、その対象はさまざまです。

ヘロイン、コカイン、覚せい剤、大麻、危険ドラッグ、処方薬、市販薬…etc

 

薬物のもつ依存性+その人の抱えるメンタルの課題(孤独感、生きづらさ)により、やめられなくなると言われています。

しばしば、あたかも薬物の作用だけが原因であるかのように説明されることもありますが、それでは片手落ちです。同じモノを使っても、ハマるかどうかには個人差があります。

 

芸能人の違法薬物所持、使用などのニュースもよく取り上げられますね。

 

私自身、「なぜ順風満帆なあの人が薬なんて…」

と驚くこともしばしばですが、芸能界というのはそれだけプレッシャーの激しい業界だということなのでしょう。

昨今の芸能人の自死報道などを見てもそう感じます。

 

何度も薬物使用で逮捕されている田代まさしさん(マーシー)も、面白いギャグを期待されるのがすごいプレッシャーだったと話しています。

まぁ芸能人の場合、お金をもっているから誘われやすいというのもあるのでしょうが。

 

病的な依存症レベルになってしまった場合、自力でのコントロールは難しいので、反省すればやめられる、とか、強い意志でなんとかなるという問題ではありません。そういう病気なのです。

 

また、メディアがこぞってバッシングすることで、依存症からの回復が難しくなりますし、今なんとか病気と向き合い断薬している当事者にとっても再使用の引き金となりかねないので、報道の仕方については見直すべきと思います。

 

 

処方薬依存とは?

 

え?処方薬にも依存があるの?

と思った方もいるかもしれません。

 

実は、処方薬に依存している人は、世の中にたくさんいます。

それどころか、日本において、精神科などで処方される睡眠薬、抗不安薬は、いまや覚せい剤に次ぐ第二位の乱用薬物となっています。

覚醒剤依存患者と比べると、女性が多く、年齢が若く、学歴が高く、非行歴、犯罪歴を持つ人が少ないそうです。

いわゆるベンゾジアゼピン系と呼ばれる処方薬で、エチゾラム(商品名・デパス)を筆頭に精神科だけでなく、内科や整形外科などでもよく処方されています。

 

デパスはすぐに気持ちがほぐれる即効性があり、患者からも人気の高い抗不安薬で、医者も処方しやすいという面があります。

なかには、主治医にだまって過量服薬(オーバードーズ)してしまい、なくなると別の精神科を頼るというようなドクターショッピングを続ける人もいます。

 

しかも、処方されたとおりに服薬していたとしても、依存になるケースさえ少なくありません。「常用量依存」というそうです。

耐性の問題もあります。最初は少量ですんでいたものが、だんだん多く飲まないと効果を感じなくなってしまい、服用量が増えていってしまうという部分もあります。

厚労省も最近になり、デパスの投薬期間に規制をかけています。

 

 

市販薬への依存

 

風邪薬や鎮痛剤などの市販薬に依存する人も多いと言われています。

乱用者は薬物依存全体の5パーセントほどにあたります。大麻より多いらしい。

 

それこそラムネ菓子を食べるように、何十錠と飲んでしまう人もいるそうです。

なぜそんなことをするかというと、風邪薬や鎮痛剤のなかには、麻薬と同様の成分が含まれているものがあり、高揚感や多幸感が得られると言われているのです。

 

有名なのは、通称「金パブ」。

最初に聞いたとき私は、なんのこっちゃと思いましたが、風邪薬の「パブロンゴールド」のことなんですって。

他には、せきどめ薬のブロンも人気が高いそうです。

このような情報がネットでも出回っていて、若い層を中心に、カジュアルに手を出す人が増えています。「カジュアル飲み」なんて言葉もあるそうです。

 

このように、処方薬や市販薬への依存は大きな社会問題です。

違法薬物の乱用は規制により減りつつありますが、合法な薬物の乱用は逆に増えつつあります。

こうした薬が生きるための支えになっている人も多く、簡単にやめられるものではありません。

専門機関への相談が必要でしょう。

 

 

薬物依存からの回復のためには

 

アルコール依存の記事でも書きましたが、基本的には同じで、家族から相談につながることが多いです。

特に違法薬物を使っている場合、本人が相談にくることはより難しいことでしょう。

 

これは賛否があるとは思うのですが、依存症の専門病院や相談機関では、「相談者が違法薬物を使用していることが分かっても、通報しない」という流れがあるようです。

すべての機関がそうであるとは言い切れませんが、行政機関である精神保健福祉センターでさえ、ホームページで「通報しません」と明言しているところもあるくらいです。

 

理由は簡単で、そうしないと本人が相談に来てくれないからです。

 

相談の肝は、いかに本人が本音で喋ってくれるか、というところにあります。

自分の気持ちや体験を正直に話すということ自体が、回復への一歩になります。

「通報されるかも」という不安があれば、本音を出せるはずもありません。

 

さらに言うと、刑務所に入ることは薬物依存の回復に何ら役に立たないと言われています。「出所してわずか2時間で薬に手を出した」という話を聞いたことがあります。

厳罰化すべきとの声もありますが、“回復”という観点に立てば、無意味どころか逆効果ですらあります。失うものが多すぎて、再起への壁が高くなってしまうからです。

 

「犯罪は犯罪。罰を与える必要がある」という主張があることは分かりますし、それを否定はしません。

ただ、犯罪であると同時に病気でもあるわけなので、そこに「治療」という視点がなければ何の解決にもなりません。

 

相談できるところは、薬物依存専門の病院、精神保健福祉センター(都道府県に必ず一つはあります)、自助グループ、ダルクなど、さまざまあるので、自分に合ったところを探してもらえたらよいと思います。

 

 

おわりに

 

薬物依存について、その周辺事情もまじえながら説明してみました。

このテーマには切り口が多すぎて、とても一記事にはまとめられそうにないと気づきました。

また別の機会に捕捉する記事を書いてみたいと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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