こころふ日記 ~公認心理師が子育てや心理学のことなどを語るブログ~

公認心理師のこころふが、子育てや心理学のことなど気ままに書くブログです。

シリーズ依存症② ~そもそも依存症って何? どんな依存があるの?~

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こんにちは。

公認心理師のこころふです。 

 

依存症シリーズ2回目ということで、今回は「そもそも依存症って何?」「どんな依存があるの?」というテーマで書きたいと思います。 

むしろこちらが先の方がよかったかもですね。

 

依存症とは? 

 

「依存症」についてとても簡単に言うなら、 

「ある物事をやめたくてもやめられず、日常生活に支障が出てしまう状態」のことです。 

 

いくつか例を出します。 

 

お酒を毎晩たくさん飲み、二日酔いで仕事に行けないこともしばしば。やめなきゃいけないと頭では分かっているのにやめられない。

→アルコール依存 

 

一度だけのつもりで手を出した「覚せい剤」。いつも「これで最後にしよう」と思うのに、ついついまた買ってしまう。最終的には覚せい剤使用がバレて、逮捕されてしまう。 

→薬物(覚せい剤)依存 

 

気分転換のつもりで始めたパチンコ。気がつけば毎日通ってしまい、負け続け、いつしか借金までつくってしまい、「もうやめたい」と思うのにやめられない。 

→ギャンブル(パチンコ)依存 

 

いずれも、「やめたいのにやめられない」かつ「生活に支障が出てしまっている」状態です。こういう状態であれば、依存症といってよいでしょう。 

 

 

どんな依存症があるの? 

 

例でも挙げたように、依存の対象となるものはさまざまです。 

なかでもよく取り上げられるのが、アルコール依存、薬物依存、ギャンブル依存の3つで、これらはエビデンス(科学的根拠)がしっかりしている概念だと言われています。 

 

最近では、WHOがつくるICD-11(国際疾病分類)において、「Gaming  disorder」(一般的に「ゲーム障害」「ゲーム症」などと訳される)が掲載されることが決定したため、ゲームへの依存が話題になることも増えてきました。 

 

この他にも、買い物依存、ネット依存、摂食障害、窃盗症(クレプトマニア)などなど、(専門家によって意見は分かれるものの)依存症の一種として捉えられる症状はけっこう存在します。 

いずれも「やめたいのにやめられない」という特徴が共通しています。 

 

 

物質依存と行動嗜癖 

 

このようにさまざまな種類のある依存症ですが、大きく2つに分類することができます。 

それが、「物質依存」「行動嗜癖(行為依存、プロセス依存)」です。 

要は、依存する対象が「モノであるか、行動であるか」という違いです。 

 

ちなみに「嗜癖」というのは、何かにハマっているといった意味で、英語では「addiction」。 

宇多田ヒカルのヒットソング「Addicted To You」は「キミに夢中」といったような意味になります。 

 

物質依存は、アルコール、大麻、シンナー、覚せい剤、ニコチン、処方薬、市販薬などへの依存が挙げられます。 

「え?処方薬や市販薬の依存症があるの?」と思われた方もいるかもしれませんが、実は処方薬依存、市販薬依存の人はとても多いと言われており、深刻な問題です。(詳しくはどこかで書きたいと思います) 

 

行動嗜癖の対象となるのは、ギャンブル、ゲーム、買い物、ネット、窃盗、セックス、リストカットなどの行動が挙げられます。 

専門家によって、どこまでを依存または嗜癖と認めるかは、意見が分かれることもあります。 

 

また、物質依存、行動嗜癖(行為依存)のほかに、「関係依存」も含めた3つのカテゴリに分けられることも多いです。 

「関係依存」には、恋愛やDVなどへの依存、ストーカーなどが含まれることもあります。 

 

「依存症」といっても、実に多種多様だということがお分かりいただけたかと思います。 

 

 

クロスアディクションという概念 

 

2つ以上の依存対象をもつ人も多くいます。 

これを「クロスアディクション」と言います。 

 

例えば、アルコールへの依存を抱えながらギャンブルにもハマっていたりとか、処方薬に依存しながらリストカットもあるなど、実にさまざまです。 

 

また、しばしば依存対象が変化することもあります。 

最初は酒にハマっていたけど、次第に大麻や覚せい剤などの違法薬物にハマり、最終的には風邪薬(市販薬)への依存(規定量を超えて飲んでしまう)に落ち着く、というようなケースもあるようです。 

 

前回の「人はなぜ依存症になるのか?」でも書きましたが、何かに過度に依存してしまう背景には、孤独感や生きづらさがあり、精神疾患を抱えている人も少なくありません。 

 

そのような“辛さ”を紛らわすために何かに依存してしまう、というメカニズムは共通しているのです。 

 

なので、例えばアルコール依存の人から、仮に完全に酒類を取り上げることができたとします。そうすればたしかにアルコールを摂取することはなくなるでしょうが、根本的な辛さはなくなっていません。そうすると、アルコール以外のものに依存対象が移り、別の依存症になってしまう、ということがあり得るのです。 

 

つまり、単に依存対象をその人から取り上げる、といった対応では、根本的な解決にならないのです。

 

もちろん個々によって事情はさまざまであり、辛さの種類によって、依存対象の選び方も変わってくるのではないか、という意見もあります。 

また、依存対象によって、どのような支援をするかという方針が異なってくる場合もあります。 

例えば、同じ物質依存でも、合法なもの(アルコールや処方薬など)と違法なもの(覚せい剤や大麻など)があります。

 

行動嗜癖にしても、ゲームはもちろん合法ですが、窃盗などの違法となる行為もあります。 

 

合法か違法かによって、支援のアプローチが変わることもありますし、あとは、当たり前かもしれませんが、違法であると知りながら相談にくるという人はなかなかいません。 

結果的に、支援を受けるチャンスを逃してしまうことにもなってしまうので、難しい問題だと思います。 

 

 

おわりに

 

今回は、依存症という病気がどのようなものか、また依存対象にはどのようなものがあるのかをざっと取り上げてみました。 

次回からは、それぞれの依存対象ごとに、その特徴をより具体的に書いてみたいと思います。 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 

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シリーズ依存症① ~人はなぜ依存症になるのか? 回復のために必要なのは?~

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こんにちは。 

2児の父であり、現在育休中のこころふです。 

 

これまで子育ての話が中心でしたが、そろそろ別のテーマをと思い、 今回は「依存症」に関する記事を書くことにしました。 

 

なぜかというと、私自身が以前、依存症支援に携わっていたからです 

 

その中で、依存問題の奥深さ、支援するやりがい、そして当事者さんたちとの交流に、いろいろな面で心を動かされてきました。なので、思い入れがあるテーマです 

 

今でこそ、依存症支援にガッツリ関わるということはありませんが、いつかはまた関わらせてもらいたいという気持ちもあります。 

 

まぁこのへんは個人的な話なので、さっさと本題に入りましょう。 

 

 

ご興味のある方はぜひお読みください! 

 

 

人はなぜ依存症になるのか? 

 

この見出しは、エドワード・カンツィアンという精神科医が著した本のタイトルです。 

翻訳しているのは、国内で薬物依存研究の最前線におられる精神科医の松本俊彦先生です。国立精神神経医療研究センター所属されています 

松本先生の講演じかに聞いたことがありますが、軽妙なトークとときに見せる熱弁にとても引き込まれ、感銘を受けました。 

 

 

さて、人はなぜ依存症になるのでしょう? 

 

よく説明されるのが、覚せい剤や大麻、アルコールなどの物質依存でいえば、繰り返し摂取することで、その物質の薬理作用により、脳が薬物を摂取することが当たり前の状態だと錯覚してしまい、やめられなくなる、というものがあります。 

ドーパミンという快感物質が脳内に多く分泌され、快感を覚えることで、やめられなくなるとも言われます。 

 

これらの説明は、もっともらしく聞こえますし、間違っているとまでは言えないのですが、これだけで依存症のメカニズムを説明できているわけでもありません。 

 

なぜなら、ヘロインコカイン、覚せい剤、大麻などの物質を摂取したとしても、それで依存症になる人と、そうでない人がいるからです。 

例えば、覚せい剤を一度でも使ったことのある人のうち、将来依存症になる人の割合は15%ほどだそうです。 

 

「え?たったの15パーセント?」「残りの85%は依存しないの?」 

と意外に思ったのは、私だけではないでしょう。 

 

違法薬物に手を出したとしても、深刻な依存症にまで陥る人は、どちらかというと少数派なのです。 

依存症になる人ならない人、違いはどこにあるのでしょうか? 

 

 

自己治療仮説 

 

ここで出てくるのが、カンツィアンの「自己治療仮説」です。 

 

簡単に言うと、薬物などの物質を摂取するのは、自身の生きづらさ、孤独感といった辛い気持ちを和らげる(つまり自己治療する)ためなのではないか、という考え方です。 

 

深刻な依存症に陥ってしまう人の多くは薬物ハマる前から別の精神疾患をもっていたり、強い孤独や生きづらさを感じている場合が多いのです。 

 

この自己治療仮説ですが、移り変わりの早い精神医学の理論のなかにあって、カンツィアンが提唱した1980年代半ば以降、今でも役に立つ仮説として生きています。 

 

一般的に薬物を使った人がやめられなくなってしまうのは、使ったときの快感が脳を刺激し、またその快感を求めるために使うから、と考えられがちだと思います。 

 

つまり、 

快感がない → 薬物を使う → 快感がある 

というプロセスがあるわけです。 

行動の結果、なかったもの(この場合は快感)が表われ、行動が増える(強化される)といった現象。 

これを行動分析学的には、「正の強化」といいます。 

 

確かにそれは一つの要因ではあるのですが、それだけでは、同じ薬物を使用しても続かない、依存しない人たちがいることを説明できません。 

 

もっと重要なことは、「負の強化」といわれる現象です。 

つまり、 

つらい気持ちがある → 薬物を使う → つらい気持ちがない 

という、行動の結果あったもの(この場合はつらい気持ち)がなくなり、その行動が増える(強化される)というプロセスです。 

 

実は、この「負の強化」こそが、依存症の主要なメカニズムなのではないかと言われているのです。 

 

 

大事なのは「人とのつながり」 

 

これまでの内容を聞くと、いわゆる依存症者のイメージが変わってきます。 

一般的にはまだ、「依存症なんて意志が弱いからなるんだ」「だらしがないからだ」と言う人も多いと思います。 

 

しかし実態は、精神疾患や強い孤独感、生きづらさにより、「生きていくために薬物に頼らざるを得ない」という人が多いのです。 

このような人たちを、「意志が弱いからだ」「罰が甘いからだ。もっと厳罰化するべきだ」などと批判したとしましょう。すると精神的、社会的に追い詰められ、より多くの薬物に依存せざるを得なくなる可能性があります。 

 

ではどうしたらよいのでしょうか? 

 

依存症から回復するために必要なことは、厳罰化などの強硬策ではなく、「人とのつながり」です。 

孤独感や生きづらさを和らげてくれる、人とのつながりなのです。 

 

変な言い方に聞こえるかもしれませんが依存症を抱える人の特徴は、「人に上手に依存できない」ことだと言われます。 

苦しい辛いときに「辛い」と言えずに我慢してしまう。 

それゆえ覚せい剤などの物質に依存してしまうのです 

 

人に依存することは悪いことではありません。 

誰でも誰かに支えられながら生きています。 

 

支えてくれる人は、家族だったり、恋人や友人だったり、相談機関の支援者や自助グループの仲間だったりと、いろいろなケースが考えられます。 

家族や恋人など身近な人だけで当事者を支えるのは、感情的に巻き込まれやすく、「共依存」というずぶずぶの関係に陥りやすいと言われているので、できれば相談機関の支援者や、自助グループの人など、第三者にも協力・支援してもらう方がよいでしょう。 

 

日本では、まだまだ「薬物使用=犯罪」というイメージだけが強く、治療・支援が必要な「病気」(厳密には、薬物使用障害という「障害」)という認識は薄いと思います。 

 

今後、薬物依存者が、人とのつながりを取り戻しやすい社会になることを切に願っています。 

 

 

今回は以上になります。 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 

 

*参考文献 

『人はなぜ依存症になるのか 自己治療としてのアディクション』(著:エドワード・カンツィアン、マーク・J・アルバニーズ 訳:松本俊彦) 

 

『薬物依存症』(著:松本俊彦)

 

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おすすめの知育玩具|わが家で子どもがハマったおもちゃ、絵本、DVDの紹介

こんにちは。 

2児の父であり、長期育休中のこころふです。 

 

突然ですが、子どもにどんなおもちゃを買ってあげるか考えるとき、ワクワクしませんか? 

「これ買ってあげたらどんなふうに遊ぶんだろうな~?」って想像をめぐらせるのって楽しいですよね。 

 

で、親とすると、おもちゃで楽しんで遊んでくれたらそれで十分嬉しいんですが、できればおもちゃを通じて何かを学んだり身につけたりしてくれたらいいな~なんて、欲が出たりもします。 

 

実際、世の中にはさまざまな「知育玩具」なるものがありますよね。 

どこからが知育で、どこからがそうでないのかはわかりませんが、たしかに「学べそうだな」と感じるおもちゃはたくさんあります。 

 

今回は、わが家でヒットした知育玩具(DVDや絵本も含む)を紹介します。 

 

 

日本地図パズル 

 

見出しどおり、最近で一番のヒットは「日本地図パズル」です。 

わが家が買ったのは、『デビカ 木製知育パズル日本地図』というものです。 

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwjcxNC35c_sAhVSIIgKHTKxCwoQFjAAegQIARAC&url=https%3A%2F%2Fdebika.co.jp%2Fproducts%2Fdetail.php%3Fproduct_id%3D184&usg=AOvVaw3TCGnY0cFfgLPG-RU34GeO

木製でピースやボードの手触りがよく、ピースはしっかりめにはまるので、いい感じです。 

 

3歳の長女用に買ってあげたのですが、さすがに難しいだろうなぁと思っていました。案の定、最初は全然はめることができず、すぐに飽きてしまうかなと心配もしました。 

 

しかし、子どもの学習能力というのはすごいですね。 

1週間くらいでコツをつかみ、2週間をすぎる頃には一人で全てはめこむことができるようになっていました。 

今では、裏返しにしたピース(何も書かれていない)を見て、形だけで「兵庫県」などと都道府県名を言い当てられるようになってしまいました。

 

私自身は昔から地理が苦手で、都道府県の正確な位置もよく分かっていない人間なのですが、まさか数週間で娘に追い抜かれてしまうとは思いませんでした( ;∀;) 

 

おまけに言うと、まだ1歳の次女までも好んでパズルをいじるようになり、東北地方(ピースが大きいので分かりやすい)あたりであれば、それなりに正しい位置にピースをおけるようになってきているのです! 

これには驚きました。 

 

難点を挙げるなら、ピースが小さめなのでなくなりやすいことです。 

すでにわが家の日本地図からは山梨県が消えております…。 

おかたづけの能力も高くなってくれるといいのですが…。 

 

いやしかし、地図パズルの効果はてきめんですね。 

いっしょにやるうちに、私自身も前よりだいぶ都道府県に詳しくなりました(笑) 

 

そのうち、世界地図パズルも遊ばせてあげたいと思っています。 

 

 

Little Baby Bum DVD  37 kids Favorite Songs 

 

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwjM3Kb35c_sAhWE-2EKHZc0B6sQFjADegQIBBAC&url=https%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2FLittle-Baby-Kids%25E2%2580%2599-Favorite-Songs%2Fdp%2FB01LX3I0TE&usg=AOvVaw3Bj-ntkzK__Oxsg8VwL6oh

これは、英語歌が37曲入ったDVDです。 

キラキラ星やABCの歌などのなじみのある歌や、日本だとあまり聞いたことのないような曲まで、幅広く収録されています。 

 

アニメーションもかわいいキャラクターがたくさん出てきて、当時(長女2歳のころ)しばらくは子どもが食いつくようにして見ていました。 

 

歌の力はすごいなと感じるのは、曲が流れると子どもも自然と口ずさめるようになるんですよね。 

このDVDに限らず、英語の歌を聴かせる機会はけっこうあるのですが、1歳の次女も最近口ずさむようになってきました。 

やはり、英語に触れさせるならまずは歌からがいいんだな、と思いました。 

 

 

こぶたくんのめいそう 

 

これは少し番外編的な位置づけになるかもしれません。 

 

『こぶたくんのめいそう』という絵本です。 

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwikg4CZ5s_sAhVNfd4KHSjpAtIQFjAAegQIBBAC&url=https%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E3%2581%2593%25E3%2581%25B6%25E3%2581%259F%25E3%2581%258F%25E3%2582%2593%25E3%2581%25AE%25E3%2582%2581%25E3%2581%2584%25E3%2581%259D%25E3%2581%2586-%25E3%2582%25B1%25E3%2583%25AA%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25BB%25E3%2583%25AA%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25BB%25E3%2583%259E%25E3%2582%25AF%25E3%2583%25AA%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25B3%2Fdp%2F4863060483&usg=AOvVaw32-KOTXXT5n3lmpVVJ-C8C

著者はケリー・リー・マクリーンさん。14歳のころから日常的に瞑想をしており、20年以上も瞑想インストラクターとして働いているという人です。 

翻訳は、あの日野原重明さんが担当しています。 

 

国内初のこども向けの瞑想ガイド絵本、だそうです。 

 

なぜ、この絵本を購入したかというと、私自身が最近瞑想(主にマインドフルネス瞑想)をするようになり、子どもにもさせたいなと思ったからです。 

 

さすがに3歳の子に瞑想は難しいだろうとは思っていて、ダメ元で何度か読み聞かせただけなのですが、意外や意外、その後ときどき娘の方から「とうちゃん、めいそうしよ~」なんて言ってくるんですよ! 

まあ、実際いっしょにやってみると、すぐに飽きてやめちゃうんですけどね(笑) 

それでも嬉しい。 

 

娘が十分に理解できているとも思いませんが、興味を持ってもらうことには成功したようなので、それだけのパワーをもっている絵本なのだと思います。 

 

というわけで、お子さんに瞑想を勧めたいという人には、おすすめできる絵本です。(あまりいないとは思いますが…) 

大人でも勉強になりますよ。 

 

ただ問題は、どうやら絶版らしく入手しづらいことです。 

もし、運よく見つけたらぜひ読んでみてください。 

 

 

おわりに 

 

子どもには個性があるので、これなら絶対に効果がある、これなら必ずハマるというものはありません。 

だからこそ、自分の子どもに合ったおもちゃや絵本を選ぶ楽しみが生まれるのだと思いますし。 

 

なので、ここで知育玩具を紹介することに意味があったのかというとわかりませんが、もし少しでも参考になったとしたら幸いです。 

 

子どものやる気を伸ばすほめ方|能力ではなく努力をほめよう!

 

こんばんは 

2児の父であり、長期育休中の公認心理師こころふです。 

 

今興味があることは、「子育てにどう心理学を活かすかということでこのブログでもそういった内容の記事をよく書いています。 

 

 

子どもをほめるということ 

 

さて、子育てでよく出てくる話題の一つとして、「子どもをほめる」というのがありますよね。 

誰でも一度はその手の話題を聞いたことがあると思います。 

 

「子どもはほめて育てるべし」「〇〇なほめ方がいい」「ほめて子どもの自己肯定感を高めましょう」などなど。 

 

例外として、最近流行りのアドラー心理学では「ほめてはいけない」と言われているようですが、大方の意見としては「ほめる子育て」は推奨されていると思います。 

 

かくいう私も、ほめることはとても大事だと考えている人間のひとりです。 

さまざまな場面で、「ほめる」ことは子どもの感情や行動に変化を与えうるからです。

 

例えば、よくある親御さんの悩みのひとつに、「どうやったら子どもが勉強をするようになるのか?」というもがあります。 

ここでも、子どもを上手にほめることで、勉強への取り組みが積極的になる可能性が十分にあります。 

 

 

能力をほめるのか、努力をほめるのか 

 

子どもの勉強への意欲や成績を伸ばすために、親はどのように子どもをほめたらいいのでしょうか? 

 

結論から言うと、能力ではなく、努力をほめることがよいとされています。 

 

一時期、経済学者の中室牧子さんが著した『「学力」の経済学』という本が話題になりましたが、その中にわかりやすく書かれているので、紹介します。 

 

コロンビア大学のミューラー教授らは、ある公立小学校の生徒を対象にして「ほめ方」に関する実験を行いました。 

その結果、「子どものもとともの能力(頭のよさ)をほめると、子どもたちは意欲を失い、成績が低下する」ということが分かったのです。 

 

逆に、「あたなはよく頑張ったわね」と、努力をほめられた子どもたちは成績を伸ばしたのです。 

 

「今日は1時間も勉強したんだね」などと、具体的な行動をほめることで、子どもの努力が引き出され、難しいことにも挑戦しようとする子どもに育つ、というのがこの研究から得られた知見なのです。 

 

 

挑戦できる子どもに育てよう! 

 

うちの娘は、慎重な性格ゆえ、「失敗しそうだな」と感じるとチャレンジしない傾向があります。 

なので、娘が少しでも新しいことにチャレンジできたときには、うまくいったかどうかにかかわらず、「がんばったね~!」などと積極的に声をかけています。 

 

まぁついつい「頭いいね~!」とかも言っちゃうんですけどね。親バカで(笑) 

 

失敗をおそれない子に育ってほしいと思っているので、これからも娘の“がんばった姿”をほめるよう心がけていきたいです。 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

リトミックって何?効果はあるの? 

こんばんは。 

2児の父であり、長期育休中の主夫こころふです。 

 

 

突然ですが、みなさん「リトミック」は知っていますか? 

おそらく多くの方が、幼稚園・保育園、小学校の音楽の授業などで経験したことがあるのではないかと思います。ピアノの音楽などに合わせながら、体を動かすあの活動です。 

 

私も小学生のころ、音楽でリトミックを体験した記憶があり、個人的には楽しく好きな時間でした。 

 

ただ、あらためて「リトミックって何?」と聞かれると、それこそ 

「音楽に合わせて体を動かすあれだよ」ぐらいにしか答えられません。 

多くの方がそうなのではないでしょうか? 

 

 

わが家では、以前から子どもを地域のリトミック通わせています。 

 

もともと妻が通わせていたのを、私が育休をとったことで、今は私がその役目を引き継ぐ形になったのですが、正直なところ、“妻に頼まれたから”という理由だけで漫然と通わせていたにすぎませんでした(;^ω^) 

 

今回、さすがにそれもどうかと思い、「そもそもリトミックって何?」「本当に効果あるの?」といった疑問について自分なりに調べてみたので、書かせていただきます。 

 

なお、この分野は私の仕事(心理系)と無関係ではないものの、

私自身は専門とはほど遠いところにいる人間なので、そういう人間が興味をもって調べたものだと思って読んでいただけると幸いですm(__)m 

 

 

そもそもリトミックって何? 

 

リトミック教育は、スイスの音楽教育家エミール・ジャック・ダルクローズが考案した音楽教育です。 

リトミック研究センターによれば、 

「楽しく音楽と触れ合いながら、基本的な音楽能力を伸ばすとともに、身体的、感覚的、知的にも、これから受けるあらゆる教育を十分に吸収し、それらを足がかりに大きく育つために、子どもたちが個々に持っている「潜在的な基礎能力」の発達を促す教育」 

と紹介されています。 

 

また、リトミック教育には3つの柱があるとのことです。 

 

①リズム運動 

 音楽に合わせて動いたり、感じたことを表現すること。 

②ソルフェージュ 

 リズム運動に合わせながら、音程を確認したり、歌ったりすること。 

③即興 

 リズム運動・ソルフェージュをもとに、楽器を使うなどして即興的に演奏すること。 

だそうです。 

 

まとめると、 

「音楽を楽しみながら、体を動かしたり歌ったりと自己表現することで、子どもの潜在能力を促すことを目的とした教育」と言えそうです。 

 

 

ダンスとの違い 

 

リトミックとダンスは、どちらも音楽に合わせて身体を動かすという点で似ています。 

ただ、ダンスは、見られることを意識するということ、音楽と動きを一致させることが重要視されます。 

それに対してリトミックは、自分で感じたことや考えたことを自由に表現することに重きがおかれており、動き手は必ず音を聴いてから身体反応をするので、音楽と動きが常にずれて見えることになるとのことです。 

 

 

リトミックの効果にエビデンスはあるの? 

 

今回これが特に気になったところです。 

「効果に科学的な根拠(エビデンス)があるの?」ということです。 

 

 

私もリトミックに意味がないと思っているわけではないのだけれど、 

しっかりとした根拠があるのであれば、娘を通わせるモチベーションにつながると思ったのです。 

 

で、調べてみた結果、 

結論から言うと、それほどはっきりしたものは得られませんでした(;^ω^) 

限られた時間しかないということと、私のリサーチ能力の乏しさに原因があることは否定しません!(効率的な論文の調べ方をご存知の方がいたら、コツを教えてください( ;∀;)) 

 

ただ、実証的な研究もあるにはあったので、紹介したいと思います。 

「保育園児への短期リトミックの効果」という研究論文です。 

1996年とかなり前に発表された論文であるということと、対象人数が少ないという部分は気になりますが、私が探した中では、数少ない実証的研究です。 

 

読んでみると、まず出てくるのがリトミック研究の限界についての記述。 

①長期間実施されるためリトミックの効果と加齢に伴う発達を区別できない 

②園内の活動である限り統制群を設けることが難しい 

とのことです。 

 

①は、リトミックの効果なのか発達が進んだことによる影響なのかわからない、ということですね。なるほどと思いました。 

②の統制群というのは、実験群(リトミックをさせるグループ)と比較するための、リトミックをさせないグループのことです。 

実証的な研究が少ないのも、これらの事情が関係しているのでしょう。 

 

さて、本研究の概要は以下のとおりです。 

・ある保育園の園児19名を対象とし、実験群と統制群に分けた。 

・全員に音楽テストを実施し、その後実験群には7セッションのリトミックを受けてもらう。 

・全員に2回目の音楽テストを実施したのち、今度は実験群と統制群を入れ替えたうえで、7セッションのリトミックを受けてもらう。(つまり前半はAグループに、後半はBグループに受けてもらったということ) 

・最後に全員に3回目の音楽テストを受けてもらう。 

・1回目と2回目のテストの間に意味のある差は認められなかった。 

・2回目と3回目のテスト結果を比較すると、実験群(リトミックを受けたグループ)のみ、音の「高低」の弁別に有意差傾向(統計的に明確な差があるとまでは言いきれないが、その傾向はみられたということ)が認められた。 

・1回目と2回目の間で差が出なかったのは、欠席者が多かったからではないかと筆者は考察している。 

 

ちなみに音楽テストは、聞き取りの課題であり、 

「強調」「リズム」「高低」「音色」「和音」「鑑賞」といった項目の理解度を測定するものでした。 

その中で有意差傾向が認められたのは「高低」の弁別のみだったということなので、トータルで見てはっきりした効果が認められたとは言い難いかなと思います。 

 

ただ、わが子のリトミックの様子を見ていると、音の「高低」に合わせて動きを変える活動(バチを2本持ち、高い音がなったら頭の上で叩く、低い音がなったら下で叩く)は、たしかに進歩していると感じてはいるので、リトミックの効果と言えるのかもしれません。 

 

 

おわりに 

 

すみません。 

ここまで書いてみてなんですが、本当に効果があるのかどうか、個人的にははっきり言ってよくわかりませんでした(笑) 

もっとよく調べればわかるのかもしれませんが、労力と時間をさくのに限界を感じました…。 

少なくとも、効果が数値で表しにくい活動ではあるようです。 

 

ただ、遊びや音楽が子どもの発達によいということを否定するつもりもないですし、親子で楽しんで取り組めるのであれば、それだけで意義があるかなとは思います。 

 

なので、私はこれからも娘といっしょにリトミックを楽しんでいきたいと思います! 

 

今回調べてみたことで、多少モチベーションも上がりました(笑) 

リトミックを受けただけで済まさず、なるべく家でも取り入れてみたいです。 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 

 

 

ちなみに、おかげさまでブログ開始後計100アクセスを達成していました。 

(達成時点で開始後17日、19記事) 

まだまだ全然ですが、とりあえずうれしいです!ありがとうございます! 

 

よろしければ、今後とも応援よろしくお願いします(#^^#)

HSP/HSCが流行することのメリット・デメリット

 

こんばんは。 

2児の父であり、長期育休中のこころふです。 

 

10数年いわゆる心理職として働いてきた経験から、子育てに心理学をどの程度活かせるか、試行錯誤する日々を送っています。 

 

さて、最近世間でよく聞くようになったHSPという言葉あります。 

数年前からときどき耳にし、そういう言葉があるというのは知っていたのですが、 

ちゃんと勉強したことはありませんでした。 

 

ただ、芸能人(ロンブーの田村淳さん)のカミングアウトなどから、一般的にも知られるようになってきているのを知り、調べてみようと思いました。 

 

今回は、HSP(HSC)について私なりに思うことを書かせていただきます。

※『HSCの子育てハッピーアドバイス』(著:明橋大二)を参考にしました。

 

HSP(HSC)とは? 

 

まず定義から説明します。 

HSPは、Highly Sensitive Personの略であり、「とても繊細な人」という意味です。 

アメリカの心理学者エレイン・アーロン氏が提唱したものであり、精神医学上の概念ではありません。病気や障害ではなく、あくまで一種の気質として捉えられています。 

5人に1人くらいの人がこれに当てはまると言われています。 

 

HSPの特徴を表す言葉として、「DOES(ダズ)」があります。 

 

Depth of processing・・・深く考える 

Overstimulation・・・過剰に刺激を受けやすい 

Empathy and emotional responsiveness・・・共感力が高く、感情の反応が強い 

Sensitivity to subtleties・・・ささいな刺激を察知する 

 

という4つの特徴頭文字をとったものです 

 

例えば騒がしい音に敏感で気分がわるくなってしまったり怒られている他人を見て自分が怒られたような気分になり落ち込んでしまったりといった、日常生活での困り感や、生きづらさを感じやすい傾向があります。 

 

反面感受性が豊かであり人に細やかな気配りができたり芸術方面才能を発揮したりと、よい方向に気質を活かしている人も多くいます。 

 

ちなみに上記のような特徴を持つ子どものことを、HSPと区別して、 

HSC(Highly Sensitive Child)と言います。 

 

 

自分にも当てはまるのでは? 

 

この概念を知って最初に思ったことは、 

「これって自分にも当てはまるんじゃね?」ということでした。 

 

今回試しにチェックリストで確認してみました。 

チェックリストは、「自分を取り巻く環境の微妙な変化によく気づくほうだ」「他人の気分に左右される」などの22項目からなり、12個以上あてはまれば、HSPの可能性が高いというものでした。 

 

私の場合、大体12個くらい当てはまりました。HSPど真ん中とは言えないまでも、HSPに限りなく近い状態だと言えるかもしれません。 

昔から親に「敏感な子」と言われていたし、自分でもそう思ってきたので、特に驚きはありません。 

 

それから、実は長女もけっこうな「敏感っ子」であります。 

 

例えば、Eテレの子ども番組のあるクイズコーナーを見ていたときのことです。クイズコーナーって、よく「ピンポーン」とか「ブー」って音がしますよね。その「ブー」という音が苦手だったらしく、その音が聞こえそうになると毎回テレビの前から逃げてしまうのです。 

これ以外にも、何てことないテレビ上の演出を極端に怖がって逃げてしまうということはありました。 

 

長女についても、子ども用のチェックリストを試してみると、案の定私と似たような結果で、HSCの可能性があるのかもなあと思いました。

立派に私の遺伝子をついでいますね(笑) 

 

 

HSP(HSC)概念は誰にとって役立つのか? 

 

HSP(HSC)という概念の意味するところは分かりました。 

では、この概念を理解することのメリットは何でしょうか? 

 

上記したように、HSPの方は世の中で生きていくのに、生きにくさを感じてしまう場合も多いと思います。 

「何で自分は人と違うんだろう?」「何かおかしいんじゃないか?」 

そんなふうに感じる方もいらっしゃると思います。 

 

そういった方が、このHSPという言葉を知り、自分にあてはまるということが分かったとします。 

「世の中には、自分以外にも同じような特性を抱えた人がたくさんいるんだ」という気づきや、「ようやく原因が分かった」という納得感は、ご本人の生きづらさを和らげてくれるかもしれません。 

 

例えば、あるこころの病気を抱えている人が、医師から診断名を告げられることで、ようやく自分の辛さの正体が分かり、気が楽になるというケースが多々あります。このように、病気であることが分かることで生じるメリットのことを「疾病利得」と言います。 

HSPは病気ではないので、「疾病利得」とは言えませんが、似たような経験をされる方も多くいることでしょう。 

 

このように、HSPという概念を知ることで、自己理解につながり、結果的に気持ちが楽になるというケースでは、HSP概念がその人の役に立っているといえるでしょう。 

 

 

周りの人の理解が得やすくなる 

 

親や友人、教師などにHSP(HSC)であるということを理解してもらうことにより、できそうにないことを無理強いされなくて済んだり、苦手な部分をサポートしてもらったりと、その方にとって生活しやすい環境づくりがしやすくなるでしょう。 

 

HSCの子への配慮については、『HSCの子育てハッピーアドバイス』に書かれている、

「ひといちばい敏感な子の自己肯定感を育む大切な10のこと」が参考になったので、以下に引用させていただきます。 

 

①子どもを信じる 

②抱きしめる 

③共感する 

④気持ちを言葉にして返す 

⑤ネガティブな感情を吐き出させる 

⑥スモールステップを設定する 

⑦心の安全基地を作っておく 

⑧その子のペースを尊重する 

⑨少し背中を押してみる 

⑩他人と比べるより、自分のゴールを目指そうと伝える 

といったものです。 

 

どれも大変納得できる内容ですが、よく考えてみると、これらの対応が大切なのは、HSCの子に限った話ではないなと思いました。 

HSC気味な私の娘に対しても、とても有効な考え方だと思うので、参考にしていきたいです。 

 

と、ここまでが、私が考えるHSP(HSC)概念を取り入れることで得られるであろうメリットです。 

 

要は、自己理解の促進、安心感、さらに周りからのサポートを得やすくなるということですね。 

 

では、逆にデメリットはないのでしょうか? 

 

 

HSP(HSC)概念を取り入れることのデメリット 

 

これはHSPに限った話ではないのですが、ある枠組みを過度に自分や他人に当てはめようとすることの危惧です。 

 

例えば、20年くらい前から、発達障害という概念が徐々に浸透してきました。これにより支援が充実し、救われた発達障害を抱える方はたくさんいることと思います。 

しかし、一般にもこの概念が浸透するにつれ、「自分は発達障害ではないか」と心配する方が急増します。 

もちろん実際当てはまる方も大勢いるのですが、どう見ても考え過ぎだろうという方も中にはいます。 

また、支援者の間でも「発達障害」という概念が当たり前に共有されてくると、「絶対に見逃さないぞ!」と意気込み、ちょっとでも気がかりな子は「発達障害疑い」とレッテル貼りされるケースが出てきます。 

いわゆる「過剰診断」(実態を超えて多くの発達障害診断が出てしまう)も危惧されます。 

 

HSPも、これだけ世の中に浸透してくると、「自分もHSPなのではないか」と思ったり、実際に専門家に相談しようとする人もたくさん出てくるでしょう。 

それはそれで、先ほど挙げたメリットにつながればよいとは思いますが、ほんの一部しか特徴が当てはまらないのに、HSPだと思い込んでしまう人も出てくると思われます。 

「自分はHSPだから」という免罪符を得ることで、少しでも苦手とすることには挑戦しなくなってしまうかもしれません。 

こうなるとデメリットの方が大きくなってしまうと思います。 

 

あと、怖いのは、うつ病や不安障害、発達障害といった、より深刻な状態を見逃してしまう可能性があるということです。 

私は、HSPの特徴を知ったとき、刺激に過度に敏感であるという点が、発達障害と似ているなと感じました。 

両者を区別しやすいポイントは、共感性が強いか弱いかだと言われています。 

発達障害のある方は一般的に、他者の気持ちを読み取ることが苦手です。逆にHSPの方は、DOESのEにも表れているように、共感性がとても高いです。 

 

なので、見る人が見れば区別できるとは思うのですが、当事者からしたらそこまで判別することは難しく、例えば発達障害を抱える人が、「自分はHSPだったのか。原因が分かったのなら安心だ」と支援の手を借りるチャンスを逸してしまうかもしれません。 

うつ病にしても発達障害にしても、早めに治療や支援につながることで予後がよくなると言われているので、このタイミングが遅れることは、その後の人生に悪影響を及ぼすこともあり得ます。 

 

逆に、HSPだと思って精神科を受診してみたら、実はうつ病だった、発達障害だったということもあるかと思います。この場合は、治療や支援につながるきっかけとなるわけですから、考えようによってはラッキーなケースだと言えるかもしれません。 

 

いずれにせよ、HSPという流行に安易に飛びつくのではなく、冷静に考えてみることが大事です。また、どうしても心配であれば、自己判断せずに精神科の先生やカウンセラーに相談してみることもよい方法だと思います。 

 

 

おわりに 

 

今回のようなHSPや、発達障害のように一つの枠組みが流行すると、それに飛びつく人が増えるのは世の常のような気がします。 

 

それで得られるメリットもあれば、デメリットもあるので、そこを冷静に見極めていく姿勢が必要だと思います。 

 

これは私のような支援する側の人間にも言えることで、あまり大きな声では言えませんが、なんでもかんでも「発達障害」にしたがる人というのは、正直います。 

なにかラベリングをすることで分かったような気になってしまい、それ以上思考停止してしまうという人も少なくありません。(正直なところ、私自身にも覚えがある話です…) 

 

なので、私自身、流行の考え方に流されすぎないよう、 

でも使える部分は活用して、といった柔軟さを忘れないようにしたいと思っています。 

  

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 

トークンエコノミー法 うまくいくケース、うまくいかないケース|子どもの自発性を引き出すコツ

こんばんは 

2児の父であり長期育休中こころふです 

 

私は心理職として10数年働いてきましたが、 

実際のところ、育児にどのくらい心理学が活かせるのか、試している日々でもあります。 

 

以前、わが家でトークンエコノミー法(特定の行動を増やすことを目的とする行動療法の技法の一つ)を取り入れているという記事を書きましたが、 

今回それをもう少し掘り下げて書いてみたいと思います。 

 

 

わが家のトークンエコノミー活用状況 

 

わが家では、娘がお手伝いをしてくれたら、シールをあげ、一定数たまったら、おもちゃなど娘が欲しがるもの(それほど高くないもの)をプレゼントする、というルールになっています。 

 

以前からある程度軌道にのっていたのですが、最近になり、さらに効果が加速してきたような気がしています。 

 

例えば、昨日のできごとですが、 

長女は幼稚園から帰ってくるなり、「お花に水あげる~、庭の掃除もする~、シールちょうだい」と言い出しました。 

 

私がOKすると、本当に積極的に水やりや掃除を始めたではありませんか! 

しかもそれを真似して、下の子も水やりを始めるというオマケつき!! 

 

水やり、庭掃除なんて、私は妻から言われない限りまずやらないようなズボラ人間(いかん!)なので、「本当におれの子か?」と疑いたくなるレベルです(笑) 

 

お手伝いのほかにも、歯みがき、ご飯の完食などの場合にもシールをあげていますが、やはり以前より確実に対象行動が増えてきたと感じています。 

 

なお、この方法が有効なのは、ある程度ルールを理解できるようになる3歳くらいからだと思います。 

 

 

うまくいくケース、そうでないケース (相談にのってきた経験から) 

 

手軽に取り入れられる手法であるため、私が心理職として子育て相談にのってきた中で、何度も提案してきた方法です。 

 

例えば、宿題をさぼりがちなお子さんがいたとしたら、 

本人や家族とよく話し合ったうえで、 

「宿題ができたら1ポイント、20ポイントたまったら漫画を1冊買ってもらえる」などのルールをつくり、お子さんの学習へのモチベーション向上を目指したりします。 

 

ただ、このように誰にでも理解しやすい簡単な方法でありながらも、うまくいくケースとそうでないケースがあります。 

 

この違いは何なのでしょう? 

 

もちろん、支援者としての私の見込み、詰めが甘かったり、単純にその家庭に合う・合わないという理由もあるでしょうが、それらを超えて、私の経験上感じている点を挙げてみたいと思います。 

 

 

うまくいかないケースにありがちなこと 

 

①親子関係がわるい 

 そもそも親子間でうまくコミュニケーションがとれていません。

 なので、システムの導入自体でつまづく可能性もありますし、導入できたとしても、お互い感情的になりやすい状態なので、そのやり取りの中でケンカになってしまいます。

 うまくいく可能性は低いので、まずは親子関係の改善を目標にするか、同時並行で進めるべきだと思います。 

 

②親の子どもへの期待が強すぎる 

 親が期待をかけすぎてしまうことは禁物です。

 ルールづくりを話し合う中で、どうしても課題の難易度が高くなってしまい(例:「勉強を3時間できたら1ポイント」など。勉強嫌いな子がそんなにできるはずありません!)、結局子どもはほとんどトークンをもらえない、という悲しい結果になりがちです。

 そうなると、親はがっかりするわ、子どもの自己肯定感は下がるわで、よいことはありません。 

 このへんは、支援者が間に入り、うまく調整していけるとよいです。 

 

③子どもが課題をこなしても、親がトークンを与えない 

 せっかく子どもが課題をこなしても、親がトークンを与えない場合があります。

 単にルールを忘れていることもあれば、そのときの機嫌であげない、ということもあります。

 これをされると子どもの行動強化が起こらないだけでなく、親への不信感にもつながってしまうので注意が必要です。

 また、トークンはなるべく行動の直後に与えるようにしましょう。

 これを「即時フィードバック」といいます。 

 

④バックアップ強化子のバランスがわるい(高価すぎる) 

 トークンと交換できるごほうびのことを「バックアップ強化子」と言います。

 先の宿題をさぼりがちな子の例でいうと、漫画のことです。

 例えば、目標とする課題が簡単でトークンもすぐに集まるのに、バックアップ強化子はそれに見合わず高価なおもちゃ(ゲームソフトなど)であった場合、親は何度も高価なおもちゃを買い与えることになってしまい、結果的に続かなくなります。

 バックアップ強化子を決める際は、課題の難易度、必要なトークン量とのバランスをよく考えましょう。

 もし、課題が簡単なようであれば、必要なトークン量は多く設定するなどの工夫が大事です。 

 

 

うまくいくためのコツ 

 

以前の記事で書いた内容とかぶりますが、 

うまくいくためのコツについてあらためて簡単に挙げておきます。 

 

①実現可能な課題を設定する 

②表を視覚化しておく 

③なるべく子どもがワクワクするような工夫をする 

 (トークンを魅力的なシールにする、表に好きなキャラクターの挿絵を入れるなど) 

④即時フィードバックを行う 

⑤ルールは適宜柔軟に修正する(そのときの気分で勝手に変えるのはNG) 

⑥コーディネートしてくれる存在(支援者)がいればなおよし 

 

他にもあるはずですが、思いついた点を挙げました。 

 

 

 

おわりに 

トークンエコノミーは愛着のあるテクニックなので、今回ちょっと深堀してみました。 

 

わが家ではたまたま(今のところ)うまくいっていますが、もちろん万能な方法ではありませんし、慣れないと失敗するケースも多いです。 

 

ただ、仮に失敗したとしても、状況が悪化しないよう配慮することは必要かと思います。それを防ぐためにも、やはり親が期待をかけすぎないこと。 

 

過度な期待は子どもに過度なプレッシャーを与えますし、失敗したときお互いの精神的ダメージが大きくなりやすいです。 

 

手軽に導入できることがメリットなので、「失敗してもいいや」くらいにかまえて取り組むとよいと思います。 

 

 

なお、わが家のトークンエコノミーも、まだまだ工夫の余地があると考えているので、バージョンアップが成功したら、また報告させていただくかもしれません(^^) 

 

 

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 

子どもの気持ちの切り替えがスムーズにできたという話|ちょっとした声かけの工夫

 

こんばんは。 

2児の父で、現在育休中のこころふです。 

 

心理職として子育ての相談にのることも多かったのですが、 

自分自身が子育てを経験しながら、 

あらためて学ばされることが多いと感じる毎日です 

 

今日はちょっとしたことですが 

おもしろいことがあったので、書かせてもらいます 

 

 

公園で遊ばせるときの悩み 

 

うちの1歳の娘(みーこ)はブランコが大好き。 

 

公園に連れていくと必ずブランコにのり、 

それから何十分でものり続けてしまうというところがあります。 

 

長時間のっていると周りのたちが遠巻きに 

「ブランコのりたいな~」という顔をしながら見てきます。 

そばにいるママさんも、 

「どうかな~、もうすぐ空くかな~」という感じで、 

こちらをチラリとうかがいます。 

 

公園でのマナーとして、そして親としての気まずさもあり、 

やはりそこは、娘にブランコをかわってあげるよう促します。 

 

しかし… 

 

わが娘のブランコへの執着はすごいものがあり、 

ほとんどの場合、首を横にふって全力拒否します。 

 

私なりに 

「そろそろお友達にかわってあげようね」 

「あと10回こいだら終わりにしようね。い~ち、に~・・・」 

などと、いろいろ声をかけますが、たいてい不発に終わるので、 

最終的には力づくでブランコから引っぺがし、 

泣き叫ぶ娘をなだめながら抱っこして連れていく 

・・・となることが多いのです。 

 

まだ1歳の子に、 

誰かのために自分の欲求を我慢しろというほうが無理なのは 

分かっているのですが、 

だからといってずっと遊ばせておくわけにもいかず、 

どうにかならないかな~と悩んでいました。 

 

 

今日の出来事 

 

今日は朝から天気がよかったので、近くの公園に連れて行きました。 

 

そして予想どおり、娘はブランコに直行し、 

長時間満喫コースに突入。 

周りには徐々に子どもが集まり始め・・・ 

と、よくあるシチュエーションに。 

 

しかし、 いつもなら焦ってしまうところですが、 

今日の私はなんとなく、こころの余裕がありました。 

 

なぜなら、 

「もうなるようになれ~、アハハ~(*´▽`*)」と開き直っていたからです!

なんか天気もよかったしね(笑)

 

そこでまずは、 

「みーちゃん、あっちのすべり台で遊んでみようよ」と 

ダメもとで声をかけてみたところ、 

案の定首を横にふる娘。 

 

アチャー(ノ∀`)と思いながらも、今度は、 

「みーちゃん、あっちの電車を見に行こうよ」と穏やかに声をかけてみたのです。 

 

というのも、 

公園に着くまでの途中、電車がとおる音を聞き、 

娘が「(電車)見た~い」と言っていたのを思い出したからです。 

しかも、ちょうど近くから電車を見られるスポットがあったのです。 

 

 

すると、

なんと、 

娘が「うん」と首を縦にふったではありませんか!! 

そして、するりとブランコからおりる娘。 

 

めったに見ない展開に、

内心「よっしゃー!」とガッツポーズでした。 

 

 

今日の気づきポイント 

 

・子どもは簡単に自分の欲求を我慢できない。 

 「我慢させる」のではなく、 

 「ブランコ(熱中していること)から気をそらす」ほうが有効。 

 

・何が刺さる(ヒットする)かは子どもによりけり。 

 その日によっても変わる。 

 日ごろから、何が刺さるかアンテナを張っておくことが大事。 

 

・あわてず、できるだけ穏やかな口調で声かけする。 

 

 

といったところではないでしょうか。 

 

そういえば、上のおねえちゃんに 

登園準備させるときも、穏やかに声かけするほうがスムーズにいきますね。 

 

やはり何事も親のこころの余裕が大事ですね!

 

 

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました! 

 

 

「名もなき家事」と「名もなき育児」|夫婦仲を守るために共有すべき考え方

 

こんばんは。 

2児の父であり、長期育休中のこころふです。 

 

 

少し前に、「名もなき家事」なる言葉が流行りましたよね。 

 

私は半年前くらいに関連本を読んだことがあったのですが、 

「なるほど!」と感心してしまいました。 

 

なぜなら、 

まさに私が「名もなき家事」に 

鈍感な人間の一人だったからです。 

 

 

もともと、家事は苦手だったのですが、 

それでも結婚し、子どもができ、妻に負担をかけないよう、 

やれることはやろうと、それなりにやっていたつもりでした。 

自分では…。 

 

半々とはいかないまでも、 

4:6くらいで家事はやってたつもりだったのです。 

 

しかし・・・ 

 

あるとき妻に聞いてみたところ、 

「あなたは大して家事をやってくれないけど、 

 仕事で大変そうだったから文句は言わずにいた」 

みたいなことを言われたんですね。 

 

これはそうとうショックでした・・・。 

 

妻からすると、まったく及第点ではなかったのです。 

それどころか、 

言わなかっただけで、本当はかなりストレスを感じていたようなのです。 

 

それからというもの、 

少しずつできることを増やしていこうと心がけてきたのですが、 

そんな折、ふいに本屋で手にとったのが、 

『やってもやっても終わらない名もなき家事 名前をつけたらその多さに驚いた』 

(著者はコピーライターの梅田悟司さん)という本でした。 

 

 

「名もなき家事」とは 

 

家事というと、料理、掃除、洗濯、買い物といった、 

主要なところがまずイメージされると思います。 

 

私も、例えば、「食器洗い」などの分かりやすい家事は、 

それなりに積極的にやっていました。 

 

ただ、私がやっていたのは、 

文字通りの「食器を洗う」という行為、 

それから「洗った食器を水切りかごに置く」というところまでだったのです。 

 

かごに置かれた食器はどうなるか。 

 

まさか自動的に食器棚に戻るわけもありません。 

当然、毎回妻が戻してくれていたのです。 

 

こういう、はっきり名前をつけられない家事、 

それが「名もなき家事」なのです。 

 

本書は、 

そういった名もなき家事に名前をつける、というコンセプトで書かれています。 

 

ほどの食器を棚にもどす家事は、 

「リ・ポジショニング」という名前がつけられていました。 

 

これを知ったとき、 

私は頭をコツーンと殴られたような感覚でした。 

 

「そうか、食器を戻すのも家事の一つだったんだ!!」 

と。 

 

バカみたいな話ですが、本当なのです。 

 

妻がやってくれていたのを認識していなかったわけじゃありません 

というか、この目で実際に何度も見ていました 

 

ただそれを「家事」ひとつと認識していなかったというかなんというか。 

うまく言い表しづらいですが・・・。 

 

要は他人事だったんですよね。 

「自分は皿洗ったからいいでしょ」的な感じです。 

 

こうやっていざ文章に起こしてみると、ひどいね。 

書いてていやになりました(;^ω^) 

 

これは氷山の一角にすぎず、 

私がちゃんと「家事」と認識していなかった「名もなき家事」は 

他にもたくさんあったことでしょう。てか、今もあるはず。

 

一つ一つは大したことじゃなくても、

つもりつもると大きな負担になることは、容易に想像できますよね。

 

 

名もなき育児 

 

家庭における役割としては、 

「名もなき育児」と呼べるものもたくさんありそうですね。 

 

パッと思いつくだけでも、 

 

・ねぞうのわるいわが子に布団をかけなおしてあげる 

・汚れた口の周りをふいてあげる 

・出かける前にトイレに行くのをうながす 

・家に帰ってきたあとに手洗いをうながす 

・なかなか食べないわが子にスプーンでご飯をあげる 

 

などなど。 

細かく挙げていったらキリがないかもしれません。 

 

正直、これらも以前はほとんどを妻に任せきりで、 

私はどこか他人事でした。 

 

妻の負担感を想像すると、申し訳ない気持ちになります*1 

 

 

放っておくと危険な認識の違い 

 

おそらく、私のような男性って、 

世の中にはけっこういると思うんですよね。 

 

しかも、タチがわるいのが、 

“自分は家事・育児をちゃんとやれている”と思い込んでしまっていること。 

 

そう思い込んでしまう原因の一端には、 

やはり「名もなき家事・育児」がある気がしてなりません。 

 

“誰かがやらなければいけない”仕事なのに、 

それを「家事・育児」として認識できていない。 

 

だから、「名前のついている家事・育児」をやっただけで満足してしまう。 

“やった感”を持ってしまう。 

 

そして、その“やった感”を出している夫にいらつく妻…。 

 

そんな構図があるような気がします。 

 

こういった現実をお互いが認識して話し合えればいいと思いますが、 

放置しておくと、夫婦間に大きな溝ができてしまう恐れもあるかと思います。 

そうならないようにするにはどうしたらよいのでしょうか? 

 

 

 

家事・育児の負担を平等にするには? 

 

まず考えられるのは、 

「名もなき家事・育児」を片っ端からひたすら書き出して、 

それらを2人で(場合によっては子どもも含めて)分担する。 

 

という方法があります。 

 

これは必ずしも半々に分ける必要はなく、 

例えば一方が残業の多い勤め人だったりすれば、 

そちらの家事分担をへらすとか、話し合って決めることが大事だと思います。 

 

 

これ、たしかに合理的だし、 

「名もなき家事」をお互いが認識できるだけでも意味はあると思うのですが、 

個人的に、これうまくいくかな~という疑問もあります。 

 

なぜなら、今まで主要な名前アリの家事・育児しかやってこなかった人が、 

そう簡単に受け入れられるかな~と。 

下手したらケンカになってしまうのではないか、と。

 

私だったら受け入れられたかどうか…正直ちょっと自信ないです(;^ω^) 

 

 

主体性をもって家事・育児にとりくむ! 

 

私が一番いいと思うのは、 

男性の方も一度主体性をもって、家事・育児に取り組んでみるということです。 

 

よく、「家事・育児を“手伝う”」というのはNGワードと言われますよね。 

「いや、お互いの仕事やろがい!“手伝う”ってなんじゃ!!」と。 

 

“手伝う”という受け身的な姿勢ではなく、 

主体的に取り組むことで、 

「名もなき家事・育児」の存在、大変さに

自分で気づくことが大切だと思うのです。

 

そしてそのための具体的な方法はというと、 

そう! 

男性側が育休をとってみるということです! 

 

私も、育休をとり、自分が家事・育児の主体となったことで、 

初めてそれに気づけたと感じています。 

 

まぁ育休とったところで結局ただ休んでいるだけ、 

という例も聞くので、 

一概には言えませんが。 

 

私の場合は、妻がもうフルタイムで勤め出しているので、 

やらざるを得ないという(笑) 

 

 

おわりに 

 

いろいろ書きましたが、 

結局のところ、夫婦間で納得できていればどんなやり方でもいいんですよね。 

これが正解というのはありません。 

 

でも、個人的に 

この「名もなき家事・育児」という発想には、 

かなりハッとさせられました。 

 

夫婦間でこの考えを共有することで、 

いい方向に向かう家庭も多くあるのではと思います。 

 

私も、おそらく今も気づけていない「名もなき家事・育児」があるのでしょうが、 

アンテナを張りながら、 

妻からの評価を少しでも上げられるよう努力したいと思います。

 

わが家の平和のために(笑) 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

少しでも参考になったとしたら幸いです(^^)

*1:+_+

【書評】「忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス」(著:明橋大二)

 

こんばんは。 

2児の父であり、長期育休中のこころふです。 

 

心理職として子育ての相談にのることもありましたが、 

いざ自分がメインで育児をするようになってから、 

新たに学ぶことはとても多いなと感じています。 

 

ときどき書評、というか本の紹介もしているのですが、 

今回はこちらの本を紹介します。 

 

『忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス 

著者は、スクールカウンセラーにして医者でもあるという、明橋大二さんです。 

 

私は、以前働いてた職場の精神科医の先生にすすめられ、読みました。 

まだ2番目の子がうまれる前でした。 

 

本書の出版は2007年と、けっこう前になりますが、 

特に古いとは感じず、今読んでも、十分参考になる内容です。 

ちなみに、この「子育てハッピーアドバイス」はシリーズ化されているようです。 

 

さて、タイトルからわかるとおり、 

「忙しいパパ」向けの子育て本です。 

 

本書のいいところは、 

なんといっても読みやすくてすぐ読み終わること 

タイトルに偽りなしです。 

 

漫画やイラストがほぼ全ページにわたり掲載されていて、 

内容がすっと入ってきやすい。 

 

これを初めて読んだ当時、 

まだ私一人で子どもの世話をするのに抵抗があった頃、 

「子どもの世話を父親一人でしてみると、母親のたいへんさも理解できますし、子どもとの絆も強まります。」との記述を読み、 

じゃあやってみようかな、と思った記憶があります。 

 

また、子育て中の父親として、 

「そうそう、あるある」と思った箇所がいくつもありました。 

 

例えば、上司から急な仕事を依頼されどうしても家に帰れず、 

子どもの誕生日を祝うことができなかったパパ。 

 

ママからは「家族より仕事の方が大事なのね!」なんて言われてしまい… 

 

どちらの気持ちもわかる。わかるだけに切ない… 

仕事と育児の板挟みは、多くのパパが経験していることだと思います。 

 

私の場合、その結果が、 

現在の「育休」という選択につながっていますし。

(家族の誕生日くらい当たり前に早く帰れる社会になってほしい、と切に思う・・・)

 

本書の中では、夫婦間であらかじめよく話し合って、 

お互いの状況(会社内での自分の立場、など)を 

きちんと伝えあうことの大切さが説かれていました。 

 

難しいことですが、おろそかにせず、やっていこうと思いました。 

 

 

 

なお、最終章の 

『「お父さん、生きていてほしい!」子どもが最後に願うこと』は、 

涙なしに読めない内容でした。 

 

私も仕事のストレスで辛い思いをしたことは何度もありますが、 

最後の最後に大切なのは生き抜くことなんだな、とあらためて思いました。 

 

本書の序文にも書いてあることですが、 

現在忙しい中パパとして奮闘中の方、これからパパになる方に 

おすすめしたい本です。

 

父親としての自分を振り返るきっかけになりますよ。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

育休パパの悩み|ママ友との交流をどうしたらいいか? 

 

こんにちは。 

2児のパパであり、長期育休中のこころふです。 

 

私が、育休をとるにあたって心配だったことの一つに、 

「地域のママたちとコミュニケーションとれるだろうか?」 

というものがありました。 

 

今回はこれをテーマに話したいと思います。 

 

 

子育てコミュニティに参加するときの不安 

 

育休をとるからには 

やっぱり子育てサークルとか 

子育て支援センターとか 

利用したいな~と思ってたんですね 

 

子どもへのいい刺激になるし、 

自分自身も勉強になると思ったので。 

 

でも私にとってはほぼ未知の領域だったし、 

そもそも人見知りする方なので、 

 

男一人で浮かないかな~とか、 

ママたちと話せるかな~、と 

不安はありました 

 

 

実際に参加してみて 

 

妻が育休中通っていた子育てサークル初めて参加したときは 

やっぱりソワソワしましたね(;^ω^) 

ママたちと何を話したらいいんだろう、って。 

 

“話題についていけない”というのは大きな壁でした。 

 

例えばですが、その子育てサークルでは、 

無添加食品とか、自然派のものを好むママさんたちが多いんですね。 

 

あるとき、ママさんたちが会話で盛り上がっていたので、 

何を話してるのかな~と耳を傾けると、 

「ぬか」の話題だったんですよ。 

 

私は、生まれてこのかた、 

「ぬか」について興味をもったことがない人間だったので、 

引き出しはまったくの0(ゼロ)、話に入りこむ余地もありませんでした。 

 

あ~、もっと「ぬか」について勉強しておけばよかった、 

なんて思いましたよ(笑) 

 

まぁ「ぬか」はレベル高め(?)だとしても、 

料理全般、いや家事全般低スキルな私には、 

合う話題が少なく、ハードルの高い世界でした(-_-;) 

 

それでまあもちろん多少挨拶とかはするけど 

基本的には子どもの相手をして過ごしてましたね 

 

子どもがいると周りと話せなくても間が持つので、 

それはそれでよかったんですけどね(;^ω^) 

 

 

ママたちと話せるようになったきっかけ 

 

ところが、少しずつ私が場所慣れしたというのと、 

一つの突破口になったのが、私自身が細々と料理を始めたことでした。 

 

特に、ある人から勧められ、 

「低温調理器」なるものを買ったことが大正解でした。 

 

「低温調理器」とは、肉や魚を低温で長時間加熱するための調理器で、 

最近少しずつ一般家庭に浸透してきているようです。 

 

大手メーカーのものだと2万円くらいしますが、 

1万円くらいで買えるものもあります。 

私が買ったのは後者。 

 

これがですね、 

驚くほど簡単に、うまい肉料理がつくれるんですよ! 

ローストビーフも簡単につくれます。 

 

特に鶏もも肉を低温調理すると、これがもう絶品! 

自分でつくったものがこんなにうまいなんて・・・ 

と感動したほどです。 

 

話がそれましたが、さきほどの子育てサークルでは、 

家庭でつくった料理を持ち寄ることになっているんですね。 

 

ある日、せっかくだからとその鶏肉料理を持って行ったところ、 

ママさんたちから、 

 

「おいしい!」 

「どうやってつくったの!?」 

と、賞賛の嵐(笑) 

 

まぁそれはちょっと大げさですが 

料理のレシピを教えるなどして話が弾みました。 

 

それからというもの 

料理話題そこそこできるようになり 

話しやすくなりました 

なにがきっかけになるかわからないものですね。 

 

 

子育て支援センターでは 

男親はやっぱり一人だけなので 

最初はちょっと居づらさを感じたのですが、 

3回目くらいからは慣れて、気にならなくなりました。 

 

保育士の先生が、いろいろと気にかけ、 

話しかけてくれたりもします。 

 

子育てサークルにしても、子育て支援センターにしても、 

もともと先に妻が通っていて、 

周りに「今度だんなが育休とるよ!よろしくね!」と 

言っておいてくれたことも、よかったと思います。 

何事も引継ぎって大切です。 

 

 

子育てコミュニティに参加して感じたメリット 

 

そういう場に参加することで得られる一番のメリットって、 

親同士がコミュニケーションをとることで、 

「この悩み、自分だけじゃないんだ~」と安心できることだと思います。 

一種の自助グループみたいなものですね。 

 

私の場合、ママさんたちと直接連絡をとりあうとかはないですが、 

子育てコミュニティーに参加すれば、 

普通に話せるくらいの関係づくりはできました。 

 

しばしば、「大丈夫ですか?」「子育て大変じゃない?」 

と声をかけられますが、 

たぶん周りからは、危なっかしく見えてるのだと思います(;´∀`) 

というか、実際テンパってること多いし、そのとおりなんだけど(笑) 

気にかけてくれるのは、ありがたいことです。 

 

もちろん、 

「ママ友との関係ってめんどくさい」 

「一人のほうが楽」 

って言うママ、パパもたくさんいるでしょうし、 

そういうコミュニティーが合わない人もいるでしょう。 

 

無理に合わせる必要はないと思います。 

 

ただ、もし気の合う子育て仲間ができたとすれば、 

それは親にとっても子どもにとっても、すごく有意義で、 

プラスになることだと思います。 

 

 

おわりに 

 

というわけで、 

もし私と同じような心配を抱えているパパさんがいたら、 

まずは「ぬか」を勉強しましょう(笑) 

 

それは冗談として、 

私の経験からアドバイスできることがあるとすれば、 

 

①奥さんからママ友を紹介してもらう 

②料理や家事などの話題の引き出しをもっておく 

 (個人的に、低温調理器はまじでおすすめ!) 

③ママ友と悩みを共有し合う 

 

このあたりは、おすすめです。 

もし参考になれば幸いです。 

 

 

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

子育てパパの無気力感と克服方法 ~これって学習性無力感?~

 

 

こんばんは。 

2児のパパであり、長期育休中の公認心理師こころふです。 

 

今日あった面白かったことは、 

1歳のみーこが、上の子の真似をして洗濯物をたたんでくれたのです。 

(もちろんぐちゃっとなってたけど、やろうとしたことがすごい!) 

 

みーこは自分でできたことを嬉しく思ったのか、一言、 

 

「だんだんだ~」 

 

・・・・・・・。 

 

一瞬なにかと思ったけど、「たたんだ~」と言いたかったんだね(笑) 

とてもかわいかった(#^^#) 

 

 

さて、今日は、子育て中のパパが陥りやすい“無気力感”について話したいと思います。 

 

世の中のお父さん方、こんな経験をしたことはないですか? 

 

ぐずるわが子を抱っこしようとして、 

「ママがい~い!!(*´Д`)」と余計に泣かれてしまったこと。 

 

ご飯を食べさせてあげようとして、 

「ママじゃないとやだ~(; ・`д・´)」といやがられてしまったこと。 

 

私も何度もあるのですが、 

こころの狭い私は、 

そのたびに「チッ」とこころの中で(ときどき実際に)舌打ちしています(-_-;) 

 

まぁ一度や二度ならいざしらず、 

これが続くとさすがに嫌になってくるというものです。 

 

「子どもにとってはママが一番」 

 

分かってはいるのですが、 

それにしてもその反応はないだろうと・・・。 

 

私がメインで育児をするようになってからは、だいぶましになりましたが、 

以前はことごとく子どもから拒否を受け、 

なかば無気力状態に陥ってしまったこともありました。 

子どもにとっておれって必要なのかな~と。 

 

でもそこで冷静になって、はたと気づきました。 

 

「これって学習性無力感じゃね?」・・・と。 

 

 

学習性無力感とは? 

 

心理学を学んだことのある人なら必ず知っているというレベルの 

超有名な心理学用語なので、知ってる人も多いと思いますが、簡単に説明します。 

(余談ですが、あるウェブサイトによると、追加試験含めまだ過去3回しか実施されていない公認心理師の資格試験において、すでに4回も出てきているほどの頻出用語です) 

 

「学習性無力感」は、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンが提唱した用語です。 

 

セリグマンは、犬の足元に電流を流すという実験を行いました。(犬かわいそうに…) 

 

犬は電流に対して、最初は吠えたり動き回ったりと、なんとか避けようと努力しますが、 

その電流からはどうやっても逃れられないようになっています 

 

犬はしだいに電流から逃れることを諦め、何もしなくなります。 

 

次に、柵を乗り越えれば電流を逃れられるような状況をつくって 

そこに犬を移し、再度電流を流します 

 

すると犬は、今度は最初から電流を逃れようとする行動をとらなくなり、 

電流を受け続けるのです。 

つまりこの犬は、「無力感」を「学習」してしまったのです。 

 

この実験結果は、努力が報われない状況が続くと、 

何もできない無気力状態に陥ってしまうということを意味しています。 

 

 

私も、いくらあやそうとしても余計に泣いてしまうわが子に対し、 

無力感を学習していたのかもしれません。 

 

そして、「じゃあいいや・・・」と気持ちが萎えて 

子どもへの関わりに消極的になったらなったで、 

今度は妻からの「もっと手伝ってよ~!」のプレッシャー。 

 

もうどうしたらいいのよ・・・と。 

 

似たような経験されたパパさん方もいるのではないかと思います。 

 

 

無力感の克服方法 

 

学習性無力感は、うつ病との関連が深いと言われています。 

自己効力感が低下してしまう、とも。 

 

そうでなくても、子どもとの関わりに消極的になってしまうのは、 

もったいないことだと思います。 

パートナーとの関係に影響してくるでしょうし。 

 

なので気持ちを切り替えていけるといいのですが、 

大事なのは 

小さなことでも成功体験を重ねていくことだと思います。 

 

子どもがぐずっているときの対応が難しいのであれば 

比較的きげんのよさそうなタイミングを狙って、 

あやしたり抱っこしてあげたりすればいいのです 

 

そうやって子どもを楽しませることができれば、 

「よ~し次も!という気持ちになりやすいはずです 

 

あとは、パパだからできること、やりやすいことに存在意義を見いだすのも 

いいと思います。 

具体的には、公園に出かけていっしょに体を使った遊びをする、 

高い高いをしてあげる、肩車をしてあげる、など。 

 

そうやって、自分にできること、存在意義を感じられるようになれば、 

自己効力感もアップするでしょうし、無力感を克服することができると思います。 

さらに言うなら、できれば、 

ママにはパパのがんばりをねぎらってほしい。ウソでもいいから(笑) 

 

私の妻は、ちょっとした育児手伝いでもわりと感謝してくれたので、 

それでモチベが保たれた部分はあります。 

あとは、子どもの前で私を下げるような言動は絶対にとらなかったですね。 

それも地味にありがたかったです。 

(内心思うところはたくさんあったはずですが・・・) 

 

あとは、パパ友がいるのであれば、 

いろいろと話してみると、 

「うちもそうだよ~」なんて分かり合えることも多いので、 

それで気持ちが楽になることもけっこうありますね。 

 

何事も一人で抱えないことです。 

 

 

まとめ 

 

今回は、男親が子育てに消極的になってしまう原因の一端を 

「学習性無力感」で説明してみました。 

 

無力感を克服するには、 

・小さな成功体験を重ねる 

・男親ならではの立ち位置を見つける 

・パパ友と話してみる 

・(できれば)パートナーにねぎらってもらう 

 

といった方法がいいのではないかと考えてみました。 

 

 

ところで今回は私の立ち位置的に、 

あえて男親の話に限って書きましたが、 

これは女性、母親にとっても十分起こりうることです。 

 

実際、例えば子どもの発達に障害があるなどの理由から、子育てに苦戦し、 

うまくやれない自分を責めて、自信を失ってしまうママさんも多くいらっしゃいます。 

 

そのような場合、やはり育児の苦労を一人で抱えこまないこと、 

周りからのサポートを受けていくことがとても重要です。 

 

育児に失敗やストレスはつきものなので、 

親も自分自身のメンタルを大事にしてあげましょう。

“テレビ育児”が子どもに与える影響について考えてみた。

こんばんは。 

2児の父であり長期育休中の公認心理師こころふです。 

 

前回“語りかけ育児”について記事を書いたところですが、 

それと関連して、今回はいわゆる“テレビ育児”について書いてみます。 

 

 

わが家のテレビ育児 

 

みなさん子どもにどのくらいテレビをみせていますか? 

 

「家事の間ずっとみせている」、「なるべくみせないようしている」 

「ていうかもう、テレビじゃなくてスマホで動画見せてるし」などなど 

いろいろな親御さんがいらっしゃることと思います。 

 

うちは正直、 かなりみせてますね(;^ω^) 

 

実際、「テレビは全然みせてないというママさんに会ったこともあるし、 

ネット検索してもそういう方はけっこういるみたいだけど、 

 

いや、どうやったらできるの!? 

という気持ちしかないです(笑) 

 

そりゃまぁ見せずにすむならそうしたいところですが。 

 

ご飯の用意、洗濯物、風呂そうじetc…と無数にこなすべき家事はありますが、 

そんななかでも子どもらは容赦なく次々と要求してきます。 

 

「お菓子食べた~い」「ハサミどこいったの~?」 

それこそ「テレビみせて~」とかね。 

 

 

もうね、 

 

「うるせ~!知るか~!!」 

 

って言いたくもなりますよ。我慢するけど。

 

そんな中、“テレビさん”はわが家の救世主です。 

 

ポチっとリモコンのボタンを押すだけで、 

子どもからの要求の嵐がだいぶ弱まりますからね。 

 

テレビさん、そしてNHK(Eテレ)さんには足を向けて寝られません(笑) 

 

でもね、 

少しは罪悪感もあるんですよ。 

 

本当は子どもの遊びにもっとつきあってあげたい、 

絵本の読み聞かせをもっとしてあげたい、という気持ちもあります。 

 

それに、「テレビ育児」は子どもに悪影響があるとかっていうじゃないですか。 

言葉の発達が妨げられるとか、集中力がつかないとか。 

 

それこそ前回の“語りかけ育児”の本にだって、 

テレビは1日30分までがいい、なんて書かれてました。 

 

30分か・・・ 

わが家なんて余裕で3時間くらいはみせてますよ。はぁ・・

 

きっと同じようなモヤモヤを抱えている親御さんもたくさんいるのではないかと思います。

 

でも、ここで考えてみたんです。 

実際のところ、テレビを長時間みせることは、どのくらい子どもに悪影響があるのかなぁ、と。 

 

今回ちょっと調べてみました。 

 

 

テレビの悪影響は心配しなくてもいい? 

 

 

今回参考にさせていただいたのが、こちらの記事。 

 

発達心理学を専門にしている、 

お茶の水大学教授の菅原ますみさんへのインタビュー記事です。

 

菅原さんは、当NHKが実施していた「子どもに良い放送プロジェクト」に

共同研究者として参加していたそうです。

ここを見るといろいろと研究結果がのっています。

 

番組研究 - “子どもに良い放送”プロジェクト | NHK放送文化研究所

 

結論から言うと、 

 

テレビの長時間視聴については、それほど気にしなくてもいいのではないか、 

ということになります。 

 

少なくともテレビ視聴そのものが、 

発達にあきらかな悪影響を及ぼしたり、問題行動に結びつくといった科学的根拠はないようです。 

 

ただ、だからといって、 

ず~っとテレビをみせておいてもいいってことでもありません。 

 

発達心理学の研究では、 

絵本読みや、外遊びを通した人とのコミュニケーションが、 

子どもの語彙量を増やすということが分かっています。 

 

テレビをずっとみせていたら、絵本読みや外遊びの時間がとれませんよね。 

そうすると、子どもの語彙が増えることはあまり期待できなくなります。 

 

逆にいえば、テレビを全くみせない家庭であっても、 

絵本を読んであげなかったり、外遊びをさせなかったりすれば、 

同様に語彙は増えづらくなるということです。 

 

つまり、テレビの長時間視聴自体にはそれほど問題がなくても、 

間接的に、子どもの発達のチャンスを奪ってしまいうる、ということになります。 

 

とても腑におちた気がします 

 

 

他の研究でははっきりと悪影響がある主張する研究もあるそうなのです。 

 

ただ、そういった研究は、 

単に「行動に問題がある子」が「テレビを長時間視聴している」傾向が強い、という 

相関関係を指摘しているにすぎないらしいのです。  

 

これでは、テレビを長時間視聴したから、子どもの行動に問題が起きた、 

という因果関係があるとは言い切れません。 

 

むしろ反対に、

「子どもの行動面に問題が多い」(手がかかる)から、 

親がテレビを長くみせざるを得ない、のかもしれないのです。 

 

その点、菅原さんの研究は、数年にわたる大規模な追跡調査なので、 

こちらの方が信頼性は高いと思います。 

 

なお、補足として、 

テレビの内容が暴力的であったり、性的な内容だったりすると、 

子どもにネガティブな影響があるそうです。 

 

反面、子どもの年齢にふさわしい教育的内容であればポジティブな影響がある、 

という結果も出ているそうです。 

 

またテレビを親子でいっしょにみて、 

コミュニケーションツールのひとつにすることは意義があるそうです。 

これを「対話的共有視聴」というらしく、絵本と同様に、 

幼児の語彙量を増やす効果があるそうです。 

 

 

おわりに 

 

というわけで、今回テレビ視聴の子どもへの影響について調べたことを書いてみました。 

 

思ったほどの悪影響はないとのことで、ちょっと罪悪感がなくなりました(笑) 

 

むしろ、多くの子育てママ・パパにとって、 

テレビは便利な子育てツールとして役立っているのではないでしょうか。 

 

もちろん、「全くみせない」という方はすごいと思うし、 

理想的にはそれがいいのかもしれません。 

 

ただ、だからといって、テレビをとっぱらって、 

全時間フル稼働で子ども対応するって、誰にでもできることじゃないし、 

ストレスも半端じゃない気がします。 

 

そのストレスのせいで、イライラして子どもに当たってしまう、 

というのでは本末転倒ですし。 

 

テレビなどのメディアとは、

うまいぐあいに付き合っていくのがよさそうですね。 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 

 

“語りかけ育児”の大切さについて ~行動遺伝学を参考にしながら~

こんにちは 

2児の父であり長期育休中公認心理師こころふです 

 

育休前は心理職として 

子どもの発達や不登校のことなど、相談対応していたことがありました。 

 

今回は、子どもへの“語りかけ育児”がどのくらい大切かということについて 

書きたいと思います。 

 

さて子どもの発達のことでよくある相談として、 

「言葉の遅れ」があります 

 

「2歳を過ぎても単語がでないとか 

「3歳になるのに言葉が増えない」とか 

そういった相談ですね。 

 

この中で、心理職はどういうことをしているかというと、 

親御さんから、お子さんの様子をききとったり、心理検査を行ったりします。 

 

 

その結果、言葉や発達に遅れがあると判断されれば、 

それを親御さんにフィードバックし、言葉や発達を伸ばすために何が必要なのか、 

アドバイスしたりします。 

 

定番のアドバイスの一つは、 

 

「お子さんへの言葉かけ(語りかけ)をこころがけてくださいね」 

 

です。 

 

 

そう、言葉かけ(語りかけ)は大事なのです。 

 

でも正直、「そんなの分かってるよ~」とか 

「もうやってるよ~」と内心思う人も多いだろうなとも思います。 

 

実際、言葉の伸びぐあいというのは個人差があって、 

子どもによって早かったり遅かったり、ペースにけっこう違いがあります。 

 

なので、パパ・ママがめちゃくちゃ頑張って言葉かけをしていても、 

なかなか言葉が伸びないという子どもは、もちろんいます。 

 

 

では、「結局のところ、言葉かけ(語りかけ)ってどのくらい効果があるの?」 

という疑問について、考えてみましょう。 

 

ここで参考にしたいのが、「行動遺伝学」です。 

 

詳しくはふれませんが、一卵性双生児や二卵性双生児といった 

「ふたご」を調べることで、 

人間の能力や性格がどの程度遺伝や環境に影響されているか、 

といったことを明らかにする学問のことです。 

 

正直なところ、私も別に全然詳しいわけではないのですが、 

最近関心のある分野ではあるので、ちょっと調べてみました。 

 

まず、「遺伝か環境か」というテーマは、昔から議論されてきました。 

ざっくり言えば、 

人が成長するのに、遺伝要因と環境要因のどっちが大事なのか? 

という話です。 

 

結論としては、「どっちも大事!」 

ということになります。 

 

ただ、その分野によって、どちらがどれくらい影響しているのか、 

といったことはけっこう変わってきます。 

 

例えば、IQ、つまり一般知能は遺伝要因による影響がかなり大きく、 

家庭環境の影響はほとんどないと言われています。(年齢によっても変わってくるけど) 

 

また、遺伝的影響がさらに強いのは、 

音楽的才能や数学的才能らしいです。 

 

この2つは、ほぼ9割方、遺伝要因で説明できるらしいので、 

例えば音楽家として成功できるかどうかは、 

ほぼ生まれつき決まってしまうということになります。 

 

なんか身も蓋もないような話に聞こえてしまうかもしれませんが、 

逆にいえば、何かが得意でないことを、 

極端に環境のせいにしたり、努力不足のせいにしたりしなくてすむという点では、 

この話を聞いてホッとする人もいるのではないかと思います。 

(私が高校数学でつまづきまくったのも、努力不足が原因ではなかったんだ。きっとそうだ・・・。) 

 

行動遺伝学の第一人者である、安藤寿康さんの著書である 

「遺伝子の不都合な真実」によれば、 

行動遺伝学の3原則は、 

 

①行動にはあまねく遺伝の影響がある 

②共有環境の影響がほとんどみられない 

③個人差の多くの部分が非共有環境から成りなっている

 

とのこと。

 

②の「共有環境」というのは、 

(厳密にはちがうけど)ほぼ家庭環境と同じ意味だと思ってもらってけっこうです。 

 

つまり、家庭環境の影響って、実はかなり小さいってことを意味しています。 

 

「え~、うそ!?」って思ったのは私だけではないはず。 

でも、どうやら本当にそうらしいのです。 

それよりも、学校とか地域のコミュニティといった非共有環境の影響の方が強いとのこと。 

 

ただ、これはあくまで“原則”です。 

つまり、家庭環境の影響がでやすい分野というのもあるのです。 

 

では、最も家庭環境の影響が強い分野とはなにか? 

 

そう、「言語能力」なのです! 

 

どうやら言語能力の半分くらいは、家庭環境によって決まってくるようです。 

 

そうと分かれば、子育てのなかで、ここに力を注がない手はないですよね。 

親の言葉遣いとかも、子どものそれに大きく影響してきますよね。 

 

ここで「語りかけ育児」の重要性が見えてきました。 

 

イギリスの言語治療士であるサリー・ウォードさんが書いた 

『わが子の発達に合わせた1日30分間 「語りかけ」育児』という有名な本があります。

原題はBaby Talk

 

先輩心理士が勧めていたので、私もだいぶ前に買ってはいたのですが、 

分厚くてとっつきづらく、ちょっとしか読んでいませんでした(笑) 

ただ内容的には、素晴らしい本だと思います。 

 

これによれば、 

1日30分間、他の刺激(音とか)をなるべくシャットアウトした状態で、 

子どもと一対一で向かい合い、 

子どもが注意を向けていることについて、ゆっくりと語りかけてあげることが大事。 

 

“語りかけ”により、言葉の遅れがあった子どもでも、 

年齢相応の水準に追いつきやすくなることが分かっているそうです。 

 

というわけで、ちょっと回りくどくなりましたが、結論は、 

 

「語りかけ育児は、子どもの言語発達にとっても役に立つよ~!!」 

 

ということになります。 

 

なにやらよく話題になる“早期教育”に力やお金を注ぐよりも、 

よっぽどコスパがいいんじゃないかな。 

 

さて、わが身を振り返ってみると、 

正直、私の“語りかけ”は、今までかなり貧弱だったと思います(-_-;) 

 

妻には、「もっと子どもに話しかけなきゃ!」なんて言われる始末ですから…。 

仕事では「言葉かけが大事です!」なんてアドバイスしてるのに…情けない。 

 

分かってても、実践しなきゃ意味ないですよね。 

 

これからは心機一転、“語りかけ”を意識して、 

子どもに向き合いたいと思っている今日この頃です。 

 

子ども同士のちょっとしたトラブル どこまで親が介入すべきか?

 

 

こんにちは 

 

今日公共の子育てプレイルームみたいなところに、 

1歳の娘を遊びに連れて行ったときのことです。 

 

娘がふいに、おままごとセットで遊んでいる男の子の横に行ったかと思うと、 

少し割り込むような形になり、おもちゃで遊び始めたのです。 

 

男の子は腰が引けてしまったらしく、娘からちょっと距離を置き、 

娘の遊んでいる様子をしばらく見つめていました。 

 

娘はおもちゃを横取りしたというわけではなく、 

ただそこに遊びたい道具があったからそこにちょろっと入り込んだといった感じ。 

 

注意するか迷ったのですが、 

そこには相手の親御さんもおり、ちょっとバツがわるかったので、 

娘には「お友達が遊んでたよね」「違うところに行こうか」と声をかけてみましたが、 

全く反応なし。 

 

ただ、その場から引きはがすほどの状況でもないと判断したのと、 

男の子と一緒に遊んでくれたらな~とも思ったので、ちょっと様子を見ていました。 

 

すると、相手のママさんから私へのジ~ッという視線に気づきました。 

私もママさんの方に視線を向けるとたった一言 

 

「順番」 

 

とだけ、聞こえたような気がしました。 

 

「ん?」と思い、聞き返してみるとやはり 

「順番」と言っているようでした。 

 

表情から察するに、どうやら、 

「子どもに順番は守らせろ」と言いたいようだったのです。 

 

なぜ「順番」というたった一言だったのかというと、 

どうやら相手のママさんは中国系の方だったようで、 

日本語はかたことしか話せないようだったのです。 

 

なんにせよ、厳しい視線を向けられた私は、 

娘を抱き上げそそくさとその場から離れました。 

 

おもちゃを取り上げられた娘は当然いやがり声をあげましたが、 

さすがにあのまま遊ばせておく勇気はなかった・・・。 

 

今回のことは、様子を見るだけにとどめた私も悪かったのかもしれませんが、 

今まで直接的に親を責めてくる(少なくともそう感じた)親御さんに会ったことがなかったので、 

ちょっと面食らってしまいました。 

 

私が逆の立場だったら、 

男の子に「お友達といっしょに遊びなよ~」と声をかけたりしたと思うのです。 

 

まぁ相手が初対面で、考え方がわからない以上、 

無難に最初から引き離すことがベターだったのかなぁとは思っていますが。 

 

また、言葉の壁がなければ、親同士でなんらかのコミュニケーションをとって 

やり過ごせたのかもしれません。 

 

 

さて、今回に限らず、 

子ども同士のちょっとしたトラブルはよく起こります。 

 

相手をたたいてしまうとか、度をすぎた嫌がらせとかであれば、 

注意すべきでしょうが、 

そうでないグレーゾーン的なシチュエーションであった場合、 

対応に迷うことが少なくありません。 

 

例えば、うちの娘はブランコが好きでよく使うのですが、 

長いと何十分でものろうとするんですね。 

 

他の子が「ブランコのりた~い」と言ってきた場合、 

娘に「そろそろかわろう」と促しますが、ほとんどの場合降りようとはしません。 

 

相手の子の要求がエスカレートしてこようものなら、 

どうすべきか困ってしまいます。 

 

公園のブランコに「〇分で交替しなければいけない」というルールはありません。 

でもあまりに長ければ、譲ってあげるのがマナーだとは思います。 

 

ただ、じゃあその時間って何分から? 

 

5分? 

10分? 

それとも15分? 

お互いの年齢にもよる? 

 

考え出すときりがありません。 

 

そもそも、そういう些細ないざこざに親が介入すべきなのか? 

いろいろな意見があると思います。 

 

見守っていればいいと言う人、早めに介入してあげる方がいいと言う人。 

さまざまですよね。 

 

個人的な意見でいえば、 

明らかにどちらか一方がわるいとか、激しいケンカが起こっているという状況でなければ 

親はあまり介入しないほうがいいのではないかと、最近は思っています。 

 

以前は「どちらかというと早めに止める派」だったのですが、 

最近は身近にいるママさんたちの影響を受け、 

「どちらかというと見守る派」に転身しました(笑)

 

理由としては、なんでもかんでも親が介入してしまうと、 

子どもの自律性、対応力が育たないんじゃないかと思うからです。 

 

子ども同士の関係で困る経験も必要だと思います。 

 

収集がつかなくなるなら、そのとき親が介入すればいいと思っています。 

 

とはいえ、やはり相手の親御さんの考え方、スタンスを慮ることも大切ですね。 

今回のことで身に染みました(;^ω^) 

 

子育てって、本当に学ぶことが多いですね~。